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【北九州記念・札幌記念予想】夏開催で唯一のGII戦!!有力馬たちの追い切り評価は?

  • 2020年08月20日(木) 18時00分

前走以上と考えたくなる機敏さ!!


 最初は「まさか」という言葉しか出てこなかった、先週の栗東トレセンでの火災事故。犠牲になった5頭の冥福を祈るとともに、被害にあった関係者各位にお見舞い申し上げます。死亡した馬たち以外にも影響を受けた馬たちがたくさんいたようで、本当に心が痛みます。現時点で原因が特定できていないとのことですが、今後も調査を進めるとのこと。一刻も早く、今後に向けた対策を練ることができる原因究明ができればと心から願います。

 さて、今週は札幌記念と北九州記念。この重賞スケジュールの日は3年続けて、ウインズもしくは競馬場でお仕事をさせていただいていました。場所は新白河と札幌ですが、どちらも心温かいお客様が多く、そんなふれあいを毎年楽しみにしていました。コロナ禍で今年は自宅待機になりますが、せめて予想だけでも皆さまのお役に立つように頑張りたいと思います。

【札幌記念/トーセンスーリヤ】

 最終追い切りの動きは素晴らしいけど、左回りの南W。前々走の新潟大賞典も左回りなので、右回りでどうかと判断を悩んだのが前走でした。58キロという斤量もあったにもかかわらず、4コーナーまで見せ場ある走りを見せてくれました。よって、前走の7着は非常に価値があるというのが個人的な判断です。

 レース間隔は前走とほぼ同じ中7週。美浦の南Wできっちりと追い切り本数をこなしてから札幌へ移動しています。最終追い切りは札幌ダートになりましたが、その動きは終いがしっかりしたもの。ジョッキーが指示を出した時に素早く左手前に替えることができていましたし、そこから伸びていました。今回も積極的なレースになると思いますが、そのアドバンテージもあるはずです。

【札幌記念/トーラスジェミニ】

 ここ3戦は自分のスタイルを貫いて、3着、1着、4着と安定した成績を残しています。特に近2走は競馬場に滞在するパターンで結果を出しているという強みもあります。1週前追い切りは札幌芝で3頭併せの大外でしたが、真ん中を競り落とすと、次は最内にいた新馬を交わしにいきますが、その脚力がさすが。

 最終追い切りも札幌芝でしたが、これまた外から追いかける展開。直線に向いて3馬身はあったと思いますが、これを一瞬で追いついて突き放す動き。この動きを見ると、引き続き好調というよりも前走以上と考えたくなる機敏さがあります。

【北九州記念/ジョーカナチャン】

 アイビスSDで重賞初制覇。直線競馬に対する適性の高さを示す形となりましたが、今回は芝1200m。芝の淀短距離Sで2着の実績はあるものの、勝ち鞍はありません。ダートなら1200mと1400mで勝っているだけに、直線専用というわけではないのでしょうが、このクラスだとどうかというところ。

 調教内容に関しては前走後も順調。1週前追い切りは坂路で4F目12.0秒としっかり動けており、この季節もいいのかも知れません。最終追い切りに関しては、ここ2走と同じように木曜日に行われるはず。ここでも4F目が最速になるラップを踏むことができていれば、体調に関しては文句ないでしょう。あとは同系との兼ね合い、それに尽きると思います。

【北九州記念/ダイメイプリンセス】

 2018年2着、昨年は1着という好相性のレース。アイビスSDからというローテーションも3年連続で同じとなります。今年は中3週とこの点だけが違ってきますが、調教内容としてはほぼ同じ。むしろ今年の方が本数が増えて、中身の濃い調教内容になったと評価してよいのかも知れません。

 最終追い切りはいつもの坂路。ただ、過去2年と違うのは単走になった点です。前方にラブカンプーの併せ馬が行われていましたが、これとは別でした。ラップの踏み方は1F目から2F目の加速が遅めですが、2F目から3F目は1.3秒加速して、4F目が12.1秒。左手前に替えての最後のラップですから、見た目以上にスピードが出ていたのでしょう。単走でしたが、今年は今年で良かったような気がします。

【北九州記念/アウィルアウェイ】

 休み明けで追い切り本数が少ない状態での好走はオパールS1着がありましたが、当時は52キロのハンデ戦。前走は55.5キロを背負うハンデ戦で追い切り本数が少ない状態でしたから、7着はよく走ったという見方でよいと思います。

 また前走の最終追い切りでは水分をたっぷりと含んだ馬場状態だったこともあってか、この馬らしい豪快なフットワークが見られませんでした。今回はそれを確認することができましたし、体調に関しては間違いなく前走以上。今回も55.5キロですが、シルクロードSで55キロを克服しており、斤量は特に問題ないはずです。

◆次走要注意

・8/15 2歳新馬【テンハッピーローズ】(7人1着)

 もともと新潟芝1400mでのデビューを検討していましたが、使えたのがこの条件。それでも1200mの競馬をせずに1400mのレースに徹しての勝利。勝ち時計は速いし、この内容で勝てたことが大きいと思います。決してスプリンターでないことは覚えておきましょう。

[メモ登録用コメント] [芝マイル以下]最終追い切りラスト1F最速ラップなら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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