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【紫苑S・京成杯AH・セントウルS予想】今週から秋競馬スタート!!有力馬の最終追い切りをチェック!

  • 2020年09月10日(木) 18時00分

人気上位では最も信頼できる一頭とは?!


 今週から中山、中京での秋開催がスタート。私が開催替わりの週に必ず行うデータ整理に「厩舎適性」というものがあります。検証は単純で、その季節期間のコース条件において、優秀な成績を残している厩舎は無条件で「適性あり」と判断するというもの。たとえば、夏開催であれば、小倉ダート1700mにおける橋田満厩舎が素晴らしい激走を見せました。

 先週の桜島S。勝ったのはマルシュロレーヌでしたが、2着が橋田厩舎の13番人気クリノフラッシュ。昨年までの過去3年で[2-0-2-6]、単勝回収率254%、複勝回収率260%という数字以上の激走だったと思います。その翌日に行われた3歳未勝利では11番人気スズカサウスソングが逃げて見せ場十分のレース内容。結果は7着でしたが、番手の仕掛けがもう少し遅ければ、馬券圏内の可能性も十分でした。

 調教適性では拾うことができなかった人気薄を押さえることができるのが、この厩舎適性。秋開催中山でおすすめは芝2200mの大竹正博厩舎。2017年からの3年で[2-1-1-0]で複勝率100%、単勝回収率345%、複勝回収率237%ですが、この4走がすべて別馬。1頭が複数回好走する場合は個体としての適性を評価すべきですが、これは明らかに厩舎適性がある成績ということになります。

【紫苑S/スカイグルーヴ】

 新馬勝ちのインパクトはもちろん、横綱競馬のようなレースぶりで2着だった重賞の京成杯を思えば、前走フローラSが物足りない印象もあります。ただ、これに関しては、休み明けで追い切り本数が少なかったことがパフォーマンスの低下につながったという解釈をしています。

 今回も休み明けなので、追い切り本数の確認は重要。6本は必要最低限という私基準ですが、その中身はやや物足りなさがあります。うち1本が坂路4F65.2秒と普通キャンターに近いものですし、1週前追い切りの南Wでの併せ馬が遅れ。先行していて、後ろを待つために引っ張る場面があったといえ、手綱を緩めてからの反応はひと息。最終追い切りこそ、しっかり動きましたが、全体としては7分程度といったところではないでしょうか。

【紫苑S/ウインマイティー】

 レース間隔が詰まっても、追い切り本数をしっかりと消化して結果を出す。そんなタイプだけに過去の休み明け、エルフィンSが最も大きく崩れた着順というのも納得できます。ちなみにデイジー賞、忘れな草賞の連勝とオークス3着時の最終追い切りは坂路で併せ馬に先着するという内容でした。

 それが今回は最終追い切りがCWで単走。最終追いが単走というのは未勝利勝ちと同じなので、特に気になりませんが、問題は馬場。CWでの最終追いはエルフィンS以来となります。時計は速く、動きも機敏なので、見た目には全く問題なさそうなのですが、このパターン変化をどう捉えるか。個人的には過去の休み明けと照らし合わせて、あまり高い評価はできません。

【紫苑S/シーズンズギフト】

 デビューから4戦、すべて追い切りは馬なりという徹底ぶり。休み明けだった若竹賞は少ない本数での勝利。いかにも牝馬の軽めタイプといった調教内容ですから、今回の休み明けもむしろ歓迎すべきパターンなのかも知れません。

 調教内容としては8月中旬から坂路で時計を出しており、十分すぎるくらい。3週前と2週前追い切りでは初めてとなる坂路4F52秒台をマークしていますし、最終追い切り南Wでの動きは軽快そのもの。時計的にも文句ありませんし、これまでの中山実績を考えても、人気上位では最も信頼できると思っています。

【京成杯AH/アルーシャ】

 あくまでも個人的な意見ですが、55キロのハンデは昨年の覇者トロワゼトワルと同斤量。いくらオープン勝ちが2つあるとはいえ、牡馬換算57キロのトップハンデタイとはかなり高い評価を受けているんだなあという印象です。それゆえにここでの判断を慎重に行いたいところですが、正直、今回の調教内容が難しい。

 というのも、まずオープン2勝はいずれも最終追い切りが坂路。どちらも左回り芝1400mなので、そことのマッチングもあったと思いますが、全6勝のうちでも4勝が坂路ですから、今回の南Wでの最終追いが判断に迷うところ。また、1週前追い切りが南Wで併せ馬に遅れていますが、遅れている時には勝っていないということもあります。一見すると本数十分にも思えますが、時計自体は遅めも多く、あまり高い評価はできないと考えています。

【セントウルS/タイセイアベニール】

 サマースプリントシリーズはCBC賞4着、北九州記念9着。勝ち馬からの着差は変わらないものの、着順自体が下がっていることを思えば、やはり前走は調子落ちだったというのが個人的な判断。その理由が最終追い切り坂路での4F目の減速ラップですが、今回もそこは変わりありません。

 具体的な数字としては、3F目12.2秒からの4F目12.6秒。0.4秒遅くなったわりには、ラチへもたれていく度合いは前走時よりもマシに思えましたが、周囲に馬が少ないあの状況ですから、このもたれは気になります。中2週でこの追い切りしかないという点でも前走からの上昇というのはちょっと見込みにくい調教内容です。

◆次走要注意

・9/6 新潟記念【カデナ】(6人6着)

 上がり32.3秒でメンバー中2位の速さを使っているものの、道中がほぼ最後方で58キロという斤量ならこの着順が精一杯。あらためて、栗東坂路での2F時計が25秒を切れば、走ることができる状態にあると確信しました。これから重賞でまだまだ活躍できると思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切り坂路2F25秒以下なら勝ち負け。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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