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孫の重賞初制覇に期待はさらに膨らむ

  • 2020年09月07日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・9/6 新潟記念(GIII・新潟・芝2000m)
 外から伸びたブラヴァスが逃げ粘るジナンボーをアタマ差交わし、初の重賞制覇を成し遂げました。母ヴィルシーナはヴィクトリアマイルを連覇した名牝で、三冠レースはいずれもジェンティルドンナの2着。全妹に秋華賞とドバイターフを勝ったヴィブロス、半弟にジャパンCを勝ったシュヴァルグランがいます。2代母ハルーワスウィートはこれら3頭のGI馬の母となり、孫の代からも重賞勝ち馬を出したことになります。

 現代の名牝――たとえばエアグルーヴ、トキオリアリティー、シーザリオ――は、産駒成績が傑出しているだけでなく、孫の代からも重賞勝ち馬を出しました。ハルーワスウィートはそれらの仲間入りを果たしたことになります。ブラヴァスの弟や妹、そして順調ならば2022年にデビューするヴィブロスの仔も大いに期待できるでしょう。

・9/5 札幌2歳S(GIII・札幌・芝1800m)
 好位を追走したソダシが早めに抜け出し、ユーバーレーベンの追撃をクビ差抑えました。純白の馬体は芦毛ではなく“白毛”。2代母シラユキヒメが突然変異で白毛となり、それが母ブチコに伝わり、さらにソダシに受け継がれたわけです。白毛馬の重賞制覇は昨年のレパードSを勝ったハヤヤッコに次いで2頭目。ソダシとハヤヤッコは、父と母の父(クロフネとキングカメハメハ)が逆で、2代母が同じくシラユキヒメ。したがって血統的な組成はほぼ同じです。

 日曜日の小倉2歳Sを制覇したメイケイエール(父ミッキーアイル)は、白毛ではないものの、シラユキヒメの牝系から誕生しています。母シロインジャーの白毛が伝わらず、父ミッキーアイルの鹿毛を受け継ぎました。このファミリーは“白毛”という話題性がなくとも、いまや名牝系として通用するだけの活力を備えています。今年の2歳世代はソダシ、メイケイエールを含めて3頭の新馬勝ち馬が出ており勢いがあります。POGや一口でも要注目です。

今週の血統注目馬は?


・9/12 セプテンバーS(3勝クラス・中山・芝1200m)
 登録馬の父のなかで中山芝1200mに強い種牡馬はハービンジャー。現役時代はヨーロッパの芝12ハロン路線で活躍した名馬で、ブラストワンピース、ディアドラ、ノームコアといった代表産駒を見ると、中山の芝短距離戦に強いイメージはまったく湧きません。

 しかし、連対率34.6%は、2010年以降に当コースで産駒が20走以上した75頭の種牡馬のなかで第2位。このレースには産駒のナンヨーアミーコが登録しています。過去、中山芝1200mで9回走って[2-1-2-4]。今週は開幕週ですが、週末は天候が下り坂なので、この馬が得意とする少し時計の掛かる馬場になる可能性があります。

今週の血統Tips


 日本時間の9月6日朝、米ケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場で行われた第146回ケンタッキーダービーは、大本命馬ティズザローの追撃を抑えて3番人気のオーセンティックが逃げ切りました。新型コロナの影響で開催が4ヵ月遅れたため、単純に過去のレースとの比較はできませんが、勝ちタイムの2分00秒61は優秀で、2000年以降では01年にモナーコスが記録した1分59秒97に次ぐ2番目の好タイムです。遅生まれ(5月5日)なので、レースが延期されていなければ勝つのは難しかったかもしれません。

 父イントゥーミスチーフは昨年の米リーディングサイアーで、今年も2位を引き離してトップを快走しています。同じ父を持つガミーンは、圧倒的な人気を背負ってダービー前日のケンタッキーオークスに出走したものの、厳しいマークに遭い3着と敗れました。オーセンティックはそのリベンジを果たしたことになります。

 ストームキャット系は、シャマーダルが出たジャイアンツコーズウェイの分枝、スキャットダディやヘニーヒューズが出たヘネシーの分枝、ドレフォンが出たテイルオブザキャットの分枝など多彩な拡がりを見せていますが、このところイントゥーミスチーフの活躍でハーランの分枝が存在感を増しています。イントゥーミスチーフと同じくハーランズホリデーを父に持つシャンハイボビーは、2019年から新ひだか町のアロースタッドで供用されています。いずれイントゥーミスチーフの仔も導入されるのではないでしょうか。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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