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【オールカマー予想】波乱の気配は微塵もナシ!

  • 2020年09月21日(月) 18時00分

■オールカマー(GII・中山芝2200m)フルゲート17頭


★3行でわかる! オールカマー 攻略の糸口

1.馬券絡みした馬の93.5%が6番人気以内。メチャ堅い一戦。
2.前走GIで6着以下の馬が巻き返す。4〜6番人気なら絶好。
3.継続騎乗組関東所属騎手「以外」が強い。早生まれも○。

データ特注推奨馬
 ★フィエールマン

 オールカマーは、順当決着傾向が非常に強いレース。馬券絡みした馬のなんと93.5%が、6番人気以内馬によって占められている。少頭数で開催された年が多いのも影響しているとは思うが、7番人気以下馬がトータル[1-0-1-70]で連対率1.4%というのは、それを考慮しても低調な結果。人気薄から流す馬券で高配当を狙うのはナンセンスで、今年も堅く決着するという前提で考えるべきだ。

 強調したいのが「勢いよりも格」のレースであるということ。夏競馬を使われてきた組もそれなりに出走するが、ここは夏を休養にあてていたGI級の実績馬が、圧倒的な強さを見せている。前走の「格」がそのまま結果に繋がっている印象で、前走がGIIIやオープン特別だった馬は、その時点で厳しい。狙ってオイシイのは「前走GIで6着以下に終わっていた馬」で、この組があっさり巻き返してくるケースが多い。

 あとは、継続騎乗組と関西所属騎手&外国人騎手が非常に強いのも、重要なポイント。ここまで継続騎乗組が強いレースというのは、近年ではかなり珍しい。鞍上が乗り替わる馬は、大幅な割引が必要だろう。データ特注推奨馬は、いたって素直にフィエールマン。前走GI組でルメール騎手が継続騎乗予定、実績的にも格上でディープインパクト産駒であるのもプラスと、買い材料の多さは文句なしだ。

【コース総論】中山芝2200m Cコース使用

※今回は「Cコース」に限定したデータを掲載しています

・コースの要所!

★1番人気が2〜3着に取りこぼすケースが多い。4〜6番人気を1着で狙いたい。
★センター枠番が非常に強いコース。内枠に入った馬は人気でも過信は禁物。
★差せるが基本的には先行勢優勢。勝ち負けには中団より前の位置が必要か。





 中山芝2200mのコースデータは、先週セントライト記念で取りあげたばかり。まったく同じ内容を2週にわたって掲載するのは心苦しいので、今回は今週から始まる「Cコース」に限定したデータを掲載している。データ母数が少ない「参考データ」ではあるが、先週の内容を読み返していただき、今回と比較してもらうのも面白いはずだ。

 まずは人気別成績から。コース全体では人気サイドが非常に強いという傾向で、それ自体はCコース限定でも大きくは変わらない。ただし、1番人気の勝率だけは不思議なほど低く、[2-11-2-10]で勝率8.0%と2着に取りこぼすケースの多さが目立つ。ここは、1〜3番人気と互角に張り合っている、4〜6番人気を1着で狙う馬券がオススメである。

 次に枠番だが、全体成績でも目立っていた「センター枠番の強さ」は、ここでも健在。その信頼度は頭ひとつどころか、二つも三つも抜けている。回収値の高さも文句なしだ。内枠と外枠で信頼度には大きな差はないが、平均人気の差を考えると、内枠である馬番1〜6番の内容はもの足りない。枠番の評価順は「中>>外>内」といったところで、内枠は少し割り引いて考えるのがよさそうだ。

 最後に脚質面。最速上がり馬が好成績であるように差せなくはないが、優勢なのは先行勢だ。回収値の差を見ればわかるように、人気薄で馬券絡みを果たした馬は、圧倒的に先行勢が多い。そして、後方に置かれた馬が[2-0-1-84]と大不振であるのは、コース全体の傾向とまったく同じ。中団より前のポジションからでなければ、勝ち負けに持ち込めないコースといえるだろう。

【レース総論】オールカマー(GII) 中山過去10回

・レースの要所!

★馬券に絡んだ馬の93.5%が6番人気以内。順当決着傾向が非常に強いレース。
★枠番は勝率が高いのは外、複勝率が高いのは内との傾向だが判断が難しい。
★コースデータ以上に先行勢優勢で、前走の「格」が問われる一戦でもある。
★前走6着以下馬の巻き返しを警戒。継続騎乗組や関西所属騎手の強さも目立つ。










 レースの平均配当は、単勝850円、馬連1812円、3連複3864円という驚異的な低さ。それもそのはずで、馬券に絡んだ馬のじつに93.5%が、6番人気以内馬によって占められているのだ。7番人気以下馬の成績は、トータル[1-0-1-70]で連対率1.4%、複勝率2.8%、複勝回収値13という惨憺たるもの。4番人気→3番人気→6番人気で決まった昨年は、かなり荒れたほうなのである。

 当然ながら穴狙いは厳しいが、回収値が高い4〜6番人気から入る馬券で勝負するのは面白そう。Cコース限定のコースデータでも強かったゾーンなので、ここを1着に固定した買い目ならば、意外に悪くない配当にもありつけそうだ。いずれにせよ、ふたケタ人気を1〜2着で狙うような馬券はここではナンセンス。あって小波乱程度だろう。

 次に枠番データだが、これは結論を出すのがなかなか難しい。いっけん内枠が強そうに見えるが、少頭数で行われたレースが多く混じっていることや、平均人気差の大きさ、勝率の低さなどから、内枠のほうがいいとは言い切れない。枠番はあまり気にせず、勝率が高いのは「外」で、複勝率が高いのは「内」という傾向を覚えておく程度でいいだろう。

 脚質面は、コースデータ以上に先行勢が優勢。逃げた馬がそのまま残るケースも、それなりに出ている。「差せなくはないが後方に置かれるとアウト」というのは、コースデータ通りの結果。やはり、ある程度は前のポジションが欲しい。そして年齢別成績では、4〜6歳馬が互角に張り合っているイメージ。7歳以上の高齢馬になると信頼度がガクッと落ちるので、こちらは評価を割り引いたほうがいい。

 前走クラス別成績では、前走が中央GIや海外G1だった「格上」が素直に強いという結果が出ている。夏を休養にあてていたトップクラスがここから始動する場合は、素直に信頼すべきだ。そして意外なのが、単勝適正回収値127.0、複勝回収値111と、この組の回収値が非常に高いこと。つまり、前走でGIに出走して大敗していた馬が、ここで人気を落とすも巻き返してくる──といったパターンが多いのである。

 それを証明しているのが、前走での人気&着順別でのデータ。単勝適正回収値が高いのが、前走10番人気以下馬や前走6着以下馬であるのが見てとれる。とくに狙い目なのが前走6着以下馬で、前走中央GI出走組に限ればトータル[4-3-0-6]で勝率30.8%、連対率53.8%という信頼度の高さ。昨年の1着馬スティッフェリオ、2017年の勝ち馬ルージュバックなどは、その好例といえる。

 理由がよくわからない「アノマリー系」データから、今回は生月別の成績を取りあげている。バリバリの古馬に生月など何の関係もないはずだが、このレースは1〜3月に生まれたいわゆる「早生まれ」の馬のほうが、なぜか圧倒的に信頼度が高いのだ。最後の取捨選択で迷ったときには、ぜひ生まれ月をチェックしてみてほしい。

 最後に騎手関連データだが、これはかなり重視すべき。というのも、ここまで継続騎乗組がハッキリ強いレースというのは、昨今珍しいからである。また、ホームである関東所属騎手の成績がイマイチで、関西所属騎手や外国人騎手が大いに存在感を発揮しているのも、しっかり意識すべきポイントだ。

【血統総論】


 血統面は、ステイゴールド産駒、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、ドリームジャーニー産駒をプラス評価の対象とした。セントライト記念とは違って、内容がもっとも優秀であるステイゴールド産駒が、ここは何頭か出走してきそう。コース適性の高さはディープインパクト産駒以上と推測されるだけに、要注目である。

★出走予定馬 総論×各論

 フルゲート17頭に対して、本稿執筆段階で出走の意向が把握できているのは11頭。2019年のアメリカJCCを最後に休養に入っていたジェネラーレウーノ、2018年の菊花賞以来となるオウケンムーンなど、かなり久々の出走となる馬の姿もある。人気を集めるのは、天皇賞(春)を連覇したフィエールマンと、同3着馬であるミッキースワロー、京都記念以来となるカレンブーケドールあたりだろう。

 ちょっと気になるのが、先行勢の少なさだ。ハナを主張しそうなのが超久々のジェネラーレウーノしかいないメンバー構成で、流れがいかにも落ち着きそう。あとは、1番人気が予想されるフィエールマンがバリバリのステイヤーで、中山芝2200mが適しているとは思えないのにも、一抹の不安を感じる。こと展開面や適性に関してだけなら、フィエールマンよりもカレンブーケドールのほうが上だろう。

 ……といった前置きをしておいてアレだが、それでもデータ的には、フィエールマンのトップ評価は揺るがない。「前走GI組」とそれ以外では、信頼度に天と地ほどの差があるからだ。また、ほとんどの馬に関東所属騎手が騎乗予定であるなか、ルメール騎手が騎乗予定というのも非常に強い材料。さらにいえば「1月生まれ」でもある。仕掛けどころが問われる一戦となりそうだが、それでもこの相手関係ならば、順当に勝ち負けだ。

 二番手評価も、いたって素直にカレンブーケドール。詰めの甘さは否めないが、それでもこの馬が見せてきたパフォーマンスの高さは、紛れもなく一級品である。前述したように展開的な有利さが見込める一戦で、まだまだ成長途上の4歳馬であるのも大きな魅力。早め先頭から押し切るような競馬をすれば、待望の3勝目をあげられる可能性は十分にあるはずだ。

 三番手評価も順当にミッキースワロー。現役のなかでも指折りの中山巧者で、さらに昨年の2着馬でもある。中団で流れに乗れるようになってからは成績がグンと安定しており、それでいて末脚も確実。好相性の横山典騎手が引き続き手綱を握る予定であるのも、大きなプラス材料といえる。得意とする条件に替わって、今度はフィエールマンを逆転できる可能性もありそうである。

 以下は大きく離れて、クレッシェンドラヴ、ステイフーリッシュ。もう、どこまでいっても堅く決まる──というのが、現時点での見立てだ。馬券的な面白味には欠けるかもしれないが、こういうレースでキッチリと馬券をモノにするのも大事。個人的には、点数を極限まで絞りきった3連単で勝負したいと考えている。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



トップ評価馬を信用しすぎ(#^ω^)ビキビキ

 二番手評価だった10トロワゼトワルが1着で、三番手評価で13番人気という大穴だった02ボンセルヴィーソが3着に激走! しかし買っていたのは、トップ評価の09アフランシール(12着)から流した馬券ダケだったという(痛恨)。こういう「高配当を獲れる機会」を逃し続けてるから、コラム馬券が大赤字になるんだよなあ……嗚呼、メッチャ悔しい。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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