
新馬戦を快勝したリオンディーズ産駒のピンクカメハメハ(提供:デイリースポーツ)
「キンカメ」ならぬ「ピンカメ」こと、ピンクカメハメハが7月19日、函館で新馬戦を快勝しました。17歳離れた半姉は宝塚記念を制覇したスイープトウショウという良血。ところが、お母さんが25歳、お父さんのリオンディーズは5歳の時の子供で、なんと20歳離れた年の差カップルの仔でもありました。高齢出産について、管理する森秀行調教師はある英ダービー馬との経験から感じることがあるようです。SNSで話題のピンクカメハメハのいまとこれからについて伺いました。
(取材・構成:大恵陽子)
※お忙しい中、電話取材に応じていただき、この場を借りて感謝申し上げます。
出会いはデビューの1カ月前!
――名前からも注目を集めるピンクカメハメハですが、森調教師が初めて見たのはいつですか?
森秀行調教師(以下、森師) 6月10日頃に買ったばかりの馬なんです。オーナーサイドから「すぐにデビューできる馬いませんか?」とお話をいただいて探したところ、トレーニングセールに上場予定だったこの馬に出会いました。今年は新型コロナウイルスの影響でトレーニングセールが中止になって売ることができなかったんですよね。
――今年は各セリにコロナの影響が出ていますね。
森師 私も北海道に行くことができない状況だったので、他の人に行ってもらって、ビデオと写真を撮ってきてもらいました。それを見て、購入を決めました。
――母タバサトウショウは2005年、ハーツクライ相手に宝塚記念を制覇したスイープトウショウの母でもありますが、ピンクカメハメハを出産した時は25歳。高齢出産の影響というのはどうでしょうか?
森師 昔、お母さんが22歳の時の仔馬を5000万円くらいでどうか?と、海外で声をかけられたことがありました。お母さんが高齢だったのでやめたんですが、その馬がのちに英ダービーを勝ったニューアプローチでした。その経験があるので、年齢を重ねていても馬さえ丈夫なら問題ないと考えています。ピンクカメハメハは少し小柄でしたが、レントゲンやノドの検査も問題ありませんでした。いまは食べる物にしても、環境にしてもいいですし、タバサトウショウはピンクカメハメハを生む前、3年くらい間が空いていました。それに、この馬が最後の仔で、その後種付けもしていないので、お腹の仔と母乳に栄養が分散されることなく、ピンクカメハメハに集中しているな、と思いました。

タバサトウショウの最後の仔…購入時のピンクカメハメハ(提供:森秀行調教師)
――ピンクカメハメハはダービー馬で種牡馬としても偉大だったキングカメハメハと馬名が似ていると話題になりました。
森師 馬名は、買ってすぐにオーナーが付けられました。