スマートフォン版へ

【アイビスSD】前走芝1200m組は先行力重視で

  • 2020年07月21日(火) 12時00分

前走芝1200m戦で上がり1〜3位をマークした馬の連対率は…


 アイビスSDには1000直にこだわって使っている馬も多く登録する一方、普通の短距離馬というか、前走で1200m戦に出ていた馬もそれなりの頭数が登録してくる。今年の場合、前走芝1000m組が6頭、芝1200m組が11頭登録している(他に芝1400mから来る馬やダートから来る馬もいる)。

 この1200m組について考えてみよう。1000m戦である程度流れに乗っていくためには、1200mだったら逃げや先行と呼べる位置取りを取れないようでは始まらない……という仮説は成り立つだろうか?

 これがある程度の割合で成り立つ。もちろん前走差しに回っていた馬が絶望というわけではないが、過去10年のアイビスSDに出走した前走芝1200m組のうち、前走で3角3番手以内にいた馬は[4-6-4-31]で複勝率31.1%、4番手以下にいた馬は[2-1-3-53]で複勝率は10.2%しかない。複勝回収率も84%と29%で比較にならない。

 位置取りが後ろのグループには単についていけない弱い馬も含まれるので不利ではあるが、仮に前走芝1200m戦で後ろから良い差し脚を見せていてもあまり強調材料にはならない。こちらも過去10年で見ると、前走芝1200m戦で上がり1〜3位をマークしていた馬は[0-0-3-16]で連対していない。人気になるような馬がいなかったのも事実だが、少なくともプラス材料とは言えないだろう。

 今年の登録馬で前走芝1200mの上がり3位以内に該当してしまう(良い脚を使ったのに「してしまう」扱いも申し訳ないが)のはアユツリオヤジとノーワンの2頭。ただアユツリオヤジは逃げてなおの上がり3位だった。

 4角3番手以内に該当するのは同馬に加え、CBC賞勝ちのラブカンプー、2勝クラスからだがペイシャドリーム、あとレジーナフォルテ、イベリスの計5頭。レジーナフォルテあたりは1000直実績もあるし、大敗後でもいきなり馬券になる馬。ちょっと面白い存在ではないだろうか。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング