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【京成杯AH予想】格よりも勢い重視で手広く買うのが正解!

  • 2020年09月06日(日) 18時00分

■京成杯オータムH(GIII・中山芝1600m)フルゲート16頭


★3行でわかる! 京成杯オータムH 攻略の糸口

1.人気馬は絡むがいいカンジで荒れる。中穴狙い推奨。
2.枠番はフラット化が進行。開幕週でも差し優勢の傾向。
3.格よりも勢いのレース。勝つのは前走芝マイル組以外

データ特注推奨馬
 ★アフランシール

 サマーマイルシリーズの最終戦に位置付けられている、京成杯オータムH。馬券絡みした馬の70%を6番人気以内馬が占めているように、人気サイドの信頼度はけっこう高い。しかし、順当に決まるケースはきわめて珍しく、ギリギリ獲れそうなくらいの高配当で決まることが多い。2〜3番人気を軸に、相手は中穴をベースにやや手広く拾う──といった買い方が、うまくハマりそうなイメージである。

 内枠有利&外枠不利のイメージが強いコースだが、路盤改修以降はフラット化が進行。それでも、なんだかんだで内枠のほうが高信頼度ではあるのだが、外枠に入った馬を大きく割り引く必要はない。また、開幕週ながら差し優勢のレース傾向であるのも、必ず覚えておきたいポイント。「差し→先行」での決着を想定したい。

 また、前走で出走していたレースの「格」が問われないのも特徴で、前走GI〜GII組の成績はイマイチ。前走3勝クラスの馬が過去10回で4勝しているように、勢いのある馬を買ったほうがいいイメージだ。あとは、サマーマイルシリーズ組がなかなか勝てないのも、覚えておいて損はないはず。今年も関屋記念からのローテで多数が出走予定だが、この組は2〜3着にはきても1着にはこないことが多い。

 データ特注推奨馬は、今年唯一の「前走3勝クラス組」となりそうなアフランシール。どの程度の人気になるのか現時点ではサッパリ読めないが、前走芝1400m戦出走組も勝率の高さはなかなかのもの。津村ジョッキーが乗り替わり騎乗する予定であるのも、このレースに関してはプラスに働く。軽ハンデならば、なおさら面白い。

【コース総論】中山芝1600m Bコース使用

・コースの要所!

★上位人気の信頼度は並程度。7〜9番人気など穴目を狙ったほうが面白そう。
★イメージよりは外枠も来ているが、やはり内枠のほうが信頼度は高い傾向。
★上がり最速馬は好成績も、基本的には先行勢優勢。逃げ切りも非常に多い。





 1コーナーの横にあるポケットがスタート地点で、その後に外回りコースへの急カーブが待ち受ける、中山芝1600m。バックストレッチから3〜4コーナーまで急な下り坂が続くというのも大きな特徴で、さらに最後の直線には急坂と、高低差はかなりのものだ。トリッキーな中山でも、とくにクセの強いコースといえるだろう。

 そんなコース形態の影響もあってか、人気サイドの信頼度は「並」程度。3番人気以内馬の勝率はけっこう高いのだが、それに貢献しているのは1番人気ではなく、2〜3番人気のほうだ。あとは、7〜9番人気の好内容も目立っている。ふたケタ人気の超穴馬が総じてイマイチなので、穴を狙うならばここがイチオシとなる。

 次に枠番データ。コース形態からも内枠有利&外枠不利となって当然なのだが、中山の路盤改修以降はこの傾向がけっこう弱まっている印象。実際にデータを見ても、極端に外枠不利というイメージではない。なんだかんだで内枠のほうが信頼度は高いが、平均人気の差を考えると、外枠に入った馬でも問題なく買えそうだ。

 最後に脚質面だが、こちらは先行勢が優勢。上がり最速馬が素晴らしい成績を残しているように、中団からの差しも相応に決まるコースではあるのだが、トータルでみると前のほうが有利だろう。とくに目立っているのが「逃げ切り」の多さで、4コーナーを先頭で回った馬の勝率と単勝適正回収値の高さは、まさに文句なしである。

【レース総論】京成杯オータムH(GIII) 中山過去10回

・レースの要所!

★上位人気が強いが配当のつく組み合わせで決まりやすい。適度に荒れる印象。
★枠番は判断が難しいのでフラット前提。脚質はコースデータよりも差し優勢。
★4〜5歳馬が中心も7歳馬も侮れず。前走3勝クラス組が強い「勢い」のレース。
★信頼度と回収値の両方が高い距離短縮組を高評価。斤量減となる馬も魅力大。










 レースの平均配当は、単勝1080円、馬連1万2244円、3連複4万4609円と高めの水準。昨年も3連複3万9070円、3連単18万560円と高配当が出ている。人気サイドの信頼度が高く、馬券絡みした馬の70%を6番人気以内馬が占めているのだが、そのわりには配当がつくケースが多いのが、このレースの魅力。牝馬が強いことや、関東馬が8勝と大幅に勝ち越しているのも特徴といえるだろう。

 枠番については判断が難しい。信頼度が低いのは外枠である馬番13〜16番で、やはり外枠不利か──と思ってしまうが、平均人気も飛び抜けて低い。こういう結果が出て当然で、それでいてギャップ値は大幅プラスとなると、外枠不利とは断言しづらい。また、開幕週にしては内枠の内容がそこまでよくないというのも、理由のひとつである。おそらく、フラット〜やや内枠有利くらいの評価が適切だろう。

 そして脚質面だが、こちらも開幕週とは思えないほどに差し優勢。馬券に絡んだ馬の半数が、4コーナーを6〜10番手で回った中団待機組だった。最速上がりをマークした馬も好成績で、「イメージ以上に差せる」レースといえそう。昨年は思いっきり前残り決着だったが、基本的には「差し→先行」決着を想定して、馬券を組み立てたい。

 年齢別成績では、競走馬として脂の乗った4〜5歳馬が好成績。3歳馬が出走してくるケースもそれなりにあるが、こちらは可もなく不可もなしといったところか。侮れないのが7歳馬で、複勝率20.0%と信頼度がけっこう高いうえに、単勝適正回収値171.9、複勝回収値186と破壊力もバツグン。人気薄の7歳馬は要警戒である。

 前走クラス別成績からは、「格より勢い」のレースであるのが見てとれる。格上であるはずの前走GI〜GII出走組はイマイチな結果に終わっており、対照的に前走3勝クラス組は[4-0-0-2]と絶好調。また、前走関屋記念組などサマーマイルシリーズを使われてきた組が、なかなか勝てずにいるのも特徴といえる。ちなみに、出走数がもっとも多い前走関屋記念組は、[0-4-5-38]で連対率8.5%、複勝率19.1%という結果だ。

 前走距離別成績からも、サマーマイル路線が勝てていないのは明らか。前走芝1600m戦組はトータル[1-7-9-58]と、2〜3着は多いのだが1着は非常に少ない。内容のよさが目立っているのは、前走で芝1800m以上戦に出走していた距離短縮組。また、芝1400mからの距離延長組も、単勝適正回収値が277.9と非常に高い。こちらは、人気薄の一発を期待するのがよさそうである。

 ハンデ戦といえば気になるのが斤量。ここは軽ハンデ馬の激走率が高い印象で、前走からの斤量増減別データでも、斤量減となる馬がハッキリと強い。このあたりにも「格より勢い」のレースであるのが見え隠れしている。最後に騎手関連データだが、ハッキリと「乗り替わり>継続騎乗」であるのと、ホームである関東所属騎手が強いのが要所。最終判断に迷った際には、コレでふるいにかけてみるのも悪くない。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、ハービンジャー産駒、キングカメハメハ産駒、スクリーンヒーロー産駒、キンシャサノキセキ産駒がプラス評価の対象だ。最高評価は、高信頼度かつ高回収値なハービンジャー産駒。逆に、イメージよりもコース適性が低そうなのが、ダイワメジャー産駒。ロードカナロア産駒は、適性はあるのだろうが明らかに過剰人気なので、取り扱いに注意したい。

★出走予定馬 総論×各論

 まずは事情説明から。本来はGIIのセントウルSを取りあげるべきなのだが、今年は阪神ではなく中京開催で、過去のデータがまったく参考にならない。そういった事情で、京成杯オータムHのほうを取りあげた次第だ。今年は変則開催が多く、こういったパターンが多くなりそうなので、あらかじめご了承いただきたい。

 とはいえ、こちらも馬券的にはかなり面白い一戦。フルゲート16頭に対して、本稿執筆時点ではピッタリ16頭が出走の意向を表明している。特別登録の段階で少し増えるかもしれないが、大きく減ることはあるまい。関屋記念3着からの巻き返しを期するアンドラステ、昨年の覇者であるトロワゼトワル、古馬混合重賞に照準を定めてきた3歳馬のスマイルカナとルフトシュトロームなどなど、じつに悩ましいメンバー構成だ。

 トップ評価は、冒頭でデータ特注推奨馬にもあげているアフランシール。収得賞金が2400万円と危なっかしいが、このままいけば出走可能だろう。このところは芝1400m戦を主体に使われているが、マイル戦も守備範囲。先行勢が少なく、落ち着いたペースとなりそうなのも、この馬にはプラスに働くはずだ。実績的には格下ながら、狙ってみる価値は十分ある。

 二番手評価にトロワゼトワル。昨年はこのレースで、1分30秒3というスーパーレコードをマークしている。関屋記念でも2着に逃げ粘ったように、自分の競馬ができるかどうかが超重要というタイプ。スマイルカナがどう出るか次第ではあるが、うまく兼ね合えば昨年の再現もありうる。昨年と同様に横山典騎手が乗り替わり騎乗予定なのも、評価が高くなった理由のひとつだ。

 三番手評価にボンセルヴィーソ。前走のパラダイスSはいいところなく10着に終わったが、これは不良馬場の影響が大きかったか。4月のダービー卿CTでは13番人気で2着に激走。さらに年初の京都金杯でも14番人気で3着と、良馬場のマイル戦では続けて穴をあけている。ならば二度あることは三度ある──で、展開が向きそうなここは見直す価値アリ。7〜9番人気あたりになれば、なおさら面白そうだ。

 以下はラセット、アルーシャ、アンドラステ、フィリアプーラ、スマイルカナ、ストーミーシーという評価の序列。とはいえ、枠番やハンデといった重要ファクターを加味していないので、最終的な評価はここから大きく入れ替わることだろう。どういった馬場バイアスなのかも、土曜日のうちにしっかり見極めておきたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



単勝15.5倍的中!

臨機応変で珍しく成功ッ(*^ω^)♪

 トップ評価は01ダイアトニックでしたが、不利な内枠(しかも最内)に入ったことや、当日のタフな馬場状態、土曜日から1番人気が全敗している状況などから、当コラムの馬券は素直に買わないほうがいいな……と判断。事前高評価だった「真ん中よりも外の中穴」主体で5頭を選んで、その単勝を買ってみたわけデスヨ。

 これが綺麗にハマって、最後方からの競馬となった14エイティーンガールが快勝。もう、完全に馬場バイアスが結果を決めるレースになっちゃいましたね。5点買いなので破壊力には欠けますが、分析結果がおおむね当たってたのもうれしいかぎり。もうね、ポテンヒットでいいんすよ今の俺は(ガチ金欠)。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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