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【日本ダービー】1990年からの“連続出場”が途切れる

  • 2020年05月30日(土) 12時00分

一生に一度の栄誉は馬も人も同じ


 いよいよ日本ダービー。でも今年は、無観客開催となってしまいました。

 私も、テレビ・ラジオ関係者に関しては「当日の中継に携わる者以外、入場不可」とのことで、実況収録はおろか現地観戦もできなくなりました。1990年からずっとナマで実況を付けてきただけに、“連続出場”が途切れるのは何とも残念です。

 まぁそれは仕方ないとして、緊急事態宣言は解除されたので、せめて出走馬の馬主さんの入場は認めてほしかったと思います。

 馬主さんは、ダービー馬のオーナーになるために馬を持っている、と言っても言いすぎではないはず。愛馬がダービーを制しても(それが、その馬主さんにとって一生に一度のことになるかもしれないとしても)、優勝の口取りができないなんて……。

 それでもこの状況にあっては、無事にダービーが開催されるだけで「よかった」と思うしかないんでしょうね。

 では、いつもと同じように、ダービーについてあれこれ考えてみましょう。皐月賞の1、2着馬はもちろん優勝候補。63年ぶりに無敗のオークス馬が誕生したからには、皐月賞馬のコントレイルが無敗のダービー馬となることを期待したくなります。

 しかしながら、ここ10年で皐月賞+ダービーの2冠馬が2頭しか現れていないのに対して、皐月賞で負けてダービーを勝った馬は6頭います。確率的には、サリオスほか皐月賞敗退組に賭けてみる手もありそうです。

 最近10年で3着以内に来た例がないのは、前走が皐月賞、青葉賞、プリンシパルS、京都新聞杯ではなかった馬と、前々走が2ケタ着順だった馬。前走が2ケタ着順という馬も1頭しか来たためしがありません。

 それと、3歳になってから初めて走ったレースの成績もけっこう重要(みたい)です。まず、3歳初戦が3着以下だった馬は、ここ5年は馬券に絡んだことがありません。最近10年で見ても、3歳初戦が重賞だったら4着以内に入っていないとダービーでの馬券絡みは望み薄。重賞以外のレースなら2着以内に来ていることが、好走のための絶対条件と思われます。

 そして、勝つには前走と同じジョッキーが騎乗していること。毎年言っていますが、1985年の加藤和宏騎手(シリウスシンボリ)を最後に、“乗替騎手”でのダービー制覇は途絶えています。だだし、“乗替騎手”が2、3着に来た例はここ10年で5回あって、そのすべてがダービーで“初コンビ”を組んだものでした。

 さらに、連対率も5割以上あったほうがいいようです。ここまでの条件で“厳しめ”にふるいにかけました。5番コントレイル、6番ヴェルトライゼンデ、12番サリオス、16番マンオブスピリットの4頭は勝っても不思議ではないはず。一方、例外的なことが起きて2、3着に来れば“オイシイ”馬券になるかも、と思うのが4番レクセランス、9番ダーリントンホール、10番コルテジア、14番マイラプソディ、15番サトノフラッグあたり。これらをどう絡めて馬券を買うか思案中です。

 図らずも“歴史的”になってしまった今年の日本ダービー、しっかり見届けましょう!!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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