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【クイーンS予想】鞍上が乗り替わる人気薄を狙い打て!

  • 2020年07月26日(日) 18時00分

■クイーンS(GIII・札幌芝1800m)フルゲート14頭


★3行でわかる! クイーンS 攻略の糸口

1.1番人気は強いが相手は紛れる。チョイ荒れ狙い推奨!
2.外枠でも問題なし。脚質は差せなくはないが前が優勢
3.人気馬は継続騎乗組を、人気薄は乗り替わり組を狙え!

データ特注推奨馬
 ★サムシングジャスト
 ★カリビアンゴールド

 今年は開幕週ではなく、2週目の開催となるクイーンS。馬場コンディション次第では、例年とは少し傾向が異なってくる可能性がありそうだ。基本的には1番人気が[4-3-1-2]で勝率40.0%、連対率70.0%とかなり強いレース。ただし、相手はけっこう紛れることが多く、大波乱こそないが小波乱〜中波乱での決着は、コンスタントに発生している。ここは、チョイ荒れ狙いのスタンスを推奨したい。

 枠番はフラット〜やや外枠有利という結論で、少なくとも外枠が不利ではない。コース形態から考えると意外な結果だが、実際にこのクイーンSでも、外枠に入った馬は優秀な結果を残している。最後の直線が短いのもあって、脚質は先行勢が優勢。中団に位置する馬は、4コーナーで前を射程に入れていなければ届かないと考えるべきだ。

 前走GI組など実績馬が強いレースだが、前走で3勝クラスに出走していた組も侮れない成績。注目すべきは騎乗パターンで、人気馬に関しては「継続騎乗>乗り替わり」なのだが、人気薄については「乗り替わり>>>>>継続騎乗」である。8番人気以下で激走した馬はすべて乗り替わり組で、継続騎乗組の好走例はなんとゼロ。人気薄については、当日の馬体重が前走からマイナスだった馬が猛烈に強いというのも、覚えておいて損はない。

 今年の出走予定馬に、あらゆる側面から推せるような特注馬は見当たらない。だが、あえて名前をあげるならば、サムシングジャストとカリビアンゴールドの2頭だ。いずれも実績的には格下だが、今年の出走メンバーならば勝ち負けになる可能性アリ。オッズ次第では、思いきってここから入ってみるのも面白いだろう。

【コース総論】札幌芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★チョイ荒れ狙いが面白い。人気別では4〜6番人気や10〜12番人気が好内容。
★意外にも外枠が高信頼度かつ高回収率。やや外枠有利と考えたほうがいい。
★決め脚は必要だが、優勢なのは前。中団から差して突き抜けるのは難しい。





 ホームストレッチの中央あたり、正面スタンド前からの発走となる札幌芝1800m。最初のコーナー進入までの距離が短いので、いいポジションを確保するために、スタート直後のラップは速くなりやすい。コース形態は函館とよく似ているが、大きく異なるのがコーナー部分のキツさ。「小回り」ではないので、曲がりながらの加速も難しくはないはずだ。

 最後の直線は270mほどしかないので、直線だけで差し切るのは至難の業。中団〜後方に位置する馬は、3〜4コーナー部分で仕掛けて、直線に入るまでに前を射程圏に入れておく必要がある。展開のアヤや紛れも十分にあるコースで、そのせいか人気別成績では、4〜6番人気や10〜12番人気が好内容。「チョイ荒れ」あたりを狙っていったほうが面白いコースといえるだろう。

 意外だったのが枠番別成績。オーバルなコース形態や最初のコーナー進入までの短さから、いかにも内枠のほうが有利そうなのだが、実際は外枠のほうが高信頼度。回収値ベースの数値も、外のほうが明らかに高い。極端な差が出ているわけではないので、内枠に入った馬の評価を割り引く必要はないが、外枠でもまったく問題がないコースであるのはしっかりと頭に入れておく必要がありそうだ。

 脚質については、やはり先行勢が優勢。最後の直線に入った段階でレース結果がある程度まで読めてしまうコースなので、4コーナーを後方で回っているようでは期待薄。中団〜後方に位置する馬が勝ち負けに持ち込むには、コーナー部分でマクリを打つような機動力が必要不可欠となる。4コーナー先頭の馬が粘りきるケースも多いので、馬場コンディションがいい状況ならば、なおさら前を意識して馬券を買うべきだといえる。

【レース総論】クイーンS(GIII) 札幌過去10回

・レースの要所!

★1番人気と10〜12番人気が優秀な内容という両極端な結果。波乱もある一戦。
★馬番1〜4番が好内容も外枠である馬番13〜14番も優秀な内容。脚質次第か。
★中団から差すも届かず3着という結果が多い。連軸にはやはり先行勢を推奨。
★実績馬を素直に高評価。人気薄は、マイナス体重の乗り替わり組が狙い目。










 レースの平均配当は、単勝1349円、馬連3750円、3連複1万3836円。フルゲートの頭数が14頭と少ないことを考えると、これはけっして低くない水準といえる。順当決着だったといえるのはディアドラが制した2018年くらいのもので、大波乱こそないが小波乱〜中波乱は毎年のように発生。1番人気は[4-3-1-2]で勝率40.0%、連対率70.0%とかなり強いが、ここから入っても十分に張り合いのある配当が狙える一戦といえそうだ。

 枠番については判断が難しいところ。内枠である馬番1〜4番が好内容ではあるのだが、クイーンSは札幌の開幕週に開催されることが多いので、当然といえば当然。しかし今年は2週目の開催で、例年通りとはいかない可能性があるからだ。コースデータでは「大きな差はないが外のほうが有利」という結論で、しかもレースデータにおいても、外枠である馬番13〜14番は非常に強い。内枠を重視しすぎると痛い目にあうかもしれない。

 脚質についても、開幕週ではなく2週目の開催となることで傾向が変化するかも。良好な馬場コンディションが保たれているならば、基本的にはコースデータ通りに「前」優勢で、中団から差す馬は届かず3着に終わる──というケースが多い。勝ち馬や2着馬に関してはやはり、道中から前のポジションが取れる馬を重視したいところ。差し馬については、コーナー部分での加速が上手かどうかを必ずチェックしたい。

 年齢別成績では、札幌過去10回で4勝をあげている3歳馬の活躍が目立っている。春のクラシック戦線で存在感を発揮していたような馬が、ここに駒を進めてきた場合には、高く評価する必要があるだろう。ただし、人気薄に関しては単勝適正回収値や複勝回収値が高い、5〜6歳馬を狙ったほうが面白そうである。

 前走クラス別成績では、前走が中央GIや海外遠征だった「格上」組の強さが目立つ。連対馬の過半数をここが占めているのだから、これは素直に信頼すべきだ。それ以外では、前走で3勝クラスに出走していた「勢いのある馬」も好成績。爆発力があるのは大きな魅力で、前走でGIIIやOP特別に出走していた組よりも、こちらを高く評価したい。

 因果関係がよくわからない「アノマリー系」では、馬体重増減別データを紹介。7番人気以下の穴馬は面白いことに、なぜか当日の馬体重が前走から減っていた組ばかり来ているのである。前走からマイナス体重だった7番人気以下馬は、トータル[3-1-3-25]で複勝率21.9%、複勝回収値142という素晴らしい結果。穴馬の取捨に迷った場合は、ぜひ思い出してもらいたいデータだ。

 出走間隔別データからは、前走からゆったり間隔を取って出走する馬が好成績であるのが見てとれる。中8週よりも長い間隔で出走した馬はトータル[8-5-4-38]と、馬券に絡んだ馬の過半数を占める大活躍。間隔が連闘〜中8週だった馬と比較すると、その差は歴然だ。今年もおそらく、GIヴィクトリアマイルからのローテで出走する馬が、存在感を発揮してくれることだろう。

 そして最後に、騎手関連データ。注目すべきは、鞍上が継続騎乗する人気薄がサッパリの結果に終わっている点だ。8番人気以下で激走した馬は、すべて乗り替わり組である。つまり、このレースで積極的に狙うべきは「継続騎乗の人気馬」と「乗り替わりの人気薄」の2パターン。信頼度の高さを考えると、これらに該当する馬だけ買うという戦略も有効に機能しそうだ。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト、ハービンジャー、キングカメハメハ、ステイゴールド、アドマイヤムーンの産駒をプラス評価の対象とした。いずれもコース適性の高さは負けず劣らずだが、そのなかでも一枚上といえるのがディープインパクト産駒。信頼度の高さはもちろんのこと、単勝適正回収値86.7、複勝回収値83と爆発力も十分にある。ある程度の器用さがあるタイプならば、なおさら買いやすい。

★出走予定馬 総論×各論

 特別登録が出る前の段階で、出走の意向が把握できているのはフルゲート以上となる16頭。まだ増えるケースも十分に考えられるので、格上挑戦となるジョブックコメン、ダンサール、ナルハヤなどにとっては、狭き門となりそうだ。また、前に行きたい組が多いのも今年の注目ポイント。ハイペースとなるケースも考えうる組み合わせといえる。

 トップ評価は、前走で3勝クラスを勝ったサムシングジャスト。半年近くの休養明け初戦だけに仕上がりが問われる一戦となるが、近4走で3勝しているように、その勢いは相当なモノ。鞍上が武豊騎手に乗り替わる想定で、「人気薄の乗り替わり組」という激走条件に該当しそうなのも魅力である。前が流れてくれそうな組み合わせもプラスで、うまくハマれば勝ち負けまで期待できるとみている。

 二番手評価にカリビアンゴールド。前走が函館の巴賞で3着と、このレースの好走パターンには合致していないのだが、そのマイナスを補ってあまりあるプラス評価の多さだ。こちらは前走に引き続き藤岡康騎手が手綱をとる見通しなので、当日「7番人気以内」に推されるのが好走の必要条件。ステイゴールド産駒であることや、単勝適正回収値が高い6歳馬であることなども、上位に推す理由である。

 三番手評価に、牝馬重賞を2連勝中のフェアリーポルカ。人気の一角となりそうだが、こちらは和田竜騎手が継続騎乗の想定で、より信頼度がアップする。前走がGIIIの福島牝馬Sであるのはプラスとはならないが、ゆったりしたローテでの出走となるのは好印象。極端に前有利なバイアスではなく、差しが届く馬場になれば、信頼度はさらにアップする。人気サイドでは、この馬の好走率がもっとも高いとみた。

 以下はビーチサンバ、レッドアネモス、コントラチェック、ダンサール(除外の可能性が大アリ)という評価の序列。枠番を気にする必要がないレースなので評価が大きく入れ替わることはないだろうが、人気についてはサッパリ読めないので、あとはそれ次第か。1番人気からのヒモ荒れが多いというレース傾向は、買い目にもキッチリ反映させたいところ。例年以上に混戦模様で、馬券的にかなり面白い一戦となりそうである。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



ダイハードさんマジでダイハード(#^ω^)ビキビキ

いろいろ迷った結果、最終的にもトップ評価としたのが、3着だった18エントシャイデン。そこから流す馬連(じつは単勝も買ってましたが)での勝負で、相手には2着の13ラセットは取っていましたが、勝った14メイケイダイハードはヌケ(無理)。上位が接戦だっただけに直線では力が入りましたが……もうちょっとが届かないんだよなあ。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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