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【七夕賞】ハンデと騎手が超重要ファクター!

  • 2020年07月05日(日) 18時00分

■七夕賞(GIII・福島芝2000m)フルゲート16頭


★3行でわかる! 七夕賞 攻略の糸口

1.イメージ通りの荒れっぷり。枠番については外枠不利!
2.斤量増=絶対に買い。狙いはハンデ57キロ以上の牡馬!
3.前走OP特別組を重視。鞍上の騎乗パターンも要確認!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 いかにも荒れそうなイメージで、実際よく荒れる七夕賞。となれば、軽ハンデの人気薄を狙いたくなるが、実際に好走しているのはハンデを「背負っている」組で、具体的には牡馬ならハンデ57キロ以上馬を狙ったほうがいい。また、前走から斤量増となる馬も、トータル[5-5-1-12]で連対率43.5%、単勝適正回収値148.3、複勝回収値121と絶好調。軽ハンデの馬もヒモには拾いたいが、軸はハンデが重い馬から選ぶべきだ。

 枠番については外枠不利で、これはコースデータとレースデータの両方で共通の特徴。フルゲートとなりそうな今年、馬番13〜16番に入った馬は、人気でもかなり評価を割り引いたほうがいい。あとは、前走クラス別で「前走OP特別組」が素晴らしい成績を残しているのも、注目に値するポイント。前走GI組やGII組よりも信頼度が高く、さらに爆発力まであるのだから、これを狙わない手はない。

 そしてもうひとつ、騎手の騎乗パターンもしっかりチェックしたい要素。というのも、人気薄で激走した馬のほとんどが乗り替わり組で、鞍上が継続騎乗する穴馬は買う価値ナシといっても過言ではないからだ。あとは、「関西馬×関東所属騎手」の組み合わせが素晴らしい結果を残しているのも見逃せない。こういった好走パターンに該当する馬は、人気薄でもしっかり押さえておきたい。

【コース総論】福島芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★人気薄の激走率が高いコース。7〜9番人気や10〜12番人気は常に警戒が必要。
★外枠である馬番13〜16番はハッキリと不利。だが内枠有利ではないので注意。
★先行勢が優勢で、逃げ馬もけっこう残る。勝ち負けには中団より前が欲しい。





 夏の福島の名物レース・七夕賞の舞台となる芝2000mは、ホームストレッチの右端にあるポケットからの発走となる。最初のコーナー進入まで500m以上と距離は十分にあるが、そのわりには序盤の流れが速くなりがち。中盤に入っても流れが緩まず、一貫して速いラップが刻まれるケースもある。一気にギアを上げる瞬発力よりも、持久力のほうが求められるイメージだ。

 まずは人気別成績だが、目立っているのが高い人気薄の激走率。7〜9番人気はトータル[11-6-18-181]で複勝率16.2%、10〜12番人気は[3-8-10-195]で同9.7%と高信頼度で、馬券に絡んだ馬の25%以上をここが占めている。さすがに13番人気以下になると手を出しづらいが、極端な人気薄以外はコンスタントに上位争いが期待できそう。当然、高配当も狙いやすいコースといえる。

 次に枠番。福島芝といえば「外差し」のイメージが強いが、それは馬場が荒れた開催終盤に限った話。全体ではハッキリと外枠不利で、馬番13〜16番に入った馬の信頼度や回収値はガクンと落ちる。外枠を引いた場合は、人気馬でも相応の割引が必要だろう。ただし、内枠有利というわけではないので注意。外枠だけ評価を割り引くのが、ここでの正解だ。

 脚質面は、イメージ以上に「前」優勢。4コーナーを先頭で回った馬は、トータル[7-6-3-23]で連対率33.3%、複勝回収値141と素晴らしい成績である。先行勢と中団待機組の比較では、勝率や連対率には2倍以上もの大差が出ており、4コーナー11番手以下から勝った馬はゼロ。まだ開催2週目で馬場も荒れていないとなると、差し〜追い込み勢の過信は絶対に禁物だ。

【レース総論】七夕賞(GIII) 福島過去10回

・レースの要所!

★高配当の使者は10〜12番人気。人気サイドの信頼度はイメージ以上に高い。
★コースデータ通りに外枠が不利。そして先行勢の強さはコースデータ以上。
★人気薄でも侮れないのが6歳馬。ハンデは「背負っている組」を重視すべき。
★前走OP特別組は絶好の狙い目。関西馬×関東騎手の組み合わせも非常強い。










 レースの平均配当は、単勝2176円、馬連8427円、3連複7万9897円とかなり高めの水準。2018年は12頭と少頭数だったにもかかわらず、11番人気→4番人気→12番人気で決まって、3連単256万馬券と大波乱だった。夏のハンデ戦らしく波乱傾向が強いレースで、順当に決まるケースはほとんどないといっても過言ではないが、1番人気など人気サイドの信頼度はけっして低くはない。要は、どう組み合わせて買うかである。

 枠番については、コースデータと同様に「外枠不利」が結論。外枠である馬番13〜16番に入った馬の信頼度は明らかに低く、人気馬でも相応の割引が不可欠といえる。もっとも信頼度が高いのは「やや内」である馬番5〜8番で、単純に内外を比較したデータにおいても、ハッキリと内のほうが優勢。「やや内枠有利&確実に外枠不利」という捉え方が、もっとも適当だと思われる。

 脚質面はコースデータ以上に前が優勢。4コーナーを5番手以内で回った馬が、トータル[8-2-7-40]で複勝率29.8%、複勝回収値213という文句なしの結果を残している。また、上がり最速ではなく2位の馬が高勝率であるというのも、前優勢を裏付けるデータ。1着候補に関してはとくに、前々で流れに乗れるタイプを重視すべきだ。差せなくはないが、2〜3着に惜敗することが多いレースである。

 次に年齢別成績。馬券に絡んだ馬の過半数を6歳以上馬が占めているように、高齢馬の強さが目立っている。イチオシは6歳馬で、複勝率30.0%、複勝回収値223と、信頼度の高さと爆発力の強さを兼ね備えている。そして前走距離別成績では、前走芝1600m戦からの距離延長組と、前走ダート戦組が好成績。レアな出走パターンではあるのだが、もし出走してきた場合は積極的に狙っていきたい。

 そして気になるハンデについては、斤量を「背負っている組」を重視すべき。軽ハンデの馬もけっこう馬券に絡むレースではあるが、連対馬の半数がハンデ57キロ以上であるのを忘れてはならない。また、前走から斤量増となった馬も、トータル[5-5-1-12]で連対率43.5%、単勝適正回収値148.3、複勝回収値121という素晴らしい結果を残している。「前走から斤量増となるハンデ57キロ以上の牡馬」は、ノータイムで買いだ。

 前走クラス別成績では、前走OP特別組の活躍が目立っている。その信頼度は、前走がJRA重賞だった組よりもはるかに上。そしてナメられやすいのか、単勝適正回収値や複勝回収値もバツグンに高い。あまりアテにできない前走重賞組に関しては、ハンデや人気といった他のファクターを用いて、しっかりふるいにかける必要がありそうだ。

 最後に騎手関連データ。信頼度が高いのは継続騎乗組だが、こちらは7番人気以下[0-0-1-28]と、人気薄ではサッパリ。内容がいいのはやはり乗り替わり組で、人気薄で激走した馬のほとんどが該当している。また、関東馬よりも関西馬のほうが強く、なかでも「関西馬×関東騎手」の組み合わせは期待大。人気薄での乗り替わり騎乗ならば、すべて買っても期待値は余裕でプラスである。

【血統総論】


 血統面では、ステイゴールド産駒、ルーラーシップ産駒、コンデュイット産駒をプラス評価の対象とした。残念ながら出走想定馬にコンデュイット産駒の姿はないが、ステイゴールド産駒とルーラーシップ産駒は何頭も出てきそう。いずれも単勝適正回収値が100オーバーでギャップ値も優秀と、そのコース適性の高さはかなりのものだ。

★出走予定馬 総論×各論

 想定の段階で16頭以上が出走の意向を示しており、抽選&フルゲートとなりそうな今年の七夕賞。しかし、どの馬がどの程度の人気になるのかすらサッパリ読めないという、なかなか壮絶な混戦模様である。実績馬は、エアウィンザーのように近況が不振であったり、クレッシェンドラヴのように久々であったりと、扱いの難しい馬ばかり。例年にも増して難解な一戦となりそうな気配だ。

 ハンデと騎手が重要な予想ファクターなのだが、ハンデは不明で、騎手想定も本稿の執筆段階ではあまり把握できていない。小一時間ほど悩んだあげく、現段階での評価は無理なのであとは読者の皆様に判断を委ねる──といった逃げの手を打とうと考え始めるほど、メチャクチャ難しい。いつも以上にアテにならない評価となってしまうのは、どうかお許しいただきたい。

 思いきってトップ評価としたのが、前走で船橋のマリーンCに出走しているパッシングスルー。人気薄となるのは確実だが、七夕賞は「ダ→芝替わり」での好走例が何度もあるレースで、意外に侮れないのだ。鞍上が乗り替わる見通し(戸崎騎手に依頼中)であることや、コース適性が高いルーラーシップ産駒であるのもプラス。おそらくハンデも軽いはずで、人気薄での激走候補をして名前をあげておきたい。

 二番手評価にウインイクシード。前走は今回と同じ、福島芝2000mの福島民報杯で3着という結果だった。このレースの1着馬マイネルサーパスも七夕賞に出走予定だが、道悪の巧拙が結果を大きく左右した印象で、良馬場ならばウインイクシードが巻き返す可能性はかなり高いとみている。横山武騎手が継続騎乗する見通しなので、こちらは人気サイドに推されるのが好走の必要条件となる。

 三番手評価にグローブシアター。ただし、収得賞金が2250万円しかないので、除外となるケースが十分に考えられる。それでも推すのは、今年の出走馬で数少ない「関西馬×関東騎手×乗り替わり」という、騎手データにおける最強パターンに該当しそうだから。6歳馬であることや前走がOP特別であるのもプラスで、もし出走が叶えばデータ的には激アツだ。

 以下はバレリオ、レッドローゼス、ジナンボー、クレッシェンドラヴ、ヴァンケドミンゴといった評価順だが、ここに騎手、ハンデ、枠番、そして人気といったファクターを付け加えていくわけで、最終的な結論はまるっきり別モノになるはずだ。この出走予定メンバーで順当に決まるなど考えられないので、ホームランを狙ってブンブン振り回したほうがいいと思われる。非常に面白く、予想しがいのあるレースであるのは間違いない。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



上半期を締めくくれなんだ(#^ω^)ビキビキ

 雨の影響は小さいというのが前日段階での読みだったので、直前の大雨は想定外。16クロノジェネシスはもちろん「買い」だったんですが、不良馬場で菊花賞を制している14キセキを上位に取れなかったのが悔しい。まあ、1週間以上前に予想していると、馬場状態どころかバイアスすら読めないワケで(言い訳)。下半期はさすがにもーちょい、どげんかせんといかんな……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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