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京都競馬場の改修工事について思うこと

  • 2020年10月10日(土) 12時00分

根幹レースの”連続性”という意味では違和感も…


 きょう10日、台風14号が日本列島付近を西から東へ通過するようです。ところでみなさん、覚えていますか?去年も、今年と同じ10月第2土曜日に台風に襲われたことを。

 ここ数日、テレビで取り上げていたので思い出された方もいらっしゃるでしょう。10月12日(土)に伊豆半島に上陸、関東や東北をはじめ広い範囲に甚大な被害をもたらした台風19号(令和元年東日本台風)です。

 この台風の接近によって、去年の東京競馬は12日(土)と13日(日)の分が中止となり、それぞれ後日に代替開催されました。

 そのせいで「ウイニング競馬」の私の出番がなくなったほか、東京ドームシティで行われる予定だったキャプテン渡辺さんとの「秋華賞予想トークショー」も中止になっちゃったんです。だから、この日に台風が来たことはよく覚えていました。

 今年、またしても同じタイミングで台風が来るなんて...。もうすでに各地で雨量が増えていますから、大きな被害が出ないよう祈るばかりです。

 さてさて、今週からJRAの開催競馬場にファンが入れるようになりました。まだ極めて限定的な形ではあるものの、レースのナマ観戦が可能になったわけです。

 ご存知のように、京都競馬場では今開催8日間が終わるといよいよ改修工事が始まります。もし何事もなかったなら、多くのファンの方々に今の姿の見納めをしていただけたはず。しかも、ひょっとしたら牡牝ともに無敗の3冠馬誕生の瞬間を目撃していただけたかもしれません。

 それが叶わなかったのは何とも残念。なので、運良く指定席券を購入できた方は、見に行けなくなったたくさんの方々に思いを致して、京都でのナマ観戦をお楽しみください!

 一方で、こんなことも考えちゃいました。今回の改修工事による京都の開催休止期間は2年半にも及ぶとのこと。その間、天皇賞・春、秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルCSは他の競馬場で実施されます。

 何らかの理由でGIレースが本来の開催場と違う競馬場で行われることは、日本だけでなく海外でもたびたびありました。でもそれは、“根幹レースの連続性”からするとちょっと逸脱してしまうわけです。これらのレースは、可能な限り条件を変えず同じ競馬場で開催すべきだと思います。

 そこで、スタンド改修のための休止期間中であっても、GI当日に限って、本来の開催場でレースを実施してはいかがでしょう?

 そう、その日は無観客、または入場者を極力限定して開催するのです。今年の無観客競馬がインターネット投票によって“維持”されているので、それもありかな、と思ってしまいました。

 もちろんこれは“暴論”。ファンのみなさんにナマでレースをご覧いただくのが競馬の基本、というのは重々承知していますよ。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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