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【ローズS予想】本来の姿を取り戻した素質馬が秋に巻き返す

  • 2020年09月19日(土) 18時00分

当初は桜花賞目標も、長めの距離が合っていた


 GIを3連敗してすっかり評価の難しくなったリアアメリア(父ディープインパクト)をこの距離で再評価したい。

 1600mを2連勝して出発したが、新馬は超スローの「62秒1-34秒4」=1分36秒5。道中で行きたがったアルテミスSは我慢させて、再びスローで「61秒3-33秒0」=1分34秒3。期待の注目馬として最高のスタートに映ったが、ともに緩すぎるペースだったから3戦目でリズムが狂った。

 高速決着の予測されたGI阪神JFは、さすがに後方待機では無理と判断すると、一転、押っつけて追走することになったが、控えた2戦目より前半1000mを2秒8秒も速い「58秒5」で行きながら、あまりのペースの違いに最後方集団がやっと。厳しい追走になったため、伸びるどころか上がりは「35秒7」。前半57秒5で行って勝ったレシステンシアに1秒5も離される1分34秒2。時計短縮はならず、逃げた勝ち馬に上がりでも0秒5見劣ってしまった。リズムが狂い、気持ちが切れそうな完敗だった。

 立て直して桜花賞1600mに挑戦したが、完敗ショック後のぶっつけ本番で結果が出るわけもない。と同時に、快速系のマイラータイプではない特徴が見えてきた。

 大きく評価の下がったオークスは、中団から力強く伸びて2冠馬デアリングタクトと今度は0秒3差の4着。爆発力では完全に見劣ったが、ゴール寸前の大きなストライドは、素晴らしい素質馬と注目された本来のリアアメリアだった。最初、桜花賞を大目標にしていたが、長めの距離が合っていたのである。

 入念なこの夏の再鍛錬で、しなやかな動きと自信を取り戻している。2000mならリズムを崩さず追走できる。左回りはOK。ここで結果が出なければ、秋華賞でも無敗のデアリングタクトの脇役の1頭に甘んじるしかない立場になったが、牝馬も牡馬にとっても秋は逆転の1冠。巻き返しに注目したい。

 身体が成長し、前回の勝ち方が素晴らしかったフアナ、同じく成長した馬体でひと叩きしたフィオリキアリ、デゼルが強敵。穴馬にはセウラサーリ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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