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スプリンターズSでも好走期待!!

  • 2020年08月31日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・8/30 新潟2歳S(GIII・新潟・芝1600m)
 中団を追走したショックアクションが直線で豪快に抜け出しました。父グレンイーグルスは現役時代に英2000ギニー、愛2000ギニー(いずれもG1)などを制した名マイラーで、母の父にストームキャットを持つ影響かガリレオ産駒のなかでは堅い馬場を得意とするタイプでした。母の父ファストネットロックは豪リーディングサイアーに二度輝いた名種牡馬で、デインヒル系ながら母方にスピード豊かなオーストラリア血統を抱えているため、フィアーノロマーノ(ダービー卿CT)、メラグラーナ(オーシャンS)といった日本の高速馬場にも適応した産駒が出ています。

「ガリレオ系×デインヒル系」という配合は名馬フランケル(14戦全勝でソウルスターリングやモズアスコットの父)と同じ。この配合パターンはヨーロッパで大量の名馬を誕生させています。ショックアクションは近い世代にガリレオ、デインヒル、ストームキャットを併せ持つのでモズアスコット(安田記念、フェブラリーS)と似ています。グレンイーグルス産駒は現3歳が初年度産駒。日本向きなのでこれから輸入馬が増えそうです。

・8/30 キーンランドC(GIII・札幌・芝1200m)
 後方を追走したエイティーンガールが大外から差し切り、初めての重賞タイトルを手にしました。母方にサンデーサイレンスとウッドマンを併せ持つヨハネスブルグ産駒、という配合パターンはニックスで、これまでに本馬を含めてわずか8頭からホウライアキコ(デイリー杯2歳S、小倉2歳S)、タガノブルグ(NHKマイルC-2着)、フェブノヘア(2勝クラス)など5頭の勝ち馬が出ています。

 本馬はファミリーも優秀で、2代母センターライジングがサンスポ賞4歳牝馬特別(GII=現在のフローラS)を、3代母ダイナオレンジが新潟記念(GIII)を勝っています。ダイナオレンジはオークス馬シャダイアイバーの全妹でもあります。末脚勝負型ながら道悪を得意とし、平坦コースに向く血統でもあるので、それが今回、吉と出ました。ただ、地力が強化されているのも間違いありません。展開が向くようならスプリンターズSでも馬券圏内に入る可能性があるでしょう。

今週の血統注目馬は?


・9/5 桜島S(3勝クラス・小倉・ダ1700m)
 登録馬の父のなかで小倉ダ1700mに強い種牡馬はオルフェーヴル。連対率32.1%は、2010年以降、当コースで産駒が20走以上した128頭の種牡馬のなかで第2位。このレースに登録のあるオルフェーヴル産駒はグアンとマルシュロレーヌの2頭。過去、小倉ダ1700mで6回走って[1-3-0-2]。ハンデ戦とはいえ昨年夏にはひとつ上のオープンクラスで2着した経験があります。叩き3戦目で走りごろでしょう。

今週の血統Tips


 8月終了時点でJRA2歳種牡馬ランキングは、1位モーリス、2位ドゥラメンテ、3位キズナ、4位エピファネイアの順。新しい種牡馬は繁殖牝馬に恵まれるため上位に来やすいのですが、最近はその傾向が顕著で、今年は新種牡馬が1、2位、2年目の種牡馬が3、4位です。勝利数トップはドゥラメンテの9勝。8月終了時点でトップの種牡馬が10勝に満たないのは2014年以来のこと。

 今年は特定の種牡馬に偏らず幅広く勝ち上がっており、上位勢は戦力拮抗で毎週順位が入れ替わっています。9月以降、高額賞金レースが増えます。特別や重賞でいい競馬ができないようではランキングは上がりません。新種牡馬のモーリスとドゥラメンテは、血統的には晩成傾向が見られるので、秋になれば賞金加算が加速するでしょう。常勝ディープインパクトも秋競馬に大物をデビューさせてきます。現時点では何が抜け出すのかまったく分かりません。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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