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【アイビスSD】レース傾向からもあの馬は盤石!

  • 2020年07月19日(日) 18時00分

■アイビスSD(GIII・新潟芝1000m直)フルゲート18頭


★3行でわかる! アイビスSD 攻略の糸口

1.1番人気が猛烈に強い。相手は7〜9番人気が狙い目!
2.馬番13〜16番が絶好調。先行できる4〜5歳馬が中心!
3.巻き返しは期待薄。素直に前走5着以内馬を重視で!

データ特注推奨馬
 ★ライオンボス

 新潟芝1000m直という「コース」はけっこう波乱傾向が強いのだが、アイビスSDという「レース」は、順当決着傾向の強い一戦。昨年も一昨年も1番人気が快勝しており、過去10年でも7勝8連対と大活躍中だ。対照的に、ふたケタ人気はトータル[0-0-2-67]とサッパリ。人気薄ならば、好走率が高い7〜9番人気を狙ったほうが絶対にいい。

 よく知られるように外枠有利のコースで、実際にアイビスSDでも外枠のほうが好成績。ただし、もっとも内容がいいのが「やや外」である馬番13〜16番であるのは、しっかり覚えておきたい。脚質については、ハッキリと「前」優勢。開幕週でもあり、中団〜後方から差しや追い込みが決まる確率は、かなり低いと思われる。

 前走大敗や人気薄からの巻き返しがきかないレースであるのも、大きな特徴。前走がひとケタ人気であることや5着以内であるのが、好走の必要条件だ。年齢については若い馬のほうが好成績で、4〜5歳馬を中心に据えるべき。あとは、牝馬が非常に強いレースであることも押さえておきたい。

 データ特注推奨馬は、いたって素直にライオンボス。新潟芝1000m直の「特化型」といっても過言ではない馬で、臨戦過程なども文句なし。斤量が定量よりも重い牡馬がけっこう負けているレースではあるのだが、評価を割り引くポイントはコレくらいのもの。真ん中よりも外の枠番に入れば、ここも順当に勝ち負けだ。

【コース総論】新潟芝1000m直 Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度はかなり低め。思いきった穴狙いも十分に可能なコース。
★過剰人気ではあるが、やはり外枠のほうが有利。内枠はかなり厳しい戦いに。
★基本的には先行勢優勢のコース。逃げた馬がそのまま押し切るケースも多い。





 ホームストレッチの長い直線をフルに使う、日本で唯一の直線コースである新潟芝1000m直。競馬場で生観戦していて、これほど状況が把握しづらいコースはないだろう。スタート直後から、馬群は馬場の荒れていない外ラチ側に密集。馬場コンディションによっては31秒台の上がりが出ることもある、究極レベルのスピード勝負となる。

 まずは人気別成績だが、人気サイドの信頼度は総じて低め。つまり、人気薄の激走率が高めということだ。実際にデータを確認しても、もっとも内容が優秀なのは7〜9番人気で、ふたケタ人気の超穴馬が激走するケースも少なくない様子。人気を信じて素直に買うのではなく、ひねって高配当を狙ったほうがベターだと思われる。

 次に枠番。外枠有利であるのはよく知られるところで、実際その通り。単純に内外で比較したデータにおいても、信頼度や回収値に大きな差が出ている。ただし、平均人気を見ればわかるように、外枠が過剰人気である点には注意したいところ。もっともバランスがいいのは「やや外」である馬番13〜16番あたりなのだ。

 最後に脚質だが、スプリント戦らしく基本的に先行勢が優勢。逃げた馬がそのまま残るケースも多い。中団からの差しもそれなりには決まるが、アイビスSDは開幕週の絶好馬場で、しかも出てくるのはスタートダッシュを得意とする韋駄天ばかり。勝ち負けするには、最低でも「中団よりも前」のポジションが欲しい。

【レース総論】アイビスSD(GIII) 新潟過去10回

・レースの要所!

★1番人気は過去10年で7勝と信頼度バツグン。人気薄は7〜9番人気を狙い打ち。
★コースデータ同様に馬番13〜16番が非常に強い。脚質もやはり先行勢が優勢。
★中心となるのは4〜5歳馬。スプリント戦で結果を残している馬を素直に信頼。
★馬券に絡んだ馬の半数が牝馬。社台G生産馬がハッキリと弱い珍しいレース。










 レースの平均配当は、単勝830円、馬連2444円、3連複2万1705円と低めの水準。とくに、単勝平均と馬連平均の低さが目立っている。その要因となっているのが1番人気の強さで、[7-1-0-2]で勝率70.0%という素晴らしい成績。2番人気や3番人気との比較でも圧倒的に優秀で、ここは素直に信頼すべきだといえる。

 1番人気以外では、7〜9番人気の強さも目立っている。こちらはトータル[3-1-2-24]で複勝率20.0%、単勝適正回収値189.5、複勝回収値82と、信頼度と爆発力のバランスが良好。1番人気からこのゾーンを経由させた3連複や3連単は、かなりオススメできる。ふたケタ人気馬はトータル[0-0-2-67]と期待薄なので、スパッと消してしまうのもアリか。

 枠番について、コースデータほどではないとはいえ、やはり外枠が有利。開幕週なのであまり差が出なくてもおかしくないのだが、単純に内外を比較したデータにおいても、明らかに外枠のほうが強いのだ。もっとも優秀なのは、コースデータと同じく「やや外」である馬番13〜16番。回収値やギャップ値の高さから、人気薄でも狙いたくなる。

 脚質についても基本的にはコースデータ同様で、前に行ける組のほうが好成績。スタートダッシュを決めて主導権争いに加わった馬は[3-6-0-9]と、厳しい展開になってもその半数が連対している。多少のオーバーペースでも押し切れるような馬が出走してくるので、中団〜後方からの競馬になるとやはりキツイ。

 年齢別成績では、6歳以上の高齢馬よりも5歳以下の若い馬のほうが好成績。もっとも高く評価できるのは4歳馬で、出走数が少ないにもかかわらず[4-1-1-7]と絶好調だ。それに次ぐのが安定感のある5歳馬で、6歳以上馬については何か強力な買い材料が欲しいところ。ちなみに、「前走6着以下の6歳以上馬」は、すべて4着以下に終わっている。

 前走距離別成績や主要前哨戦別成績からは、芝1000〜1200mのスプリント戦線を歩んできた馬が、素直に強いレースであるのがみてとれる。一昔前は前走ダート戦出走馬がよく激走していたのだが、近年はそういったケースが見受けられなくなった。また、芝1400m以上からの距離短縮組もイマイチである。

 前走人気&前走着順からは、「前走ひとケタ人気」で「前走5着以内」だった馬が期待できる様子。あとは、前走で10着以下に大敗していた馬や、10番人気以下と低評価だった馬の巻き返しがきかないのも、要注目といえる。そして最後に、生産牧場別成績。社台グループ生産馬がここまで弱いレースも珍しいので、ぜひ覚えておきたい。

【血統総論】


 血統面では、アドマイヤムーン産駒、ショウナンカンプ産駒、ロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。注目はロードカナロア産駒で、高信頼度なだけでなく回収率の高さも十分。アドマイヤムーン産駒とショウナンカンプ産駒も、スプリント適性の高さを見事に発揮している。次点をあげるならば、キングヘイロー産駒か。

★出走予定馬 総論×各論

 夏の新潟開催がスタート。しかも今年は、ここから3週にわたり「新潟と札幌の2場開催」という、かなり特殊なパターンとなる。その開幕を告げるのが、夏の新潟の名物レースであるアイビスSD。韋駄天Sの好走組であるライオンボス、ジョーカナチャン、ダイメイプリンセスに、CBC賞で復活を果たしたラブカンプーなど、今年もスピード自慢がズラリと揃いそうだ。

 1番人気が非常に強く、スプリント路線で実績を残してきた馬が好成績で、巻き返しがきかないレースであるのは前述のとおり。となると、狙うべき対象は自然と絞られる。枠番というファクターを抜きにしての話にはなるが、当コース[4-1-0-0]とパーフェクト連対中で、昨年の覇者でもあるライオンボスが、ここは不動の本命だ。

 前走の韋駄天Sは、逃げたジョーカナチャンをゴール寸前でギリギリ捉えての1着だったが、ハンデ戦で57.5キロを背負っていたのを考えれば、さすがといえる内容。韋駄天Sからのローテも昨年と同じで、視界は良好だ。斤量と枠番が現時点での懸念材料となるが、この馬の図抜けたコース適性の高さならば、あっさり克服できそうである。

 二番手評価にジョーカナチャン。こちらも新潟芝1000m直で2勝をあげているコース巧者で、前走では斤量差があったとはいえ、ライオンボスにアタマ差まで迫っている。牝馬であることやロードカナロア産駒であることなど、プラス評価を獲得した項目の多さだけならば、ライオンボスと互角以上。さらなる飛躍も期待できそうだ。

 三番手評価にナランフレグ、四番手評価にダイメイプリンセスと、ここまでの4頭が上位評価組。

 以下はラブカンプー、クールティアラ、カッパツハッチ、ビリーバーという評価の序列である。現時点での評価が低めの馬でも、馬番13〜16番に入った場合や、直前で7〜9番人気に推された場合には、上位評価組と同等に扱うべき。基本的には、ライオンボスの1着固定から流す3連単フォーメーションで勝負する予定である。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




七夕の祈りって届かないヨネ(#^ω^)ビキビキ

 レース直前に再分析したところ、トップ級の評価となったのが07エアウィンザー。元々の上位評価組である02ウインイクシードと05マイネルサーパスも含めた3頭の組み合わせから流す3連単で勝負しましたが……さすがにあの馬場は想定外デスヨ。しかし、内枠重視と言ってしまった手前、それを変えるわけにはいかん! で、案の定ドハズレでごわす。ああ、厳しい結果が続いているなあ(呆然)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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