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ダート戦での活躍が目覚ましいハーツクライ産駒

  • 2020年08月10日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・8/9 レパードS(GIII・新潟・ダ1800m)
 1番枠を利して先頭に立ったケンシンコウが後続の追撃を寄せ付けず逃げ切りました。これで直近10年間で逃げ馬が6頭連対したことになります。ただ、ケンシンコウが逃げるというのは大方の予想を裏切る展開でした。

 今回、15頭の出走馬の父系を眺めると、エーピーインディ系が6頭含まれており、ケンシンコウはその1頭でした(父パイロ)。同系は現在、アメリカで最も勢いのある父系のひとつですが、日本にもじわじわと浸透してきています。ダート界では今後ますます存在感を高めていくでしょう。

 ちなみに、エーピーインディ(1989年生)を所有したのは鶴巻智徳さんという日本人で、同時期に日本ではデルマークラブの名義でリンドシェーバー(朝日杯3歳Sをレコード勝ち)などを所有されていました。エーピーインディはブリーダーズCクラシックなどを制して米年度代表馬に選出されたあと、アメリカで種牡馬入りしたのですが、もし日本に輸入されていたとしたら血統の歴史は大きく変わっていたでしょう。

・8/9 エルムS(GIII・札幌・ダ1700m)
 中団を追走したタイムフライヤーが外をマクって進出し、追いすがるウェスタールンドを振り切って優勝しました。もともと芝でGIホープフルSを勝った実績のある馬ですが、芝で頭打ちになったあと昨年のこのレースからダート路線に転じ、今回、ダート重賞初制覇を成し遂げました。

 父ハーツクライはこのところダート戦での活躍が目覚ましく、2020年のJRAダート種牡馬ランキングで第3位(1位ゴールドアリュール、2位ヘニーヒューズ)。母タイムトラベリングは砂の名馬タイムパラドックス(ジャパンCダート、帝王賞、JBCクラシックなどダート重賞9勝)の全妹ですから、ダートをこなす血統的素地は十分にありました。小回りのダートで器用にマクって勝ったここ2走の競馬を見ると、母の父ブライアンズタイムの影響を感じます。滞在競馬とはいえ、今年初戦のフェブラリーSから一貫して馬体重が増え続けているのは、体調面が充実しているからでしょう。血統的に高いレベルにあるので、秋には重賞タイトルを増やしそうです。2000mを超える距離でも問題ありません。

今週の血統注目馬は?


・8/15 阿蘇S(OP・小倉・ダ1700m)
 登録馬の父のなかで小倉ダ1700mに強い種牡馬はスマートファルコンとオルフェーヴル。前者は46戦16連対(連対率34.8%)、後者は46戦13連対(連対率28.3%)。

 2010年以降、当コースで産駒が20走以上した127頭の種牡馬のなかで第1位と第3位という優秀な成績です。前者の仔オーヴェルニュは過去小倉ダ1700mで[0-2-0-0]。後者の仔アルドーレは小倉での初めてのレースとなりますが、前走ジュライSで向正面から果敢に動いて行ったレースぶりを見ると、機動力があり小回りの小倉は合いそうです。

今週の血統Tips


 8月8日、アメリカのサラトガ競馬場で行われたトラヴァーズSは、一本かぶりの人気に推されたティズザローが5馬身半差で圧勝しました。ゴール前は手綱を抑えていたので、追っていれば大差勝ちだったのではないかと思います。かなりの大物です。

 今年は新型コロナの影響でアメリカ競馬の競走体系も大幅な変更を余儀なくされており、“真夏のダービー"として親しまれている当レースは、9月5日に行われるケンタッキーダービーの前哨戦的な位置づけとなっています。ティズザローは今年に入ってから楽勝に次ぐ楽勝で通算成績は7戦6勝(GIは4勝)。すでに6月のベルモントSを勝っているので、9月のケンタッキーダービー、10月のプリークネスSを制覇すると、史上14頭目の米三冠馬となります。可能性は大いにあるでしょう。

 父はエーピーインディ系のコンスティテューション。この世代が初年度産駒です。2代父タピットは3年連続米リーディングサイアーとなった名種牡馬で、父としてだけでなく種牡馬の父としても有能なところを見せており、今後系統を発展させる可能性が高いでしょう。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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