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【セントライト記念予想】関連性からも軽視できないダービー組

  • 2020年09月20日(日) 18時02分

春の動きを取り戻した今回は真価が問われる


 菊花賞の歴史は大きく変化している。最近20年の菊花賞馬のうち、日本ダービー出走馬は半数以下の「9頭」にすぎない。春以降の上がり馬に相当する馬が「11勝」し、菊花賞は逆転の1冠となっている。

 ただ、セントライト記念組は最近20年間に、2001年マンハッタンカフェ、2015年キタサンブラックの2頭が菊花賞を制したにとどまり、次週の神戸新聞杯組が15頭を占めている。そのほかが3頭。

 したがって、こと菊花賞とセントライト記念の結びつきは希薄だが、過去10年のセントライト記念の連対馬20頭中、過半数の12頭は日本ダービー出走馬なので、「日本ダービーとセントライト記念」の関連が薄れているわけではない。

 今年、日本ダービー出走馬は「当時6着ガロアクリーク、11着サトノフラッグ、14着ヴァルコス」のわずか3頭だけ。夏の上昇馬にはもちろん要注意だが、5戦無敗のコントレイルなどと対決してきた3頭は軽視できない。

 ヴァルコス(父ノヴェリスト)は、その体つきも、血統背景も長距離型に近い。母はディープインパクトの半妹。クビ差2着に負けたが、青葉賞2400mの2分23秒0はこれまでのレースレコードを大きく上回っている。ここで快走するなら菊花賞の伏兵に浮上する可能性がある

 ガロアクリーク(父キンシャサノキセキ)は、3代母が仏2000mのG1サンタラリ賞の勝ち馬。4代母ゴールドリヴァーは4000mのG1カドラン賞を快勝し、凱旋門賞も制している。キンシャサノキセキ産駒は大半が父に似てスピード色が濃く、3000mの菊花賞となったら死角は生じるだろうが、この距離2200mに不安はない。日本ダービー最先着の総合力を評価したい。

 中心に考えたいのは、春の2冠を連続して人気で凡走したサトノフラッグ(父ディープインパクト)。完成途上で重賞を勝ったディープインパクト産駒は、そのあと不振に陥ることが珍しくなく、この馬もそれに該当する危険はあるが、皐月賞あたりから調子下降気味で、ちょっと全体のリズムが崩れていた。スタートが悪く流れに乗れなかった日本ダービーでは、馬自身が本気になれなかったようなところもあった。

 立て直して、少なくとも3月の弥生賞当時の動き、気配は取り戻している。菊花賞というタイプではないだろうが、今回の2200mで真価が問われる。楽々と抜け出した弥生賞の再現に期待したい。ぜひ、ここで巻き返したい。

 上がり馬で怖いのは、マイペースで行ける可能性大のバビット(父ナカヤマフェスタ)。父は稍重の宝塚記念2200mを勝った勢いに乗り、重馬場の凱旋門賞をアタマ差2着。ときに意外な大物を送るタイプの種牡馬だろう。

 ダートで素晴らしい勝ち方をしてきたダノンファスト(父キングカメハメハ)も、成長をうながすため、パワーアップのためにダート戦に出走していたが、3代母はダンシングキイ。祖母はダンスインザダークの全妹。本当は芝の方が合っている可能性大。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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