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【七夕賞】斤量の変化が重要

  • 2020年07月07日(火) 12時00分

斤量から軸馬を検討するならば…


 七夕賞はハンデ戦。ハンデ戦といえば私は常々、「ハンデ戦は敢えて背負う馬を買え」という競馬格言を唱えている。日本の方式だと、能力差を埋めるほどのハンデ差はつかないからだ。

 ただレースによっては多少の事情の違いがあり、七夕賞についてはちょっとややこしい。

 まず斤量の絶対値について言うと、近年ではハンデの軽い側から人気薄好走馬が出ている。牡馬55キロ・牝馬53キロ以下の馬が回収率で単218%・複167%なのに対し、それより背負っていた馬は単58%・複63%だ。

 これだけなら「軽ハンデ馬のほうがいい」ということになるが、前走からの変動でいうと斤量増組が[4-5-1-14]の単91%・複108%で悪くない。一方、斤量減組は[4-2-8-63]で、複勝率は斤量増組の半分以下。ただ回収率は単250%・複179%で、一部の馬が大きな穴を出してきたことが分かる。

 いちばん良くないのは前走と同斤量の馬で、勝率・複勝率も高くないうえに回収率は単30%・複46%。前走が別定戦などでたまたま斤量が同じというケースもあろうが、近走内容が良くないのに持ちハンデがそのままというケースは買いづらい。

 勝率・複勝率は的中頻度に繋がるので、まず軸として検討したいのは結果として何キロになっているかに関わらず斤量増。ヒモとして配当を大きく伸ばすために取り入れたいのが斤量減かつ今回の斤量の絶対値が小さい馬だ。後者は勢い込んで買うというより、当たれば儲けものというくらいの気楽な気持ちで選べばよいと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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