距離延長で期待がかかったキーフラッシュでしたが、勝ち馬の切れ味に屈して惜しくも2着。とはいえ、3着以下には決定的な差をつけており、今後がますます楽しみになる一戦でもありました。土曜日の3Rでは、ゲートでヒヤッとするアクシデントがあり、騎乗馬のクリノイコライザーが除外に。「痛かった…」と振り返る小牧騎手が、その一部始終を語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
右足の鐙が抜けなくて、宙づりになった!
──白川郷S(10月4日・中京10R・ダ1900m)のキーフラッシュは2着。3着以下は大きく突き放しましたが、1頭強い馬がいましたねぇ。
小牧 しょうがないね。勝った馬は、文句なしに強かった。普通に乗ってきて、アッサリとかわされてしまったからねぇ。相手がミスでもしない限り、あのレースは勝てんかったわ。
──先週、「距離が延びるのはいい」とおっしゃっていましたが、やはり1700mとは走りが違いましたか?
小牧 そうやね。楽だったというか、走りに余裕があったような気がする。相手はあの馬(ハギノアレグリアス)だけやと思っていたし、川須(スズカフェスタ7着)が行くことも予想できていた。イメージした通りに完璧に乗れたんやけどなぁ。ガックリきたわ。
──キーフラッシュの走破タイムは1分56秒5、前日のシリウスSの勝ちタイムが1分57秒8。単純比較はできませんが、1000m通過タイムにそれほど差がなかったことを思うと、この1秒3という差はキーフラッシュの可能性を示しているかもしれませんよ。
小牧 ああ、そんなに違ったんや。勝った馬はよっぽど強かったんやねぇ。キーフラッシュも、コンスタントに走り出したね。今ならどんな競馬もできそうや。今回は距離が延びたのもよかったし、2番手の外で早めにこられなかったのもよかったけど、今後も間違いなく楽しみやわ。
──3勝クラスではなかなか掲示板に載れなかった馬が、小牧さんに替わって3着→3着→2着。覚醒させましたね。
小牧 自分ではようわからんけど、なにかが噛み合ったのは確かやね。
──先週土曜の3R(3歳上1勝クラス・ダ1200m)では、ゲートでアクシデントがあり、騎乗馬のクリノイコライザーは除外に。どういう状況だったのですか?
小牧 もともとちょっとゲートが悪かったらしいんやけど、この前はまともにひっくり返った。僕も足を挟まれて、宙づりになったんですわ。右足の鐙がなかなか抜けなくてね。たいがい抜けるんやけど、この前は無理やった。それにしても痛かったなぁ。次の日も足が痛くて、痛み止めを飲んで乗りました。今もまだ痛くて、ふくらはぎが紫色になってるわ。まぁこの程度で済んでよかったです。
──9月21日の中京7Rで、ラデツキーと一緒に走っていた馬ですよね。そのときは、川須騎手が騎乗していて。
小牧 そう、途中で外からきて、ハナに行った馬ですわ。あの距離だと(ダ1800m)引っ掛かるっていう話だったんやけど、いい馬やし、短いところやったら絶対にいいところがあるはずやと思ってた。で、今回初めて1200mを使うということで、これは勝てそうやなと思って。勝つためにはどうしたらいいかをすごく研究して、楽しみにしてたんですわ。
──そうでしたか。そのぶん、落胆も大きい…。
小牧 そうやねん。ホンマに残念やった。でも、馬も無事みたいでよかったわ。絶対にいいところがあるはずやから、ゲートの再試験を受けて仕切り直しやね。
──最後にユーザーからの質問をひとつ。「なにかのインタビューで好きな歌手を聞かれ、“西野カナさん”と答えていて意外な感じがしました。今も西野カナさんが好きなのでしょうか? ほかによく曲を聴く歌手はいますか?」
小牧 最近一番聴いているのは、あいみょんやね。
──また意外なとこきた(笑)。
小牧 なんでよ(笑)。僕はね、ドラマをよう観ているから、最近の歌に詳しいんやで。あいみょんも『私の家政夫ナギサさん』の主題歌で知って、すごく好きになった。最近はアルバムもよう聴いてるよ。曲もいいけど、なんせ歌詞がいい。全部本人が作っているんでしょ? 彼女は天才やね。