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静内農高生徒、道知事を表敬訪問

  • 2020年10月07日(水) 18時00分

快挙に鈴木知事も「明るいニュースになった」


 去る10月6日(火)、北海道静内農業高校の生徒5名が、引率教諭とともに、北海道庁を訪れ、鈴木直道知事を表敬訪問した。8月25日に新ひだか町静内の北海道市場で開催されたサマーセール(日高軽種馬農協主催)にて、同校が生産した「健叶」号(父マクフィ、母マドリガルスコア、母の父ダンスインザダーク、牡鹿毛=以下健叶と表記)が、2750万円(本体価格2500万円)で、鹿児島県の竹園正継氏によって落札され大いに話題となったのは記憶に新しい。

 もちろんこれは、従来の静内農高のセリでの落札価格を大幅に更新する新記録であっただけではなく、今年の同セールにおいても、全落札馬825頭中5位の高額落札価格であった。まさしく快挙と表現して差し支えない出来事で、この度、同馬の生産、育成に携わった静内農高の生徒5名が代表となって、セールの結果報告をすることと、記念品として同馬の額入り立ち写真を贈呈するために、鈴木知事を表敬訪問することが実現したのである。

 静内農高からは、佐藤裕二校長、健叶の生産、育成を指導した小林忍教諭、そして、同校生産科学科3年生の山形采さん、清水悠花さん、南部彩乃さん、小野浩輔君、藤川莉央君の5名が、在校生を代表して参加した。このうち、山形采さんは、サマーセール当日に健叶号の手綱を引き、ステージに立たせる大役を担った生徒である。山形さんは、落札価格のあまりの高さに驚きながら、セール会場から出てきた直後には、仲間とともに抱擁し感動に涙する姿が印象的であった。

生産地便り

サマーセール初日、抱き合って喜ぶ静内農高生


 鈴木直道知事は、39歳。東京都職員から夕張市長を経て、2019年4月より高橋はるみ氏の後を受け、北海道知事になり、現在に至る。全国47都道府県の中で最も若い知事でもある。

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全国最年少の知事である鈴木直道知事


 午後4時半。北海道庁本館8階の知事会議室にて、先に着席して待機する静内農高ご一行の前に、奥のドアから鈴木知事が姿を現した。同席するのは小田原農政部長、新井生産振興局長のお二人である。

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生産馬「健叶」のサマーセールでの落札結果を報告


 コロナ対策のために、全員マスク姿だが、それでも鈴木知事の爽やかさは十分伝わってくる。新井局長の進行で、まず自己紹介からスタートした。その後、山形采さんより健叶についての発表となった。

「本日は私たちの日頃の学習成果をこのような形でご報告させて頂けることに、心より感謝いたします。静内農高は、地域産業である軽種馬生産学習として、サラブレッド生産を行っており、毎年1頭のサラブレッドを生産、育成し、セリに出しています。過去の生産馬としてはJRAで3勝を挙げたユメロマンがいます。

 私は神奈川県出身ですが、幼い頃から馬が好きで、親元を離れ静内農高に入学しました。入学して1年後に健叶が誕生しました。ほとんど馬に触れる機会のなかった私は、健叶に噛まれたり、踏まれたり、放牧に出す時に引きずられたりしたこともありましたが、それでも毎日接するうちにお互いに信頼関係を築くことができ、ともに成長できたと思います。

 セリは250万円からスタートしましたが、どんどん競り上がり、2500万円で落札された瞬間はとても感動しました。竹園様や多くの馬主様から『今日の上場馬の中で一番良かったよ、これまでよく育てたね』と声をかけていただき、今までのことがいろいろ思い出されて涙が止まりませんでした。

 現在、健叶は育成牧場で競走馬になるために調教を受けています。大きなけがもなくレースに出走できるように願うと同時に、これからも健叶とともに成長していきたいと思います。地域の方々を始め、出産前から健叶に関わって頂いた関係者の方々に改めて深く感謝申し上げます」と山形采さんは歯切れのよい口調でよどみなく話した。

 それを受けて、鈴木知事は次のようにコメントした。

「皆さんがこれまで培ってこられた経験、技術が評価され、軽種馬のセリで高い評価を得られたことは北海道にとっても大変喜ばしいことですね。コロナ禍にあって学校の中でもご苦労があったと思いますが、こうした形で結果が実を結んだというのは心から敬意を表します。

 JBBA、JRAからも高い評価を得たと聞いております。胆振日高の馬産地、軽種馬生産にかかわる多くの人々にも明るいニュースになったし、大変良い影響があったのではないでしょうか。学校で得た知識、実践はこれから社会人として大きな力になるものと思います。そして、これからの北海道の未来を支える皆さんに心から期待しております。今日は報告に来ていただきありがとうございました」

 その後、知事はパソコンに収録されている8月25日の健叶のセリの様子を熱心に見ては、生徒たちにあれこれ質問し、ひじょうに和やかな雰囲気のまま、表敬訪問が進んだ。

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セリの様子を見る鈴木知事


 最後に、知事を囲んでの記念撮影、そして記念品として健叶のセリ後に撮影された額入り立ち写真が山形采さんから知事に手渡され表敬訪問が終了した。

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表敬訪問を記念しての記念撮影


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山形采さんより鈴木知事へ健叶の額入り立ち写真が手渡された


 順調ならば、健叶がデビューするのは、来年である。できれば、函館か札幌で初出走を迎えてくれると静内農高の生徒たちも現地応援に行けるだろう。ぜひそうなってくれるよう願っている。

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岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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