スマートフォン版へ

【キーンランドC予想】今年はあの馬の相手探し!?

  • 2020年08月23日(日) 18時00分

■キーンランドC(GIII・札幌芝1200m)フルゲート16頭


★3行でわかる! キーンランドC 攻略の糸口

1.有利そうなイメージの内枠だが実際は不利。外枠重視で!
2.基本的には順当決着傾向が強いレース。脚質は前有利
3.前走GIII組の3番人気以内馬が鬼強。牝馬関西馬も強い。

データ特注推奨馬
 ★ダイアトニック

 基本的には人気サイドが強く順当決着傾向だが、油断しているとスコーン!と荒れるキーンランドC。データを分析していて、もっとも興味深かったのが「枠番」だ。札幌の芝コースというだけで「なんとなく内枠が有利そう」と思ってしまうが、実際は正反対で、内枠不利&外枠有利なのである。信頼度に極端な差が出ているワケではないが、外枠重視のほうがオイシイ馬券が獲れるはず。ぜひ覚えておきたい傾向といえる。

 最後の直線が短いので、脚質はやはり先行勢が優勢。中団からの仕掛けでも届くが、コーナーで大外を回ってしまうと、大回りなので距離損が大きい。前走クラス別成績からの注目株は「前走でGIIIに出走していた3番人気以内馬」で、こちらは連対率56.3%、複勝率75.0%という信頼度の高さ。あとは、前走で3勝クラスに出走していた組も意外に強く、侮れない面がある。

 あとは、夏の重賞らしく牝馬が非常に強いことや、関西馬の活躍が目立つこと、継続騎乗組の信頼度が高いこと、ゆったりしたローテで出走する馬のほうが好成績であることなどが、主な特徴。データ特注推奨馬には、「前走でGIIIに出走していた3番人気以内馬」という条件に該当しそうなダイアトニックをあげている。下手すると一本かぶりの人気になりそうだが、それでもここは素直に「買い」ジャッジが正解だろう。

【コース総論】札幌芝1200m Cコース使用

・コースの要所!

★人気薄が意外なほど強いコース。4〜6番人気や10〜12番人気を高評価したい。
★信頼度に差はないが実際は内枠不利&外枠有利。内枠の人気馬の過信は禁物。
★差せなくはないが、やはり優勢なのは先行勢。逃げ切り発生率もかなり高い。





 2コーナー奥のポケットが、芝1200mのスタート地点。最初のコーナー進入まで約400mと、短距離戦ながら十分な距離がある。最後の直線は短いが、函館とは違ってコーナーが大回りなので、器用さのない馬でも加速しやすいはずだ。ただし、コーナーで外を回すと距離損が大きくなる。大外をブン回すような仕掛けで1着に突き抜けるには、かなりの能力差が必要となることだろう。

 まずは人気別成績だが、目立っているのが人気薄の活躍だ。けっこう堅いイメージだったのだが、4〜6番人気や10〜12番人気の内容は素晴らしく、これならば思いきった穴狙いも可能。さすがに13番人気以下には手を出しづらいが、高配当を狙って獲りやすいコースであるのは間違いない。

 枠番データも興味深い結果となった。信頼度はほとんど横並びで、いかにも内外の差がないコースに思えるのだが、実際はさにあらず。ギャップ値で比較すると、内枠である馬番1〜4番が大幅マイナス、外枠である馬番13〜16番が大幅プラスという、対照的な結果が出ているのだ。つまり傾向は、内枠不利&外枠有利。極端に大きな差があるわけではないが、これは絶対に意識しておいたほうがいい。

 最後に脚質面だが、こちらはやはり「前」が優勢。コーナーからの加速で勢いをつけて直線で差す──という競馬もできなくはないが、先行策からの押し切りと比較すると、難易度はかなり上がる。逃げた馬がよく残っていることからも、基本的には先行勢重視のスタンスを推奨。ド平坦で芝コンディションも良好となると、前もそう簡単には止まってくれない。

【レース総論】キーンランドC(GIII) 札幌過去10回

・レースの要所!

★人気サイドの強さが目立つレース。3番人気以内馬は素直に「買い」が正解か。
★枠番と脚質の傾向はコースデータ通り。先行勢と馬番13〜16番が非常に強い。
★高齢馬は割引。「前走GIII組の人気馬」と前走3勝クラス出走組を高評価したい。
★前走プラス体重だった馬がなぜか大不振。牝馬が非常に強く関西馬も好成績。










 レースの平均配当は、単勝851円、馬連5209円、3連複1万1128円と標準的な水準。12番人気が勝って高配当となった2017年のような例もあるが、基本的には人気サイドが強く、順当に決着する傾向にある。昨年や2016年は、人気通りのガチガチ決着だった。出走メンバーにもよるが、ブンブン振り回すようなホームラン狙いの馬券は、ちょっと買いづらい。あとは、6勝をあげている牝馬や、関西馬の強さも目立つ。

 枠番についてはコースデータに忠実な結果。内枠である馬番1〜4番が低調な成績で、対照的に外枠である馬番13〜16番が好内容である。いかにも有利そうな内枠が、じつはいちばん不利であることを、しっかり覚えておきたい。そして脚質面もコースデータ通りで、やはり先行勢が優勢。4コーナーを先頭で回った馬は[2-1-2-5]と、その半数が馬券絡みしている。差せなくはないが、信頼すべきは「前」だ。

 年齢別成績からは、5歳以下馬が高信頼度であるのが見てとれる。6歳以上馬はトータル[1-4-1-59]で複勝率9.2%、複勝回収値44と低調な結果に終わっている。もっとも内容が優秀な4歳馬を、もっとも高く評価したい。そして前走クラス別では、「今回3番人気以内の前走GIII組」と「前走3勝クラス出走組」が好成績。とくに前者は連対率56.3%、複勝率75.0%という、鉄板級の信頼度を誇っている。

 アノマリー系では「前走での馬体重増減」データが面白い。前走でプラス体重だった馬がトータル[2-1-3-43]で複勝率12.2%と、イマイチな結果に終わっているのだ。馬券に絡んでいる馬のほとんどが5番人気以内で、6番人気以下に限れば[0-1-0-32]と全滅に近い惨状。人気薄の取捨で悩んだ場合は、前走プラス体重「以外」の馬を選ぶようにしたい。

 ローテ面では、連闘〜中3週で出走する組の成績が悪いというのがポイントとなる。もっとも信頼できるのは「中4週〜中8週」での出走で、基本的にはゆったりしたローテでの出走が望ましい。そして最後に騎手関連だが、継続騎乗組のほうが好成績であることや、関東所属騎手の成績がイマイチなのが目立っている。関西所属騎手や外国人ジョッキーが継続騎乗する馬を重視すべきだろう。

【血統総論】


 血統面からは、ダイワメジャー産駒、タイキシャトル産駒、キングカメハメハ産駒をプラス評価の対象とした。2〜3着に取りこぼすことが多いダイワメジャー産駒だが、複勝率33.3%、複勝回収値126と内容は超優秀。逆にキングカメハメハ産駒は、勝率と単勝適正回収値の高さが魅力だ。ロードカナロア産駒も信頼度はソコソコ高いが、明らかに過剰人気で回収値はかなり低め。推奨するには至らない内容である。

★出走予定馬 総論×各論

 原稿執筆時点で出走の意向が把握できているのは15頭。札幌・UHB賞からのローテで出走を予定している馬が8頭と、過半数を占めている。次に多いのが函館スプリントSからのローテだが、フィアーノロマーノ、ダイメイフジの2頭は「不在厩」となっているので、本当に出てくるのかどうか微妙なところ。これについては特別登録の発表待ちだが、今年はフルゲートを割り込む可能性のほうが高そうだ。

 いわゆる「裏函」がない影響は大きいようで、出走予定メンバーはやや小粒。ここに入ると、重賞を2勝しておりGIでの好走実績もあるダイアトニックは、完全に「格上」だ。人気サイドが強いというレース傾向からも、ここは素直に高評価するべき。今年の出走馬で唯一「前走でGIIIに出走していた3番人気以内馬」という条件を満たすというのは、かなり大きい。武豊騎手が継続騎乗予定であるのも、当然プラスだ。

 二番手評価に、前走で3勝クラスを勝って昇級するアスタールビー。実績的には格下だが、買い材料の豊富さはこの馬がナンバーワンである。鞍上が吉田隼騎手に乗り替わる想定であることなど割引材料もあるが、勢いに乗っての激走も十分に期待できそう。今年のメンバーが例年に比べて手薄になりそうなのも、推す理由のひとつだ。ペースは速くなるだろうが、好位でうまく流れに乗れれば、ここでも面白い。

 三番手評価に、3歳牝馬のヤマカツマーメイド。奇しくも、上位に評価した3頭はすべてロードカナロア産駒である。古馬との対戦はこれが初となるが、高いスプリント性能を秘めていそうなタイプ。今年の相手関係ならば、いきなりやれて不思議ではないだろう。京都・橘Sからのゆったりしたローテや、池添騎手が継続騎乗する予定であることなど、こちらも買い材料は多い。

 以下はライトオンキュー、イベリス、カッパツハッチ、エイティーンガール、ダイメイフジ、フィアーノロマーノという評価の序列。出走馬の大半を占めそうな前走UHB賞組は、好走実績の乏しさからも強くは推しづらい。あとは枠番やオッズ次第だが、先行勢の多さも今年は気になるところ。展開を利して、中団〜後方からまくった馬が上位に食い込む──といった結果もありうる組み合わせなので、警戒しておきたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



3連複03-17-18 11820円的中!

手広く買って当てるシリーズ快調ッ(*^ω^)♪

四番手評価の17サトノアーサーが勝って、三番手評価の18トロワゼトワルが2着、トップ評価だった03アンドラステが3着。おおむね上位で決まっているので、もっと絞ればよかったんじゃねーか説もあります……が、そんなものはタラレバ! 大事なのは的中デス。1万円のハズレが続いて平気なほど、俺が裕福なワケないじゃないっすか(落涙)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング