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【サウジアラビアRC予想】不良馬場によりジンクスが当てはまらない可能性も

  • 2020年10月09日(金) 18時00分

近3年の優勝馬はすべてのちにGIを勝利しているが…


 歴史の浅い新重賞だが、2019年の勝ち馬はサリオス(日曜の毎日王冠出走)。2018年はグランアレグリア。2017年はダノンプレミアム。のちのGI馬が並ぶ。

 前身の「いちょうS」時代の勝ち馬には、2013年イスラボニータ、さらにはエアグルーヴ、メジロドーベルなどが登場する。前身とはいえないが、もっと古い「いちょう特別」にはシンボリルドルフ、メリーナイスなどの日本ダービー馬の名がみえる。

 出世レースらしく新重賞となった過去5回、馬券に絡んだ3着以内の15頭はすべて「前走1着馬」に限られるという、典型的な勝ち抜き戦らしい傾向がある。

 不良馬場までありそうな今年は、そんなジンクスは当てはまらないだろうが、「新馬→重賞」の未来のエース級が出る可能性はある。

 インフィナイトの父モーリスは、10月8日終了現在、新種牡馬ランキング、2歳種牡馬総合成績ともに1位。半兄は現7歳のブラックスピネル、半姉に5勝した牝馬モーヴサファイアがいて、母の半弟ダンビュライトは2016年の2着馬。

 馬名のイメージから連想されるようにクリソライト、マリアライトなどの一族(発展する輸入牝馬キャサリーンパーのファミリー)であり、軽いスピード系ではない。

 新潟1600mの新馬1分37秒5(上がり35秒0)は不良馬場。直線はフラフラしながらもがんばって伸びた。使って良化型らしく、今週の追い切りでは古馬オープンのミッキースピリットをあおっている。叩きつけるフットワークから渋馬場はこなせる。

 新種牡馬ドゥラメンテは、2歳種牡馬総合成績2位(新種牡馬ランキングも2位)。その産駒キングストンボーイは、この夏に引退した2018年の皐月賞馬エポカドーロの半弟。エポカドーロは2戦目の3歳未勝利戦→隠れた出世レースのあすなろ賞を連勝している。

 父ドゥラメンテの祖母は、いちょうSの女傑エアグルーヴ。デビュー戦のキングストンボーイは、追い比べになってから実に勝負強かった。母ダイワパッションは稍重のフィリーズレビューなど4勝。4代母Cairn Rougeカーンルージュは、10Fの英チャンピオンS(稍重)、8Fの愛1000ギニーなど15戦6勝の星がある。

 逆転の3番手はレース経験3戦が強みになるジャンカズマ(父ハービンジャー)。3代母に名マイラーSonic Ladyソニックレデイを持ち、母モンローブロンドの半姉アコースティクスは、不良馬場の日本ダービーを制したロジユニヴァースを送っている。

 良血馬のそろう出世レースらしく「カガフラッシュの3代母、セイウンダイモスの3代母、ピンクカメハメハの祖母」は、みんな名牝スイープトウショウの祖母として登場するサマンサトウショウ(父トウショウボーイ)になる。ピンクカメハメハと、雨のNHKマイルCを17番人気で勝ったピンクカメオは、馬名が似ているがとくに関係はない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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