スマートフォン版へ

【アイビスSD予想】新潟夏の風物詩!有力馬の状態を調教から分析!

  • 2020年07月23日(木) 18時00分

直線競馬は初でも新潟芝は2戦して連対率100%


 今週から札幌、新潟の開催がスタート。例年の札幌なら、「裏函」といって、函館競馬場で追い切ってから札幌のレースへ出走するというパターンがありましたが、函館に滞在できるのが今週まで。例年とは違ったパターンの調教内容が最適になることもあると思うので、今週に入って、あらためて札幌の最適な調教内容を見直しました。条件によってはその内容についてウマい馬券でも触れることがあると思いますので、参考にしていただければと思います。

 当コラムでは基本的に栗東所属のみ取り扱ってきましたが、今週は重賞がアイビスSDひとつしかありません。トレセンでの取材が規制されている現在の状況から、こういった週に関しては、美浦所属も取り上げ「重賞捜査網」で取り上げる予定の人気上位馬とは被らない形でお届けしようと思います。

 なお、今週の栗東は19日、20日、21日と好天が続きましたが、21日の夜中に豪雨となり、瞬間的な降雨強度は169.5mm/h(馬場造園課より)だったそうです。週はじめの天候を考えると、かなり速い時計も出やすいかと思いますが、この雨により、適度な負荷もかかったような気がします。

【アイビスSD/モンペルデュ】

 3勝クラス、オープンと連勝した勢いで挑戦したJBCレディスクラシックでしたが、落馬で競走中止。その後はしんがり負け、出走取消とリズムが崩れてしまいました。そういった部分を変えていくこともあってか、1週前追い切りはCWで行って、調教の内容としては充実したものになっています。

 最終追い切りは馬の多い時間帯でしたが、左にラチがある状態で集中した走り。全体時計はやや地味な印象ですが、好走時もこんなパターンだったので問題ないでしょう。あとは「ノンフィクションファイル」で直線競馬について語っていた西田雄一郎騎手がどんなエスコートを見せてくれるか、でしょう。

【アイビスSD/ビリーバー】

 前走が函館芝1200mで3勝クラスを快勝。そもそも3勝クラスは常に好勝負をしていただけに、やっとOP入りしたという感じもあります。今回は3歳時以来の重賞挑戦となりますが、フィリーズRでは勝ち馬からは0.4秒差だったんですね。

 今回は中2週になりますが、きっちり2本の追い切りを消化。最終追い切りは杉原誠人騎手が跨って、前にいる2歳を見ながらの走り。鞍上は手綱を抑えていますが、それでも5F65秒台、1F12秒台という素晴らしい時計。トモの推進力も抜群ですし、直線競馬は初めてでも新潟芝は2戦して連対率100%。ここはかなり楽しみです。

【アイビスSD/イベリス】

 セントウルSは3歳牝馬ながら3着と好走し、やっぱり芝1200mでの安定感は抜群と思えましたが、スプリンターズSでリズムが崩れたのか、その後は大敗が続きます。夏の復帰を目指して、春シーズンは全休していますが、調教内容を見るかぎりはその効果が大きかったように思います。

 そもそもCBC賞の出走を予定していましたが、除外になってしまい、ここまで待った形。ですから調教量は十分ですし、1週前追い切りも最終追い切りも坂路で単走ではあるものの、力強い動きができていたと思います。半姉ベルカントはこのレースを連覇しているわけですし、初めての直線競馬がきっかけになる可能性は十分です。

【アイビスSD/ゴールドクイーン】

 前走さきたま杯は惨敗ですが、スパーキングLCの惨敗を考えても地方交流重賞ではいろんな条件が揃わないと好走が難しいのかも知れません。とにかくハナに立ってこそ結果が出るタイプだけに、快速揃いの直線競馬でそれが叶うかどうかは枠順などの条件もあるかも知れません。

 調教内容に関しては、いつも追い切り本数が多いタイプですが、今回もしっかりと本数を積んでいます。一番時計の速い追い切りが先週の4F53.2秒というのは、自己ベストが49.1秒の同馬にとっては物足りない数字ですが、逆に先週末に終い重点の追い切りで動き、最終追い切りも同様に2F24.6秒で動いたのは評価できます。人気はないかも知れませんが、軽視はできないと思います。

【アイビスSD/クールティアラ】

 初めての直線競馬は勝ち鞍のない芝で、しかも飛び級。これを勝ち上がったことでルミエールADでは3番人気に支持されましたが大敗。前走韋駄天Sでも6着だったように、オープンクラスではもう少し力を付けていく必要があるのかも知れません。

 調教内容としては、これまでと同じ併用ですが、今回は南Wでの追い切りに少し比重が大きくなりました。最終追い切りも南Wなので、3勝クラスを勝った時とは場所が違いますが、動き自体は非常に安定していて、最後の直線に向いた時の走りは直線競馬向きの重厚感。あとは気性的にいろんな注文が付くようなので、そのあたりの条件が合えば。

◆次走要注意

・7/18 2歳新馬【キャロライナリーパ】(6人3着)

 スタートが致命的な不利。それでいながら、最後はしっかりと脚を使って、3着まで追い上げています。レース後も順調なようで、新潟の未勝利に続戦とのこと。普段からラスト1Fが最速になるラップの踏み方で追い切っていることがレースでの終いにも繋がっている印象だけに、今後もそれができれば大丈夫。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング