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【レース回顧】騎乗停止となってしまったレースを振り返り「ホントにごめんなさい…」

  • 2020年07月14日(火) 18時02分
「Road to No.1」

“どんなに気を付けていても…”馬をコントロールすることの難しさを語ります(C)netkeiba.com


2日間の騎乗停止が明け、先週日曜日には伏兵で2連勝。夏競馬での活躍に期待がかかるミルコ騎手ですが、今回は一度立ち止まって、騎乗停止となってしまったレースを回顧。「ごめんなさい…」という反省の弁とともに、制裁対象となった4コーナーの状況と馬をコントロールすることの難しさを語ってくれました。

(取材・文=森カオル)

※このインタビューは電話取材で行いました。

加速し始めたところだったから、危なかった…


──6月21日の東京12R(セイウンパワフル1着)では、4コーナーで内側に斜行。それにより、7月4日から7月5日まで2日間の騎乗停止処分を受けてしまいましたね。

ミルコ はい。僕が悪いですね。でも、めちゃめちゃ悲しかった…。

──セイウンパワフルにはその前のレースでも騎乗されていて、そのときも直線はモタれるような感じで。追いづらそうだなぁと思って見ていました。

ミルコ そうです、そうです。あのときもモタれて、それを直しながら追うことになって。そうしたら後ろからきた馬に差されてしまいましたね。強い馬なんだけど、けっこう性格が難しいですね。

──直線で1頭になるとフッと気を抜いてしまう馬、いわゆるソラを使う馬というのは少なくなくて、ジョッキーのみなさんは苦労されていますよね。

ミルコ そうですね。なんか最近はとくに、ソラを使う馬が多いような気がする。今回もすごく気を付けていたし、そんなに大きな動きをしたつもりじゃないんだけど、やっぱりちょっとモタれてしまった。内側にいた馬の反応もよかったし、みんな加速し始めたところだったから、危なかったね。ごめんなさいですね、ホントに。ただ、そういう癖がある馬だっていうことは、裁決もわかってくれてました。

──その結果の「2日間」ということで。それにしても、騎乗停止は久々だったのでは?

ミルコ はい。久しぶりでした。気を付けていたからね。だからこそ痛い…。日本の免許をもらったころは、けっこう制裁点数が多かったですね。騎乗停止も多かったから、2年前くらいからは、かなり集中して気を付けていたんだけど…。やっぱり騎乗停止は痛いね。

──「騎乗停止中の過ごし方」について、複数の質問が届いていました。普通にご自宅で競馬を観ていらした?

ミルコ 競馬はずっと観ていましたけど、家じゃなかったですね。ちょっと空気を変えたかったから、競馬を気にしながら、久々に遠くに行きました。やっぱり景色を変えるのは大事ですね。それまでずーっと家にいたこともあって、リフレッシュできた。あ、もちろん人がいっぱいいるようなところには行ってないよ!

──ミルコ騎手は慎重派ですからね。さて、翌週には宝塚記念がありました(ラッキーライラック6着)。直前に雨がザーッと降って…。アンラッキーな一戦でしたね。

ミルコ そう、競馬の前にだいぶ雨が降って、ビックリするくらい馬場が悪くなった。向正面で一瞬手応えが悪くなったので、早めにムチを入れました。いつも反応が遅い馬だからね。でも、そのあとは逆に手応えがよかったから、「ああ、これならいいかなぁ」と思っていたけど、直線に向いたら、やっぱりいつものラッキーライラックじゃなかった。全然違ったね。

 それにしても、あんなに離されてしまうとは…。クロノジェネシスの走りはすごかったですね。本当にすごかった!

(文中敬称略)
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Road to No.1 世界一になる / ミルコ・デムーロ
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1979年1月11日、イタリア生まれ。弟のクリスチャン・デムーロはイタリアのジョッキー。1997年から4年連続でイタリアリーディング。1999年に初来日。2003年、ネオユニヴァースの皐月賞でJRAGI初制覇。続くダービーも制し、外国人ジョッキー初の東京優駿制覇。2015年3月1日付けでJRAジョッキーに。

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