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2年10ヶ月ぶりの新馬戦勝利! 嬉しい4勝目をじっくり回顧

  • 2020年07月15日(水) 18時01分
土曜日の新馬戦では、服部厩舎のセレッソフレイムとのコンビで4勝目をマークした小牧騎手。2年10月ぶりの新馬勝ち、しかも余力十分の勝ちっぷりに、「やっぱり気持ちがいいね!」と声を弾ませました。今週の『太論』では、その4勝目を含め、先週の競馬をじっくり回顧。好走連発で、ついに流れが変わってきた!?(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

9番人気での激走も「いいところまでくるんちゃうか」


──セレッソフレイムでの4勝目(7月11日・阪神6R・2歳新馬)、おめでとうございます!

小牧 ありがとう。期待はしていたけど、あんなに強い勝ち方ができるとは思ってなかったわ。馬場(重)も合ってたみたいやね。それ以前にね、返し馬でのフットワークがすごく良くて。厩舎のスタッフさんとゲート裏で「走るで、この馬」っていう話をしてたんやわ。

──そうなんですね。調教でもいい時計が出ていましたものね。

小牧 それはね、ある程度コースの内側を走ったこともあるから。それにしても、水準以上のモノを持っているなとは思ってた。厩舎サイドの評価も上々やったしね。

──では、さっそくレースを振り返っていきたいんですが、好スタートから内の馬を行かせて番手を選択。これはイメージ通りだったんですか?

小牧 うん。返し馬で物見をしていたので、早く先頭に立つような競馬はしたくなかったんですわ。なんせゴール板のところで飛んで行きよったからね(苦笑)。だから、最初から下げたんです。

──そうだったんですね。道中も抜群の行きっぷりで、4コーナーでも持ったまま。直線でも追い出しのタイミングを計るなど、最後まで余力十分でしたね。

小牧 そうやね。最後まで余裕があった。あんなに楽な感じで勝ったのは久しぶりやわ。やっぱり気持ちがいいもんやね。

──現時点での完成度、伸びしろについてはどう感じていますか?

小牧 小柄な馬やから仕上がってはいたけど、まだ変わってくると思うよ。正直、勝てるとは思っていなかったけど、ひとつ勝ったことで余裕もできたしね。

──あれ? レース後のコメントでは「勝てるんじゃないかと思ってた」とおっしゃってませんでした?

小牧 強がりや(笑)。最近はみんな、僕のところに取材にきてくれへんから。わざと言ってやったわ(笑)。

──そうでしたか(笑)。それにしても、新馬勝ちは2年10カ月ぶり。2017年9月のボウルズ以来でしたね。

小牧 ああボウルズ、懐かしいねぇ。2戦目にサウジアラビアRCにいって、そこで騎乗停止になったんや…(苦笑)。その後は思ったような成績が挙げられんかったみたいやけど、あの馬もいい馬やったなぁ。

──騎乗停止の件も含め、ボウルズはよく覚えています。さて、先週は日曜日にも見せ場がありました。まずは7R(3歳上1勝クラス・ダ1200m)のコパノマーキュリー。これまで先行策を取ってきた馬ですが、思い切って下げましたね。

小牧 今回はもともとそのつもりやった。ここまで2桁着順の多い馬で、今回も人気はなかったけど、僕はね、いいところまでくるんちゃうかと思ってたよ。

──2走前に初めて騎乗された馬ですが、そのときに好感触を得た?

小牧 そうやね。そのときは4、5番手から9着やったけど、感触として「道中はジックリ行って、勝負どころで外に出せたら、もっとやれる能力があるな」と思っててん。

──その2走前は、道中けっこう促しながらの追走でしたよね。ズブそうな馬だなぁと思って見ていたんですが。

小牧 それもあって、無理して行く馬じゃないなと思った。あのね、あの馬は気が良すぎるねん。気が良すぎるから、馬込みを怖がるねん。

──ということは、ズブいわけではなくて、周りの馬を怖がって進んでいかなかったということですか?

小牧 そうそう。だから、今回は最初からジックリ行こうと思ってたんですわ。それまでの競馬を見る限り、先行しても直線で止まってしまっていたからね。

──では、これからも終いを生かすような競馬で。

小牧 そうやね。怖がらん位置で競馬をして、この前みたいな脚を引き出したい。1勝クラスなら十分勝ち負けできる力があると思うから。楽しみやね。そういえば、もう1頭のコパノも走ってきそうやで。

──6Rでデビューしたコパノエリック(8着)ですね。

小牧 うん。この前は伸び切れんかったけど、あの馬もいいモノを持ってると思う。まだ太いんやけど、絞れてくればたぶん走ってくると思うよ。

──日曜日は、ノドの手術明けだったラデツキーも頑張りましたね。

小牧 休み明けで、よう走ってくれたね。それにしても、あのレースは勝った馬(ダンシングリッチー)が強かったわ。もう手応えが全然違ったでしょう。でもね、ラデツキーも本当によく残ってくれたと思う。イメージ通りに乗れたしね。やっぱりハナに行けたのがよかった。揉まれたらちょっとモロいところが出るかもしれんけど、芝の長いところであの形であれば、これからもいい競馬ができそうやね。

──小牧さんご自身も、4勝目をきっかけにグッと流れを引き寄せたいところですね。

小牧 ぼちぼちやけど、流れが変わってきた感じはあるよ。乗せてくれる厩舎も出てきたから。いつも言うけど、僕らしくね、ぼちぼち頑張りますわ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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