スマートフォン版へ

【佐渡S予想】次世代トップサイヤー担う“ハーツ”産駒に期待

  • 2020年08月07日(金) 18時00分

先週は新潟でまとめ勝ち、秘める高い平坦適性


 例年は10頭立てくらいで、このクラスにしては乱戦でもなく、最近10年の1番人気馬は【5-2-0-3】だった。だが、変則2場開催の今年は除外馬が6頭も出たフルゲート18頭立て。ふつう新潟に馬場状態は関係ないが、各地は梅雨明けでも、レースの行われる今週末の新潟、札幌だけは天気が怪しい。少し渋った馬場もありえる。

 佐渡Sには、種牡馬ハーツクライ(19歳、父サンデーサイレンス)産駒が珍しく4頭も揃った。同期のキングカメハメハも、1歳下のディープインパクトもすでに没し(ちょうど一年前の7-8月)、3歳年長のクロフネも今春で種牡馬を引退。総勢30頭にも達する社台スタリオンSの中で、ハーツクライは同じ19歳ダイワメジャーと並んで最古参となった。

 といって、決して長老というほどの年齢ではなく、3歳サリオス、日曜のエルムSのタイムフライヤーなどの父として、まだまだ現役のエース格種牡馬。今年を含め8年連続してランキング2位〜5位を堅持している。もうしばらくは、ディープインパクト、キングカメハメハ、さらにはクロフネの分までがんばることになる。今年のセレクトセールでもきわめて人気が高かった。

 ハーツクライはさまざまなタイプを送り続けるが、最大の長所は牝馬リスグラシューが引退直前の5歳後半にGIを3連勝もし、ジャスタウェイも4歳末から5歳春にかけGI〜GIIを4連勝もしてみせた豊かな成長力を伝えること。

 芝もダートも、コースも問わないが、しいていえば先週の札幌、新潟で産駒がまとめ勝ちしたように、高い平坦適性を秘めている。母アイリッシュダンス、3代母マイビューパーズ(USA産)から広がる一族には総じてこの傾向がある。もともと父母両系ともにアメリカ育ちの血統でもある。

 佐渡Sで穴馬として注目したいのは、父が現在19歳なら、母ルンバロッカ(イタリアで5勝)も目下19歳でまだ産駒を送り続ける血統背景を持つ、5歳牝馬リンディーホップ。

 初勝利が夏の新潟の芝2000m。昨年夏の3勝目が函館の芝1800mだった。快速系ではなく、稍重程度の芝は大歓迎だろう。同じハーツクライ産駒の上のアウトオブシャドウ、レッドイグニスも平坦に近いローカルの芝で勝っている。

 好調スパイラルダイブ、入念に乗ってきたシュリ(父ハーツクライ)を相手本線に、リンディーホップの大駆けに期待したい。鞍上の内田博幸騎手も夏の方が身体は動く。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング