気持ちが乗ったスピード感ある走りを披露

　先週のプロキオンSと七夕賞。それぞれのレースが終わった直後にこの冒頭を記していますが、その理由が最終追い切り場所『DP』の好走。先週の栗東は豪雨の影響により、ウッドチップ馬場は坂路、Cコースともに重たい状態でした。それを避け、DPで追い切った馬は計4頭いましたが、七夕賞は2着ブラヴァス(7番人気)、3着ヴァンケドミンゴ(6番人気)。そして、プロキオンSは3着ヤマニンアンプリメ(9番人気)、4着デュープロセス(14番人気)でした。

　重たい馬場であえて時計を出すよりも、走りやすい馬場で疲れを残さない。これは人気以上に好走した、ひとつの要因だと思いますし、再び栗東のウッドチップ馬場が同じような状況になった時は絶対にこれを頭に入れて予想したいと思います。という反省の意味を込めて、レース直後に記しました(笑)

　なお、CWの入れ替え工事は1510mから450m地点まで終了しているということなので、あとはホームストレッチ部分の入れ替えを残すのみ。降水量は先週ほどではなかったこともあり、坂路の時計も先週よりは出やすくなっているようです。

【函館2歳S/モンファボリ】

　須貝尚介厩舎の函館デビューはゴールドシップを筆頭に、これまで実績を残すパターン。その多くは栗東の坂路でしっかりと時計を出し、現地追い切りを消化するという調教内容でしたが、本馬は小柄な牝馬ということもあってか、函館での4本のみの追い切りでデビューしています。

　それで調教量が足りないということなく、レコード勝ちするくらい。今回は中3週で2本の追い切りですから、これまた量としては少なくなりましたが、最終追い切りの動き自体は抑えきれない手応えで抜群。馬場が重たくなった時に調教量が起因となる死角が出てくると思いますが、良馬場でのレースなら、持てるスピードを存分に発揮できそうです。

【函館記念/ミスマンマミーア】

　netkeiba.comの予想オッズを見ると、美浦所属馬が人気上位を独占。栗東所属の最上位人気はマーメイドS9着のこの馬となりそうですが、芝2000m重賞は中日新聞杯でも10着と、勝ち負けには少し厳しい距離なのかもしれません。

　調教内容としては、栗東でしっかりと本数をこなして、最終追い切りは函館芝で併せ馬。なかなか手前を替えない動きは仕方ないにしても、手前を替えてからも素軽く伸びるというよりもジリジリ。追い切りの動きを見ても、この距離が心配になってしまうスピードだけに、それを補うことができるようなハイペースになった時の出番といった気がします。

【函館記念/バイオスパーク】

　都大路S以来のレースになりますが、栗東では坂路と芝馬場を併用して仕上げ、函館では2本の追い切りを消化。輸送した前後に追い切り時計を出していない期間はあるものの、量としては、必要最低限をこなした印象があります。

　そもそも函館は未勝利を勝ち上がった舞台。勝ち上がる前の函館初戦では標準少め併用の調教タイプで2着していますから、調教量を気にすることはないかもしれません。最終追い切りの函館芝での併せ馬の動きを見ていると、よほど洋芝に適性があるのかなといった素軽い動き。逆手前でも走りに余裕がありますし、あとはレースで本気の加速ができれば。

【中京記念/ギルデッドミラー】

　NHKマイルCは3着。桜花賞2着のレシステンシアとは3/4馬身差で、桜花賞馬はオークスも制した二冠馬。3歳世代での力関係としても上位に位置すると考えてよいと思いますが、それが51キロで出走できるわけですから、ここで人気に支持されるのも当然でしょう。

　レース間隔はあきましたが、ここまで順調に追い切りを消化。時計的にも遅すぎるといった内容はなく、負荷もしっかりかけられていると思います。最終追い切りは北村友一騎手が跨っての単走でしたが、気持ちが乗った、スピード感ある走り。2F24.4秒は7月15日のベストタイですし、この脚力は阪神の急坂にも荒れた芝にも適性が高いと思います。

【中京記念/ソーグリッタリング】

　前走は不良馬場なのでベストではないと思える条件で2着。レース間隔の詰まったローテーションであまり結果を出したことがないタイプだったので、その点においても価値ある好走だったという気がします。

　今回も最終追い切りはCW。半マイルから時計を出すというのも、いつもと同じパターンですが、今回は単走で4F時計が少し遅い点がいつもとは違います。動き自体を機敏に見せるタイプでもなく、そういった意味で判断が難しくなる今回の追い切りですが、ただ、高い評価ができるほどの内容でないことは確かです。

◆次走要注意

・7/12　2歳未勝利【モントライゼ】(1人1着)

　圧倒的な人気だったとはいえ、本当に強いレースぶりで快勝。この距離ではありますが、タフな馬場で結果が出たことを思えば、今後距離が延びてもそれなりの対応を見せてくれるような気がします。少なくとも1400mまでは問題ないはずです。

[メモ登録用コメント]　[芝1400m]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!