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【新潟記念予想】ハーツクライ産駒最強世代馬の復活に期待

  • 2020年09月05日(土) 18時00分

53キロのワーケアも充分魅力的だが…


 6月第一週から「3歳以上」となった古馬一連の重賞路線。しかし、現3歳世代は出走した馬が非常に少なく、ここまで【0-0-0-7】。好走例がない。

 秋の重賞路線スタートを前に、3歳牡馬ワーケア(父ハーツクライ)が古馬に挑戦する。2018年に日本ダービー5着のブラストワンピース(54キロ)が完勝したレースであり、鞍上ルメールで、軽量53キロは大きな魅力。好勝負可能だろう。ただ、ハーツクライ産駒は、のちにジャパンCを制したスワーヴリチャード(3歳秋にAR共和国杯1着)は例外で、本物に育つのは4〜5歳になってのケースが大半。

 それが最大長所の成長力だが、大成したシュヴァルグラン、引退を前にした5歳後半にGIを3連勝したリスグラシュー、4歳秋からビッグレースを4連勝したジャスタウェイ、さらには5歳のこの夏に本物になったタイムフライヤーなど、2-3歳時の世代限定重賞は勝っても、古馬混合重賞は最初のうち勝ち切れない馬が多い。停滞期を経たあと、やがて本物となる成長カーブを描くケースが多い。

 凡走は覚悟で、ベテラン6歳のハーツクライ産駒サトノクロニクルの逆転快走に期待したい。2014年生まれのハーツクライ産駒は「スワーヴリチャード、リスグラシュー、USAのYOSHIDA、アドマイヤミヤビ、マイスタイル…」など 、もっとも多くの活躍馬が含まれる最強世代であり、3歳秋に早くも古馬相手のチャレンジCを制したサトノクロニクルもこの世代の1頭になる。

 4歳後半から1年6カ月もの長い脚部難休養があったため、復帰後は【0-0-0-4】だが、目黒記念の0秒7差、前々走の0秒6差は残り1ハロンまでは復調気配を示す争覇圏だった。距離2000mは1分58秒6のチャレンジC1着と、小倉記念を1分57秒4の2着。2戦して凡走はなく、狙いを定めていたこの距離での復活がある。

 母トゥーピーは近年の輸入馬だが、この牝系は不思議。4代母チャーミングドールの父ドン、5代母の父ボールドリック、6代母の父ラヴァンダン。3代も連続してみんな輸入種牡馬であり、渋いローカル重賞に合っていた。

 ハーツクライの母アイリッシュダンス(父トニービン)は、当時は右回りながら95年の新潟記念を勝っている。もし復活するならここだろう。目黒記念時より好気配のゴールドギア、本格化なったブラヴァス本線に、手広く流したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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