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【神戸新聞杯予想】断然の人気馬が快走するときの伏兵を探したい

  • 2020年09月26日(土) 18時00分

血統と実績から3頭に注目


 長いクラシックの歴史の中、無敗の春の2冠馬は「1951年トキノミノル、1960年コダマ、1984年シンボリルドルフ、1991年トウカイテイオー、1992年ミホノブルボン、2005年ディープインパクト」の6頭。このうち、のちに出走できた5頭の初戦は【4-1-0-0】。さらにシンボリルドルフ、ディープインパクトの2頭は無敗の3冠馬に突き進んでいる。

 今年のコントレイル(父ディープインパクト)はここまで5戦無敗。すべて上がり最速の完勝。距離も左回りもOK。父と同様にここで崩れる危険はごく少ない。こういう馬が崩れるときに大波乱が生じるが、それは今回ではないだろう。

 ただ、今年の相手は一長一短。断然の人気馬が快走するとき、相手には人気薄の伏兵が飛び込むのは良くあるパターン。伏兵を探したい。メイショウボサツ(父エピファネイア)は中京芝3戦【2-1-0-0】。距離2000mに2分01秒7の2歳コースレコードを持つ。

 父は、2013年の神戸新聞杯の勝ち馬。初年度産駒がまだ3歳なのに総合種牡馬成績15位に登場し、その3歳馬の世代別ランキングは3位。思われるよりずっと成績がいい。

 母シーザリオを通し、3代前にサンデーサイレンスが登場するのがエピファネイア。そこで産駒は4代前にサンデーサイレンスを持つ形になるから、サンデーサイレンスのクロスを狙った配合が多い。4戦無敗の2冠牝馬デアリングタクトも、ローズSで2着に突っ込んだムジカも、このメイショウボサツも、サンデーサイレンスの血量「4×3」になる。

 このクロスを持つ馬は多すぎて、もはや奇跡の血量とはいえないが、エピファネイア産駒の賞金獲得額上位16頭のうち、なんと14頭が「4×3」。1頭は「4×4」。残る1頭はサンデーサイレンスの父ヘイローの「5×5」である。この配合の正解はまさに望外で、エピファネイアは甦ったミニ・サンデーサイレンスと驚かれている。伏兵に入れたい。

 最内枠を引いたグランデマーレ(父ロードカナロア)は、2戦2勝とはいえ、ここは約10カ月ぶり。強気になれる臨戦過程ではないが、中山2000mを2歳コースレコードの1分58秒9で快勝した葉牡丹賞では、そのあと共同通信杯を勝った葉牡丹賞1番人気のダーリントンホール(2着ビターエンダー、4着マイラプソディ)を3着に沈めている。この枠なら果敢に行く可能性大。コントレイルが正攻法の先行策を取ってくれると、逆にマイペースがありえる。

 日本ダービー16着で今回は人気の圏外マンオブスピリット(父ルーラーシップ)は、外の16番枠で出負けし、「1分13秒5-1分10秒6」=2分24秒1のスローの流れに最後方追走。ほとんどレースをしていなかった。5月の京都新聞杯2200mでは、今回上位人気のディープボンド(父キズナ)とクビ差2着の同タイム2分11秒7。上がり35秒1は上回っていた。立て直した今回は、日本ダービー5着のディープボンドと差がない気がする。人気を考えれば買っても馬いいだろう。

 コントレイルには菊花賞に向けて好スタートを切り、崩れて欲しくないが、相手には人気薄の伏兵を探したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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