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【中京記念】すべての人気馬を徹底的に疑うべし!

  • 2020年07月12日(日) 18時00分

■中京記念(GIII・阪神芝1600m外)フルゲート18頭


★3行でわかる! 中京記念 攻略の糸口

1.上位人気がメチャクチャ弱く中穴が非常に強いレース!
2.外枠不利で先行勢が優勢。ハンデは背負う組が強い。
3.5〜6歳距離延長前走OP特別組480キロ以上馬も◎

データ特注推奨馬
 ★エントシャイデン
 ★ストーミーシー

 中京記念のもっとも大きな特徴といえば、やはり「人気馬の弱さ」だろう。4番人気以内馬がトータル[2-1-6-23]で連対率9.4%というのは、ちょっとした異常事態。ここ数年は健闘しているし、なんだかんだで1頭は上位人気が馬券に絡むのだが、その信頼度はきわめて低い。5〜7番人気など、中穴から入るのが中京記念で儲けるセオリーだ。

 今年の舞台となる阪神芝1600m外については、外枠が不利で先行勢が意外なほど強いのが特徴。最後の直線が長い外回りコースで、中団からの差しも当然ながら届くが、差し優勢といえるほどではない。内容がいいのは先行勢で、逃げた馬が最後まで粘りきるケースも多いのだ。最終週で荒れた馬場になるのも、前残り傾向を加速させる可能性がある。

 ハンデについては「背負っている組」のほうが強く、斤量56.5キロ以上を背負う牡馬は高信頼度。また、前走から斤量増となる馬が好成績をあげているのも、注目したいポイントといえる。あとは、5〜6歳馬や芝1400mからの距離延長組、前走OP特別組、当日の馬体重が480キロ以上だった馬も、プラスに評価すべきだ。

 現段階でのデータ特注推奨馬は、エントシャイデンとストーミーシーの2頭。いずれも前走、芝1400mのOP特別に出走して3着以内に好走している。それ意外にも買い材料が豊富で、中穴人気に推されるようならばなおさら期待大。ハンデや枠番次第では、ここからガツン!と勝負してみるのも面白いはずである。

【コース総論】阪神芝1600m外 Bコース使用

・コースの要所!

★人気による成績の偏りが小さいコース。狙って面白そうなのは7〜12番人気か。
★やや外枠不利の傾向で割引が必要。内枠と中枠に関しては、ほぼ互角の内容。
★外回りだが意外に前が残るのが特徴。最終週で荒れた馬場になるのも要注意。





 今年は中京ではなく、阪神の芝1600m外で開催される中京記念。開催の長さと梅雨の影響によって、最終週は馬場がかなり傷んだコンディションとなりそうだ。バックストレッチのやや2コーナー寄り地点からのスタートで、最初のコーナー進入までの距離も十分。外回りで最後の直線も長く、紛れるケースは少ないコースといえるだろう。

 そのためか、人気別成績にも大きな偏りは見られない。あえていえば、人気薄である7〜9番人気や10〜12番人気が狙い目か。さすがに13番人気以下となると手が出ないが、人気薄はコンスタントに上位へと食い込んでおり、妙味のあるここから入るのも面白そう。もちろん、人気サイドから入ってヒモ荒れを狙うのもアリだ。

 次に枠番だが、やや外枠不利の傾向にある。信頼度には大きな差が出ていないのでわかりづらいが、馬番13〜18番の複勝回収値は47という低さで、ギャップ値も唯一マイナス圏。つまり、人気馬が能力によって上位に食い込んでいるだけで、実際はけっこう不利なのである。内枠と中枠に関しては、ほぼ互角の内容だ。

 最後に脚質面。直線の長い外回りコースで、しかも急坂コースでもあるので差し優勢に思えるが、実際は意外に前が残っている。逃げた馬の勝率が20.0%、複勝率が33.3%もあるのも、その証明だ。中団からの差しもよく決まっているが、開催最終日であるのを考えても、先行勢を狙ったほうが面白そう。内〜中枠から前に行ける組は、人気薄でもちょっと押さえるのがオススメである。

【レース総論】中京記念(GIII) 中京過去8回

・レースの要所!

★1番人気はわずか1連対と猛烈に弱い。中穴から入るのが面白そうなレース。
★若馬や高齢馬ではなく5〜6歳馬が中心。芝1400mからの距離延長組が好調。
★ハンデを背負っている組のほうが強いレース。斤量56.5キロ以上馬を重視。
★前走GII組とOP特別組が好調。馬体重は480キロ以上の馬格が欲しいところ。










 レースについては、中京芝1600mでの開催となった2012年からの過去8年分のデータを集計対象としている。今年は阪神が舞台となるので参考にしづらい面はあるが、それでも人気別成績やローテ面、ハンデについてなど、今年にも敷衍できるレース傾向はあるはず。それをしっかり洗い出していくとしよう。

 まずは人気別だが、1番人気馬は[1-0-2-5]と期間内わずか1連対。さらに、2番人気が[0-1-0-7]で3番人気は[1-0-2-5]、4番人気[0-0-2-6]と、人気サイドが猛烈に弱い結果となっている。対照的に絶好調なのが「中穴」で、5〜7番人気はトータル[6-4-1-13]で連対率41.7%、単勝適正回収値266.5、複勝回収値160という素晴らしい内容だ。

 さらに、ふたケタ人気馬が3回も連絡みしているように、大穴の激走率も高め。人気馬は徹底的に疑い、ひねって高配当を狙うのが間違いなく正解である。あとは、夏のマイル重賞にしては牝馬の活躍が目立たないことや、関東馬のほうが高信頼度であるのも、覚えておきたいポイントといえるだろう。

 枠番と脚質については、掲載はしたがまったく参考にならないので割愛。こちらは、コースデータの内容を踏まえて予想するべきだ。年齢別成績では、3〜4歳の若馬ではなく、5〜6歳馬の活躍が目立っている。ただし、7歳以上の高齢馬になると信頼度が一気にダウンするので、こちらは相応の割引が必要といえる。

 前走距離別では、芝1400mからの距離延長組が好成績。出走数が多いのは前走でも芝1600m戦を使われていた組だが、内容は明らかに前走芝1400m組のほうが優秀だ。逆にイマイチなのが芝1800m以上からの距離短縮組で、こちらはトータル[0-1-2-22]で複勝率12.0%、複勝回収値48。人気でも信頼できないパターンなので、要注意である。

 ハンデについては、斤量を「背負っている組」が好成績。牡馬ならば具体的には、ハンデ56.5キロ以上馬を高く評価したい。また、前走から斤量増となる馬が非常に強いというのも、中京記念の大きな特徴。斤量の増減がない馬や斤量減となる馬と比較すると、その優秀さは誰の目にも明らかだろう。

 前走クラス別成績からは、前走GII組と前走OP特別組をプラスに評価すべき。あとは、前走GIII組が低調な結果に終わってるのも見逃せない。そして、最後に取りあげるのが馬体重別成績。中京記念は「馬体重増減なし&プラス体重の480キロ以上馬」が強いレースで、当日の馬体重が479キロ以下だと、信頼度が一気に低下する。今年は例年以上にパワーの要求度が高い馬場となりそうなだけに、必ずチェックしておきたい。

【血統総論】


 血統面からは、ディープインパクト産駒、ステイゴールド産駒、エピファネイア産駒をプラス評価の対象とした。集計期間内に63勝をあげているディープインパクト産駒の強さは、やはり高く評価すべき。そして当コースのステイゴールド産駒は、爆発力があるのが大きな魅力だ。エピファネイア産駒は、今後の注目株。コース適性の高さは驚異的といえるほどで、初年度から桜花賞馬が出たのも納得だ。

★出走予定馬 総論×各論

 夏のハンデ重賞らしく、今年もフルゲートを超える頭数が登録してきそう。想定段階でも、19頭が出走の意向を表明している。しかも、ヴィクトリアマイルで4着に好走したトロワゼトワルや、安田記念の5着馬であるケイアイノーテック、NHKマイルCの3着馬ギルデッドミラーなど、春のマイルGIで結果を残してきた組が何頭もエントリー。秋にも繋がるような、ハイレベルな戦いが期待できそうだ。

 現時点でのトップ評価はエントシャイデン。前走の安土城Sでは接戦をモノにして、オープン初勝利をあげている。「前走芝1400mのOP特別に出走していたディープインパクト産駒の5歳馬」で、前走馬体重488キロと馬格も十分。過去4走のうち3走で馬券絡みと、ここにきて力をつけてきた印象もある。勢いに乗っての重賞初制覇があっても不思議ではないはずだ。

 二番手評価にストーミーシー。こちらは7歳と高齢であるのが割引材料だが、タフな馬場はまったく苦にしないはずで、先行力があるのもプラス。徹底先行型が意外に少なく、展開的にも有利だと思われる。暑い時期に3勝をあげているように、夏競馬と好相性であるのも好印象。いかにも中穴人気に推されそうで、ここは念願の初重賞制覇を期待したい。

 現時点での上位評価組はこの2頭だけで、以下はソーグリッタリング、ベステンダンク、スイーズドリームス、ミッキーブリランテ、ラセット、リバティハイツという評価順。ここにハンデ、枠番、人気といったファクターを加味した上で、最終的な結論を出す心づもりである。高配当を狙ってナンボなので、中穴はもちろん、9〜12番人気もしっかり押さえたいところ。とにかく、人気馬は徹底的に疑ってかかりたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



コレ買えなくないんだよなあ(#^ω^)ビキビキ

 13番人気の03ラブカンプーと11番人気の06アンヴァルで決まって、馬単29万馬券。とはいえ、いずれも「内枠に入った先行力のある5歳馬」だったワケで、レース傾向(阪神開催だけど)からするとギリギリ拾えなくはない。うーむ、こういう馬券を獲ってドヤ顔で振り返りたいものでござるよ。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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