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4代盾制覇の期待を背負って…走り続けたホクトスルタンの素顔―芦毛特集(3)

  • 2020年08月30日(日) 18時02分
ノンフィクション

庄野厩舎に重賞初制覇をもたらしたホクトスルタン(撮影:下野雄規)


メジロアサマ、ティターン、マックイーンと親子三代続いた天皇賞制覇。四代制覇という偉業へ期待がかかったホクトスルタンは2度盾獲りに挑み、4着、15着でした。持ち前の勝負根性と逃げの戦法から個性的な印象も強かったですが、「調教では優等生だった」と、当時管理していた庄野靖志調教師は話します。

しかし、厩舎に重賞初制覇をもたらした目黒記念ではゲート裏で珍事があったとか!? 優等生、ときどき個性的なホクトスルタンの素顔に迫ります。

(取材・構成:大恵陽子)

※お忙しい中、電話取材にご対応いただき、この場を借りて感謝申し上げます。

親子四代制覇のかかった天皇賞「本当に力が入った」


――ホクトスルタンは3歳夏に開業まもない庄野厩舎に転厩してきました。第一印象はどうでしたか?

庄野靖志調教師(以下、庄野師) はじめて(ホクト)スルタンを見たのはビッグレッドファームで放牧をされている時で、「力強そう」って感じました。長い距離をずっと走ってきた馬なんでね、距離ももちそうな感じがしました。

――転厩初戦の阿寒湖特別を勝ち、秋には菊花賞にも出走し6着。4歳初戦のサンシャインSは6馬身差で勝って、本当に強かったですね。

庄野師 転厩してきた時はまだ1000万下クラス(現2勝クラス)だったので、天皇賞・春云々ってとこまでは思っていませんでした。もちろん、天皇賞制覇が三代続いていて、「四代目が出るか!?」という話は意識していましたけど。サンシャインSを勝って、「これなら天皇賞・春に行きたいな」と。その頃になってやっと「天皇賞の四代制覇」っていう話もだいぶ盛り上がってきていました。こちらはプレッシャーがないわけではなかったですけれど、こういうことはすごく素晴らしいことだと思いました。

――父メジロマックイーンの印象は?

庄野師 当時はまだ学生だったんですけど、「英雄」って呼ばれていて、本当にそれに恥じない素晴らしい馬だったなって思います。現地で見た天皇賞・秋の降着はびっくりしましたが、レースに関しては「強い」って感じていました。

――ホクトスルタンが父に似ている部分などはありましたか?

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