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【葵S】波乱含みならば人気馬と互角のあの馬に期待

  • 2020年05月29日(金) 18時00分

スピード決着に対応する血統背景も強調できる


 重賞に昇格して今年が3回目。重賞としての傾向はないが、オープン特別時代を合わせると、芝状態のいいこの時期だけに最近10年、不良馬場の2017年を除いた9年のうち7年までが「1分07秒5-1分08秒0」のスピード決着。戦法を身につけている古馬ではないので、置かれるタイプは苦しい。

 のちにA級に出世する馬(2011年ロードカナロア、2010年カレンチャンなど)が含まれるため、1200mにとどまらず、同じ京都の橘ステークス(芝1400m)でも好走した馬は有利。

 また、内回りで、直線が平坦の京都のため、10年のうち9回までの勝ち馬が、「馬番6番以内」の内枠の馬。2ケタの馬番同士の1-2着は1回しかない。

 波乱の結果が珍しくなく、人気上位が予想される先行型のビアンフェ、エレナアヴァンティが外枠を引き、逆に先行タイプともいえないケープコッドが最内枠になったあたり、今年は波乱の可能性がかなりある。

 伏兵アルムブラスト(父リアルインパクト)を狙いたい。昨年6月の新馬1200m(福島)では、今回対戦する人気のエレナアヴァンティの0秒3差2着だが、道中ちょっとモタついたためで、短い直線で1馬身3/4まで追い詰め、上がり35秒3は勝ち馬のそれを0秒3上回っていた。中身はほとんど互角だった。

 2戦目の1400mを3番手から楽に抜けて勝ったあと、光るのは3戦目の中山1200mの「カンナS」。一番の好スタートから一旦中団まで下げ、逃げ粘るテーオーマルクス(エレナアヴァンティの勝った2月のマーガレットS3番人気馬)を差し切った。1分08秒8(自身34秒5-34秒3)は必ずしも速い時計ではないが、今回の組み合わせには1分08秒台の記録を持つ馬が少なく、ここでは一応2番目の持ちタイム。また、1400mもこなしている。

 サクラバクシンオーの牝馬に、父はリアルインパクト(GI-GII4勝馬)。祖母ティエッチグリーンの半妹ティエッチグレースはアイビスサマーダッシュ2着馬。非常にスピード色の濃い血統背景を持つので、現時点では京都の1200mは大歓迎だろう。

 前出のエレナアヴァンティ、ビアンフェのほか、ビップウインク、グリンデルヴァルト、マイネルグリット、ワンスカイまで流したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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