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【関越S・クイーンS予想】秋の牝馬GI戦線を占う重要な一戦!出走予定馬の状態を徹底解説!

  • 2020年07月30日(木) 18時00分

近走成績だけで侮ることはできない


 今週の重賞は札幌競馬場で行われるクイーンS。例年と違うのは、最終追い切りを函館競馬場で行うことができない点でしょう。2012年に10番人気で2着したラブフールなんかは最終追い函館Wで本命を打つことができた馬だけに、函館Wでの最終追いがないことに一番がっかりしているのは私自身かもしれません(笑)。

 それは冗談として、やっぱり最終追い切りをウッドチップ馬場で行えないことにより、本調子を出せない、なんてパターンは十分に考えられます。そういった意味では、最終追いを札幌競馬場の馬場で行って結果を出したことがある馬が調教的には安心した軸になるのかな、なんて考えています。まあ、このあたりはウマい馬券でしっかり解説しましょう。

 なお、今回もクイーンSは人気上位馬の調教内容については、重賞捜査網で取り上げることになると思うので、ここではそれ以外の馬を解説しておこうと思います。

 さて、栗東のCコースのウッドチップ入れ替え工事はほぼ終了している感じで、週明けには全周入れ替わりになるようです。降水量に関しては、連日のように20mmを超えていて、水分をたっぷりと含む馬場のようですが、7月29日の坂路の時計の出方を見るかぎりは、降水量ほど時計を要する状態でもなさそうです。

【クイーンS/シャドウディーヴァ】

 北海道シリーズは初参戦。競馬場に滞在しての追い切りも初めてのパターンとなります。エプソムC以来のレースとなりますが、個人的には阪神牝馬Sで馬体重が減ってから、調子が落ちていると感じています。ゆえにここ2走も得意の左回りでの走りが追い切りでもレースでも冴えません。

 今回は札幌ダートだけでの追い切り。最終追い切りは右回りということもあって、逆手前のままでしたが、それでも併せ馬を追走先着。さすがの脚力、と言いたいところですが、相手は3歳未勝利。先着することよりも、走りの内容が充実しているべきだと感じますし、VTRを見るかぎりはそれを感じなかっただけに、復調しているという気配は感じることができませんでした。

【クイーンS/リープフラウミルヒ】

 札幌は3戦して2勝という実績ある舞台。今回と同じ札幌芝1800mを勝った藻岩山特別(2勝クラス)は最終追い切りが函館Wだったので、ベストはこのパターンでしょう。ちなみに未勝利を勝った時は札幌ダートで最終追いを単走で行っています。

 今回は札幌芝での単走の最終追い切り。4コーナーで少し姿勢が高いのは福島牝馬Sで2着した最終追いとほぼ同じですが、最後の直線に向いてからの加速力は福島牝馬の時の方がスピード感がありました。このあたりは南Wか札幌芝かといった違いなのかもしれませんが、このあたりに少し物足りなさを感じたというのが正直なところです。

【クイーンS/アロハリリー】

 北海道シリーズは初参戦。しかし、夏の小倉開催では現地滞在で2勝を挙げており、競馬場追い切りには実績があります。小倉大賞典も現地追い切りでしたが、この時は休み明けで追い切りが3本だけ。今回の5本も少ない本数ではありますが、当時よりもしっかりと乗り込まれています。

 最終追い切りには池添謙一騎手が跨って単走。札幌芝でしたが、力強い走りに最後の直線で手前を替えてから加速していきそうになる雰囲気がなかなか。やっぱり現地競馬は適していると思いますし、ブリンカーの効果もありそう。近走成績だけで侮ることはできないと思います。

【クイーンS/ダンサール】

 札幌競馬場では、2018年の1勝クラスで2戦の経験。勝ってはいませんが、2着3着でした。3着の時が札幌ダートで最終追い切りを行って、先行して先着という内容でした。ここ最近の最終追い切りは坂路ばかりなので、少し刺激があるという意味では今回の変化は歓迎かもしれません。

 そう思えたのは最終追い切り。今回は札幌芝での3頭併せでしたが、一番後ろから追いかけてゴール付近ではきっちり追いついています。追えば追うほど伸びそうな雰囲気でしたし、現地入りしてからの調子は上向いているようです。レース間隔はあきましたが、栗東では坂路をしっかりと乗り込んでいますし、前が速くなる展開なら得意の捲り気味の脚を発揮できるかもしれません。

【関越S/ザダル】

 プリンシパルSを1分58秒3で勝ち、前走メイSは33.2秒のメンバー最速上がりをマーク。左回りで時計が速い馬場、スローペースになりやすい最後の直線が長いコースはもってこいというタイプ。それだけにこの条件が合わないわけがないでしょう。それはファンの方も承知のようで、netkeiba.comの予想オッズでも抜けた1番人気となっています。

 今回は2ヶ月ぶりのレースですが、追い切りの本数は十分。1週前に南Wで併せ馬を追走して先着。6Fから時計を出していて、これを経ての最終追い切りが南Wでの半マイル追い切りとなっています。このパターンはプリンシパルSを勝った時と同じですから、状態としては申し分なし。あとは今開催の新潟芝1800mで栗東坂路が有利な馬場状態をどう捻じ伏せるかということになりそうです。

◆次走要注意

・7/25 2歳新馬【レゼール】(1人4着)

 予想バイブルにも取り上げた好調教馬でしたが、姿勢の低い走りから、ひょっとしたらダートっぽいかもと思っていました。あの位置から伸びあぐねたレース結果を思えば、やっぱりダートなのかもしれません。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追い切りが併せ馬先着なら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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