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期待馬とのレースを最速回顧「悔しかった…けどこれからが楽しみやで!」

  • 2020年06月09日(火) 18時01分
先週土曜日のタガノウィリアムは、昇級初戦で9番人気ながらクビ差の2着と奮闘。「本当に力をつけている」と、小牧騎手もその上昇度を評価する1頭です。もう1頭、「実は気合いが入っていた」と明かしたニホンピロスクーロですが、残念ながら12着に惨敗。はたしてその敗因とは…!? 今週の『太論』では、ここ2週のレースを振り返ります。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

昇級戦でいきなり2着、初の古馬相手を考えれば上々や!


──さっそく先週のレース回顧から。土曜日のタガノウィリアム(阪神7R・3歳上1勝クラス・ダ1800m・9番人気2着)は惜しかったですねぇ。最後の最後まで喰らいつきましたが…。

小牧 惜しかったねぇ。ハナに行くつもりはなかったんやけどね、ホントは。でも、こっちが思った以上に速かったから。

──確か未勝利を勝ち上がった際、「今後は好位での競馬を教えていこうと思ってる」とおっしゃってましたね。

小牧 うん。そうしようと思ってたんやけど、ちょっと促したらスーッとスピードに乗っていったから。“たられば”になるけど、内のほうの枠やったら勝っていたかもしれんなぁ。

──それにしても、直線は早々と勝ち馬(ハイクアウト)に前に出られながらも、盛り返す勢いで粘りに粘って。道中も淀みないペースで逃げての粘り腰でしたから、強いなと思いました。

小牧 ねぇ。盛り返したかったけど、(岩田)望来くんに負けてしまったわ。勝ちたかったね。ただね、ホントに力をつけてきてる。今回も前回同様、手前を替えてなくて。逆にいえば、手前を替えんであそこまでやれるんやから、楽しみなのは間違いないね。ものすごく悔しかったけど、昇級戦で初めての古馬相手やったことを考えれば、上々の結果。まだ次があるし、これからの馬やから。

──そうですね。昇級したばかりとはいえ、早々に出番が回ってきそうです。あとは日曜12Rのニホンピロスクーロ(3歳上1勝クラス・ダ1400m・6番人気12着)。この馬も「1勝クラスでもやれる」と楽しみにしていた馬ですよね。

小牧 うん。ただ、見ての通り、今回も砂を被るのを嫌がったなぁ。全然進んで行かんかったわ。前回もそういう面を見せたけど、直線で盛り返してくれたからねぇ。今回のような、あんなことないはずなんやけど…。

──1週前、最終追いと、2週連続して調教に騎乗していましたね。

小牧 せやねん。それだけ期待してたからねぇ。

──時計だけで判断できないとはいえ、CWで79秒台、坂路で51秒台が出ていて。

小牧 そう、すごい時計が出ていたでしょ? 動きもむっちゃよかったから、楽しみにしてたんですわ。正直ね、気合入ってた(笑)。でもまぁ、悲観してないけどね。

──やはり砂を被ってしまったことがすべて。

小牧 そうやと思う。間隔が空いて体重は増えていたけど(プラス14キロ)、太目感はなかったし、やっぱり気持ちやね。楽しみにしていたぶん、今回はちょっとショックやったけど、あの調教の動きが実戦につながってくれば、もっともっとやれていい。だから僕自身は全然悲観してない。楽しみやで、これから。ちょっと長いかもしれんけど、次は1800mに戻してみるかもしれん。

──もう1頭、5月最終週のスペクター(京都10R・東大路S・ダ1800m・6番人気3着)。前回でつかんだ特徴を生かし、早めにエンジンを掛けていきましたね。

小牧 いや、それ以前に位置取りが悪すぎた。前回でエンジンの掛かりが遅いことがわかっていたから、早めに動かしていったんやけどね。いかんせん最初の位置取りが…。それよりね、52キロがきつかったよ。むっちゃきつかった(苦笑)。木曜日に斤量を聞いたんやけど、たまたまその週は熱心に走っていたから軽かってん。それでも最後の200g、300gは、久しぶりにきつかったねぇ。いつ52キロを頼まれても、乗れるようにしとかなアカンね。

──小牧さんご自身は、相変わらず自粛継続中ですか? 関西圏はとくに、だいぶコロナも落ち着いてきた感がありますが。

小牧 今日(8日)はね、久しぶりに外に出たわ。久しぶりに歯医者に行って、伊勢丹に買い物に行って。伊勢丹の食料品売り場の魚屋さんでは、僕は顔やからね(笑)。

──「おッ、小牧さん!」みたいな。

小牧 そうそう。悪いことしてるわけじゃないのに、このご時世やからね、なんやコソコソしてしまったわ(笑)。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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