“どんなに気を付けていても…”馬をコントロールすることの難しさを語ります(C)netkeiba.com
2日間の騎乗停止が明け、先週日曜日には伏兵で2連勝。夏競馬での活躍に期待がかかるミルコ騎手ですが、今回は一度立ち止まって、騎乗停止となってしまったレースを回顧。「ごめんなさい…」という反省の弁とともに、制裁対象となった4コーナーの状況と馬をコントロールすることの難しさを語ってくれました。
(取材・文=森カオル)
※このインタビューは電話取材で行いました。
加速し始めたところだったから、危なかった…
──6月21日の東京12R(セイウンパワフル1着)では、4コーナーで内側に斜行。それにより、7月4日から7月5日まで2日間の騎乗停止処分を受けてしまいましたね。
ミルコ はい。僕が悪いですね。でも、めちゃめちゃ悲しかった…。
──セイウンパワフルにはその前のレースでも騎乗されていて、そのときも直線はモタれるような感じで。追いづらそうだなぁと思って見ていました。
ミルコ そうです、そうです。あのときもモタれて、それを直しながら追うことになって。そうしたら後ろからきた馬に差されてしまいましたね。強い馬なんだけど、けっこう性格が難しいですね。
──直線で1頭になるとフッと気を抜いてしまう馬、いわゆるソラを使う馬というのは少なくなくて、ジョッキーのみなさんは苦労されていますよね。
ミルコ そうですね。なんか最近はとくに、ソラを使う馬が多いような気がする。今回もすごく気を付けていたし、そんなに大きな動きをしたつもりじゃないんだけど、やっぱりちょっとモタれてしまった。内側にいた馬の反応もよかったし、みんな加速し始めたところだったから、危なかったね。ごめんなさいですね、ホントに。ただ、そういう癖がある馬だっていうことは、裁決もわかってくれてました。
──その結果の「2日間」ということで。それにしても、騎乗停止は久々だったのでは?
ミルコ はい。久しぶりでした。気を付けていたからね。だからこそ痛い…。日本の免許をもらったころは、けっこう制裁点数が多かったですね。騎乗停止も多かったから、2年前くらいからは、かなり集中して気を付けていたんだけど…。やっぱり騎乗停止は痛いね。
──「騎乗停止中の過ごし方」について、複数の質問が届いていました。普通にご自宅で競馬を観ていらした?
ミルコ 競馬はずっと観ていましたけど、家じゃなかったですね。ちょっと空気を変えたかったから、競馬を気にしながら、久々に遠くに行きました。やっぱり景色を変えるのは大事ですね。それまでずーっと家にいたこともあって、リフレッシュできた。あ、もちろん人がいっぱいいるようなところには行ってないよ!
──ミルコ騎手は慎重派ですからね。さて、翌週には宝塚記念がありました(ラッキーライラック6着)。直前に雨がザーッと降って…。アンラッキーな一戦でしたね。
ミルコ そう、競馬の前にだいぶ雨が降って、ビックリするくらい馬場が悪くなった。向正面で一瞬手応えが悪くなったので、早めにムチを入れました。いつも反応が遅い馬だからね。でも、そのあとは逆に手応えがよかったから、「ああ、これならいいかなぁ」と思っていたけど、直線に向いたら、やっぱりいつものラッキーライラックじゃなかった。全然違ったね。
それにしても、あんなに離されてしまうとは…。クロノジェネシスの走りはすごかったですね。本当にすごかった!
(文中敬称略)