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【安田記念】超ハイレベル戦でもあの馬が勝つ!

  • 2020年05月31日(日) 18時00分

■安田記念(GI・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録17頭


★3行でわかる! 安田記念 攻略の糸口

1.「内枠の人気サイド」「外枠の人気薄」が強いレース!
2.前走上がり順位が「3位以内」のひとケタ人気馬中心!
3.前走480キロ以上馬が優勢。関東所属騎手にも注目!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし


 詳しくは後述するが、安田記念はかなり波乱傾向の強いレース。昨年はそれなりに順当決着だったが、それでも断然の1番人気だったアーモンドアイが3着に終わり、馬単は1万3660円と高配当となった。今年は超ハイレベルなメンバーが集うだけに大波乱まではないかもしれないが、チョイ荒れくらいならば十分に考えられる。

 1週前からのCコース替わりの影響もあり、基本的には内枠有利の傾向。馬番1〜6番を引き当てた人気サイドは、非常に高い信頼度を誇っている。ただし、外枠が不利とはいえない点に注意。ファンのチェックも甘くなるのか、外枠に入った人気薄は猛烈に強い。馬番13〜18番に入った7番人気以下馬は、積極的に買う価値アリなのだ。

 そして、高いレベルの瞬発力が要求されるレースであるのも、しっかり意識しておきたいポイントである。安田記念で速い上がりを使った馬は総じて好成績で、速い上がりが繰り出せるのは大きな武器。ここでは前走での上がり3F順位別での成績を掲載したが、前走での上がりが「3位以内」であるか「4位以下」であるかで、期待度は大違いである。

 馬券の中心として扱いたいのが、「前走での上がりが3位以内かつ当日ひとケタ人気」という条件を満たす馬。今年の登録馬ではおそらく、アーモンドアイ、インディチャンプ、グランアレグリア、ノームコア、ペルシアンナイトあたりが、これをクリアすると思われる。前走上がり3F順位が4位以下の馬も12頭の馬券絡みがあるが、こと勝率に関しては雲泥の差。こちらは2〜3着で狙うのがセオリーだ。

 あとは、前走馬体重480キロ以上馬が優勢であることや、関東所属騎手が存在感を発揮しているレースであること、意外に外国人騎手が不振(勝率3.3%、連対率6.7%)であることも、覚えておいて損はないはず。枠番が重要なので特注推奨馬はナシとしたが、現時点で名前をあげるならば、いたってフツーにアーモンドアイである。

【コース総論】東京芝1600m Cコース使用

・コースの要所!

★人気馬がしっかり結果を残しているコース。穴は2〜3着で狙うのがベター。
★枠番はフラットで内外での差はほとんどなし。狙ってオイシイのは外枠か。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。後方に置かれる馬を割り引くのが正解。






 春だけで、3回もGIが開催される東京芝1600m。掲載しているデータも、NHKマイルCやヴィクトリアマイルとほとんど差がない。同じ内容を何度も繰り返すのはくどいので、今週もここはさらっと流させていただく。ただし、先週のダービーからCコースに替わっており、その影響がまだ大きいタイミングであるのは、しっかり意識しておきたい。

 スタートから最初のコーナー進入まで十分に距離があるので、枠番の内外による有利・不利がほとんどない。実際に、NHKマイルCを勝ったラウダシオンは6枠11番、ヴィクトリアマイルは1着アーモンドアイが6枠12番、2着サウンドキアラが大外18番。さらに、3着ノームコアも8枠16番だった。

 基本的には人気サイドが強いが、2〜3着のヒモはけっこう紛れる傾向アリ。人気馬からのヒモ荒れ狙いをオススメしたいコースである。脚質については、先行勢と中団待機組が「ほぼ互角」という様相だが、このあたりは馬場バイアス次第だろう。例年通りのバイアスならば、イメージほど差し優勢ではなく、後方に置かれるとかなり厳しいはず。前が残るパターンも想定して、馬券を組み立てるべきだろう。

【レース総論】安田記念(GI) 過去10年

・レースの要所!

★過去10年で7〜9番人気が5勝と波乱傾向はかなり強い。高配当も十分に狙える。
★内枠の強さが目立つ一戦。枠番は「人気の内枠」と「人気薄の外枠」に注目。
★上がり上位馬が好成績で、差し優勢。年齢別では6歳馬の強さが目立っている。
★前走480キロ以上馬を重視。関東所属騎手が好調で、外国人騎手はいまひとつ。









 レースの平均配当は、単勝1435円、馬連8211円、3連複4万922円と、3連複平均だけが飛び抜けて高い。ジャスタウェイが制した2014年やストロングリターンが勝った2012年のような「ヒモが思いっきり紛れる」パターンや、サトノアラジンが制した2017年のような「人気馬が総崩れ」のパターンなど、高配当決着が多いレースである。

 当然ながら、波乱傾向の強さはかなりのもの。過去10年の勝ち馬のうち、半数を「7〜9番人気」が占めているというのが、荒れるレースであるのをよく物語っている。ふたケタ人気馬も6回の馬券絡みがあるように、中穴から大穴まで侮れない一戦。高配当が積極的に狙えるレースだけに、人気馬の過信は禁物といえる。

 次に枠番だが、内枠である馬番1〜6番が好成績。これはやはり、ダービー週からのCコース替わりが大きく影響していると思われる。では、外枠は軽視すべきかといえば、さにあらず。枠番×人気でのクロス分析の結果、安田記念で狙うべきは「内枠の人気馬」と「外枠の人気薄」であることが判明した。外枠に入った馬は、6番人気以内馬よりも7番人気以下馬のほうが高信頼度という、逆転現象が起こっている。

 脚質は「先行勢も健闘しているが差し優勢」というのが適切な表現。決め脚が高いレベルで要求されるレースであるのは冒頭でも解説したが、その裏付けとなるのが上がり3F順位別での成績だ。2位以内馬はトータル[4-5-4-7]で連対率45.0%、複勝率65.0%とキッチリ上位に食い込んでおり、回収値も非常に高い。中団で流れに乗れそうな馬ならば、なおさら「買い」といえそうだ。

 年齢別でもっとも内容がいいのは、意外なことに6歳馬。ここ2年はイマイチな結果に終わっているが、その前は毎年のように好走していた。さすがに7歳以上になると信頼度はガクッと落ちるが、若い馬のほうが強い傾向にあるレースでないのは間違いなし。登録馬で唯一の6歳馬ペルシアンナイトが激走する可能性も、十分にあると思われる。

 あとは「馬格」もしっかりチェックしておきたいところ。前走での馬体重が480キロ以上あった馬のほうが、明らかに成績がいい。昨年インディチャンプが前走馬体重470キロで勝っているので歯切れは悪くなるが、馬格のある馬のほうが強い傾向のレースであるのは間違いなし。騎手関連データからは、鞍上の乗り替わりがマイナスには働かないこと、関東所属騎手の活躍が目立っていることの2点が、注目すべきポイントとなる。

【血統総論】


 血統面からは、ディープインパクト産駒、ステイゴールド産駒、ハービンジャー産駒をプラス評価の対象とした。ロードカナロア産駒もディープインパクト産駒に負けず劣らず高信頼度ではあるのだが、単勝適正回収値やギャップ値から推測するに、ディープインパクト産駒以上に過剰人気。回収値とギャップ値の両方が優秀で、爆発力があるステイゴールド産駒とハービンジャー産駒には「一発」が期待できそうだ。

★特別登録馬 総論×各論

 無観客とはいえ、非常に面白いレースが続いている春のGIシーズン。その中でも最高の「ワクワク感」をファンにもたらしてくれそうなのが、この安田記念だ。女王アーモンドアイの参戦で、出走メンバーの質は過去最高レベルに到達。インディチャンプ、グランアレグリア、ダノンキングリー、アドマイヤマーズなどなど、この路線の最強クラスが何頭もひしめき合う大激戦となった。

 枠番次第でかなり評価が入れ替わるとは思うが、現時点でのトップ評価はアーモンドアイ。前走のヴィクトリアマイルで見せた強烈なパフォーマンスは、まだ記憶にも新しい。相手関係は一気に強化されるが、前走と同じような競馬ができれば、それでも勝ち負けになって当然。懸念材料は「珍しく詰めて使う」というローテ面だけだろう。

 二番手評価にダノンキングリー。GIタイトルこそまだ獲っていないが、その能力がGI級であるのは証明済みで、東京芝コースの適性も非常に高い1頭だ。本馬もタメれば強烈な末脚を繰り出せるし、前々で流れにも乗れるという、アーモンドアイと似たタイプ。ターフに戻ってきた戸崎騎手が、ダービーの雪辱をここで果たす──というシナリオも、十分に考えられる。

 三番手評価にペルシアンナイト。勝ち星からはかなり遠ざかっているが、昨年のマイルCSで3着に好走しているように、衰えはまったく見られない。東京芝コースの適性という点で見劣りするのは事実だが、今回は大きく人気を落とすはずで、配当的な妙味はかなりあるはずだ。データからの買い材料も多く、意外性がある田辺騎手への乗り替わりも面白そう。一発を期待して、上位の一角に推したい。

 以下は、インディチャンプ、グランアレグリア、アドマイヤマーズ、ノームコア、ダノンプレミアムという評価の序列。アーモンドアイがトップ評価なので、ここから「相手紛れ」を狙うのが基本方針となることだろう。外枠に入った人気薄は、名前をあげていない馬でも必ず買いたいところ。この超ハイレベル戦を、どの馬がどのような競馬で制するのか──本当に今からスタートの瞬間が待ち遠しい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




枠連1番人気を買ったら2番人気で決まった(#^ω^)ビキビキ

攻めてのハズレならば仕方がないが、メチャクチャ堅い馬券を買ってハズレというのは、我ながら情けない(切腹)。まあ、ここまでヒモが紛れるとは思っていなかったので、仕方がないっちゃ仕方がないんですが! 安西先生……素直にデアリングタクトの単勝を買えるような人間になりたいです……。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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