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【京都大賞典予想】多頭数の今年は2、3着が紛れそう!?

  • 2020年10月04日(日) 18時00分

■京都大賞典(GII・京都芝2400m外)フルゲート18頭


★3行でわかる! 京都大賞典 攻略の糸口

1.近年は波乱傾向が加速。多頭数ならば穴狙いもアリ!
2.コースは内枠有利&外枠不利。脚質は当日の馬場次第。
3.前走GI組を素直に高評価。穴馬もここから拾うべき!

データ特注推奨馬
★キセキ

 昨年の1着馬ドレッドノータス(11番人気)や2013年の1着馬ヒットザターゲット(11番人気)など、たまにドカン!と荒れる京都大賞典。堅く決まる傾向が強いレースだったのだが、以前よりも出走馬のレベルが低下している影響か、徐々に波乱傾向が強まってきている印象を受ける。少頭数で行われることが少なくないレースだが、今年のように多頭数となるならば、ひねって買うのも面白いと思われる。

 重視したいのがコースの傾向。これは京都の外回りコース全体に共通する傾向なのだが、イメージ以上に「内枠有利&外枠不利」なのだ。しかも開幕週で、超高速馬場だった場合には、前有利の傾向が強まるはず。こうなると、内枠から先行できる組が圧倒的に有利だ。差せる馬場であれば差し馬重視でもいいが、内外に関しては「かなり内有利」という前提で馬券を組み立てたほうがいい。

 前走GI組の強さを素直に信頼すべきレースであるのも、強調したいポイント。人気馬はもちろん、人気薄での激走馬も、前走GI組から多く出ている。面白いのが、6番人気以下馬は「前走でも低評価だった馬」のほうが活躍しているという点。具体的には、「前走GIで10番人気以下→今回6番人気以下」というパターンの馬が、よく穴をあけている。

 データ特注推奨馬はキセキ。6歳馬であるのが割引だが、それ以外は買い材料の多さが目立っている。組み合わせ的に、先行有利の展開になりそうなのも福音だ。また、高速馬場になった場合も有利で、実績的にも格上なのだから、ここは素直に「買い」が正解となるはず。開幕週から極端な差し馬場にでもならないかぎり、有力なのは間違いない。

【コース総論】京都芝2400m外 Aコース使用

※今回は京都芝2200m外と芝2400m外の2コースを集計対象としています。

・コースの要所!

★1着は人気馬のシェアが高いが、2〜3着は意外に紛れる印象。ヒモ荒れ注意。
★明らかに内枠のほうが有利。「真ん中よりも内」を引けるかどうかの勝負。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。あとは開幕週の影響がどう出るか次第。





 データ母数の不足を補うために、今回は京都芝2200m外と京都芝2400m外の2コースを集計対象としている。この両者は、スタート地点が正面スタンド前か、4コーナー奥のポケットかという違いしかなく、最初のコーナー進入までの距離も十分。よって、出てくる傾向にも大きな違いはないという前提である。

 まずは人気別成績だが、1番人気の信頼度はそれほど高くはなく、上位人気ならば2〜3番人気を狙ったほうが面白そう。また、1着馬のほとんどが3番人気以内で、アタマは堅い傾向にあるのも覚えておきたい。ただし、2〜3着のヒモはけっこう紛れる印象で、10〜12番人気あたりも十分に買える内容。いかにもヒモ荒れしそうなコース条件である。

 次に枠番だが、これは明らかに内枠有利&外枠不利。単純に内外で比較したデータにおいても、信頼度には極端なほど大きな差が見受けられる。さらに回収値も明らかに「内>外」とあっては、外枠の不利を疑う余地ナシ。人気馬であっても、外枠では信頼できない。ここは徹頭徹尾、内枠重視の姿勢を貫きたい。

 最後に脚質面だが、こちらは先行勢と中団待機組の成績が拮抗。クラスが上がるとやや差し優勢の傾向になるだろうが、問題は開幕週だということだ。いきなり超高速馬場でも出現した場合には、圧倒的に「前」有利と化すだけに、土曜日のレース結果チェックは欠かせない。前が有利か後ろが有利かは、馬場バイアス次第といえる。

【レース総論】京都大賞典(GII) 過去10年

・レースの要所!

★波乱傾向は弱いが、たまにドカン!と荒れる。多頭数ならば穴狙いもアリか。
★枠番については判断が難しいのでコースデータを信頼。内枠有利&外枠不利。
★脚質面はコースデータよりも前が優勢。年齢別では4歳馬と5歳馬を高く評価。
★前走GI組が素直に強く穴馬もこの組を狙うのが正解。生産牧場も要チェック。










 レースの平均配当は、単勝3016円、馬連1万7202円、3連複4万2386円と非常に高い水準にある。一昔前はかなり堅く決まるレースで、現在でも「基本的には」堅め決着傾向ではあるのだが、荒れたときの爆発力は相当なモノだ。この平均配当の高さは、ゴールドシップが一本かぶりで負けた2013年(11番人気ヒットザターゲット勝利で単勝166.2倍)の影響が大だが、昨年も11番人気が1着。多頭数ならば穴狙いもアリな一戦と化している。

 人気別では、連対率が26.7%と1〜3番人気とまったく変わらない、4〜6番人気が狙い目となるか。トータル[2-6-3-19]と勝利数こそ少ないが、複勝率や複勝回収値の高さは文句なし。あとは、7番人気以下になると信頼度が一気に低下して、狙いを定めるのが非常に難しくなるのを覚えておきたい。

 枠番データでは、内枠である馬番1〜4番と、外枠である馬番13〜16番が好内容。ただし、コースデータであれほどハッキリと「内枠有利」を結論づけられる以上、レースにおける外枠の好成績はイマイチ信頼できない。ここはコースデータを信頼して、内枠有利&外枠不利という前提で、馬券を組み立てるのをオススメする。

 脚質データは、コースデータよりも先行勢が優勢。逃げて勝った馬こそいないが、前々でレースを進めた馬のほうが信頼度は明らかに高い。その裏付けとなるのが上がり3F順位別での成績で、複勝率トップは「上がり3位」だった馬である。差しが決まらないわけではないが、開幕週でもあり前重視の姿勢のほうが好結果を呼び込めそうだ。

 年齢別では、4歳馬と5歳馬の強さが目立っている。いずれも複勝率30%オーバー、複勝回収値100オーバーという素晴らしい内容で、不振な結果に終わっている6歳馬とは好対照。7歳馬は意外に侮れなかったりするのだが、基本的には「若い馬のほうが強い」レース。今年も、4〜5歳馬が中心となるのは間違いない。

 前走クラス別成績からは、前走GI組の優秀さが見てとれる。主に前走宝塚記念組だが、信頼度の高さは他とは比較にならないほどで、複勝回収値も意外なほどに高い。この要因となっているのが「前走GIで10番人気以下だった馬」の激走で、今回も人気薄だったとしても軽視は禁物。ここでの人気薄は、前走でも同じく低評価だった馬のほうがよく走る傾向にあるのだ。

 ひねった系のデータからは、生産牧場別での成績を紹介しよう。一目瞭然なのが、ノーザンファームや社台ファームといった「社台グループ」の生産馬が、勝ちきれていないこと。複勝率は非常に高く、2着や3着に好走するケースは多いのだが、勝ったのは過去10年で5回だけ。単勝適正回収値の差から考えるに、1着馬に関しては「社台グループ軽視」のスタンスのほうが面白そうだ。

 最後に騎手関連データ。一応は継続騎乗組のほうが好成績ではあるのだが、馬券に絡んだ回数自体は、乗り替わり組とまったく同じ。つまり、強い買い材料がある馬であれば、乗り替わり組でも問題なく買えるレースということだ。あとは、騎乗数こそ少ないが、関東所属騎手が奮闘しているのも見逃せない。「関西馬×関東所属騎手」という組み合わせならば、押さえておいて損はない。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、ステイゴールド産駒、ルーラーシップ産駒、オルフェーヴル産駒をプラス評価の対象とした。なかでも素晴らしい適性の高さを見せているのがオルフェーヴル産駒で、その信頼度は非常に高い。それでいて、単勝適正回収値132.3、複勝回収値123と爆発力も十分にある。あとは、ルーラーシップ産駒も要注目の存在。血統だけで買えるレベルの内容だ。

★出走予定馬 総論×各論

 少頭数となる年が少なくない京都大賞典だが、うれしいことに今年は多数のエントリーが見込めそう。現時点で出走の意向が把握できている馬だけでも17頭と、数はかなり揃っている。前走宝塚記念組だけでも、2着馬のキセキや17着大敗からの捲土重来を期するグローリーヴェイズ、この条件が大得意であるダンビュライトと、3頭が出走を予定。キングオブコージ、パフォーマプロミス、バイオスパークあたりも侮れない。

 トップ評価は、データ特注推奨馬にあげたキセキ。まだ気性面の危なっかしさは残るが、早めからマクリ上げる競馬での宝塚記念2着は大きな収穫。ゲートが五分ならば逃げるケースもありえるが、その場合でも競りかけるような馬は見当たらず、楽にマイペースに持ち込める。高速馬場になっても何の問題もなく、実績も上位。このメンバー構成ならば、勝利の美酒を久々に味わうこともできそうな雰囲気である。

 二番手評価に、オールカマーから中1週で出走するステイフーリッシュ。矢作厩舎らしい使い方だが、それができるのもデキがいいからこそ。中山芝ではすべて馬券絡みしているように、コース適性も非常に高い。典型的な「相手なりに走るタイプ」なので勝てるかどうかは何ともいえないが、ここでも上位争いが可能であるのは間違いなし。鞍上が乗り替わっても、とくに問題はないはずだ。

 三番手評価にダンビュライト。春シーズンは去勢手術明けの影響もあってかイマイチな結果に終わったが、昨年は京都記念で1着、京都大賞典でも2着と、このレース条件に対する高い適性を見せていた。前のポジションを取れるという強みもあるだけに、まだまだ見限れない。能力的な衰えもないはずで、改めて期待したい一戦。2〜3着に食い込んでくるケースは十分に考えられる。

 以下はキングオブコージ、グローリーヴェイズ、バイオスパーク、シルヴァンシャー、カセドラルベルという評価順だが、枠番の影響が大きいコース&レースなので、最終的な序列はかなり入れ替わりそう。混戦模様で、人気も現時点では読みづらい。レースやコースの傾向を考えると、ここはキセキからの相手紛れを狙うのが美味しそう。大波乱はないが、小波乱〜中波乱あたりならば十分ありうる。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



……これはちょっと恥ずかしい(#^ω^)ビキビキ

少頭数になったのもあり、上位に評価した3頭でそのまま決まるのを期待して、3連複1点勝負を敢行! その結果、08カレンブーケドールが2着、01クレッシェンドラヴが4着、03ミッキースワローが5着という冴えない結果に終わりました(反省)。恥ずかしながら、この相手にセンテリュオが勝つケースはほとんど想定していなかった……嗚呼、秋競馬もやっぱり難しい。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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