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【秋華賞予想】このコース替わりが今年はどう出るのか!?

  • 2020年10月11日(日) 18時00分

■秋華賞(GI・京都芝2000m内)フルゲート18頭/登録21頭


★3行でわかる! 秋華賞 攻略の糸口

1.近年はメチャクチャ堅い。人気薄は3着で狙うのが正解。
2.差し優勢ではあるが「前走上がり最速」の過信は禁物
3.枠番は内のほうがベター継続騎乗組を重視の姿勢で。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし


 近年は非常に堅く決着している秋華賞。15番人気のリラコサージュが3着に激走した2013年や、10番人気のシゲルピンクダイヤが3着だった昨年のように、人気薄が3着にくるケースはある。しかし、勝ち馬はすべて4番人気以内で連対馬もすべて7番人気以内と、1〜2着は常に順当決着。今年も基本的には堅いと考えるべきで、極端な穴狙いは避けたほうが賢明だろう。

 枠番は内枠のほうがベターで、極端な外枠は割引。前走大敗から巻き返すような例はほとんどなく、前走での人気や着順がそのまま今回の結果につながる傾向にある。そういったレースなので、当然ながら継続騎乗組のほうが好成績。鞍上の乗り替わりを理由に評価を割り引く必要はないが、継続騎乗組を重視したほうがいいのは間違いない。

 注目すべきはコース替わり。牝馬クラシックロードはここまで「広々とした直線の長いコース」ばかりで行われてきたが、秋華賞の舞台となる京都芝2000m内は、まるでローカルの小回りコース。最後の直線はかなり短く、コーナーから仕掛けていかねば中団〜後方からでは間に合わない。デアリングタクトがもしオークスのようなレースをすれば、差し届かないのは確実だ。

 ここでご覧いただきたいのが、秋華賞ひとケタ人気馬に限定した、前走上がり3F順位別での成績。上がりが最速〜2位だった馬よりも、3〜5位だった馬のほうが複勝率が高いのである。オマケに、単勝適正回収値もこちらのほうが格段に優秀。末脚のキレは重要だが、コーナーから仕掛けていけるような器用さや機動力も持ち合わせている馬のほうが、信頼できるのである。

 問題は、今年の特別登録馬が「前走上がり1〜2位」と「6位以下」にスパッと二分されていること。判断が難しいので、データ特注推奨馬はナシとしている。とはいえ、前者の過信は禁物で、後者を狙ったほうが馬券的な妙味はあるはず。順当決着傾向が強いだけにあまり無理はできないが、人気薄は必ず後者から狙うようにしたい。

【コース総論】京都芝2000m内 Aコース使用

・コースの要所!

★4〜6番人気の活躍が目立つコース。7〜9番人気の複勝率も高く、波乱傾向。
★極端な差はないが、やや内枠有利の傾向。「真ん中よりも内」がベターか。
★内回りだがけっこう差せるコース。もっとも信頼度が高いのは中団待機組。





 ホームストレッチの中央、正面スタンド前からの発走となる京都芝2000m内。最初のコーナー進入までは約300mで、長くも短くもないといったところだ。京都なのでそれなりに起伏はあるが、それでも外回りとは大違い。まるで小回りのローカル競馬場のような形態で、最後の直線も325m前後とかなり短い。勝ち負けに「器用さ」も問われてくるコース形態といえるだろう。

 人気サイドの信頼度は「並」程度。人気別成績では、4〜6番人気の好内容が目立つ。同様に7〜9番人気の複勝率も12.6%と高く、波乱傾向の強さが見受けられる。最後の直線が短いので、人気の差し馬が伸びるも届かない──といったケースが多いのだろう。波乱傾向がそれなりに強いコースであるのは、忘れないようにしたい。

 次に枠番だが、基本的にはかなりフラット。もっとハッキリと「内枠有利&外枠不利」という結論になるかと思ったのだが、外枠に入った馬でも評価を割り引く必要はなさそうだ。ただし、フルゲートの17〜18番あたりになるとさすがに厳しい様子。高い能力があれば話は別だが、どんぐりの背比べのようなレースだと、この差が響いてくる。

 脚質面もやや意外な結果に。最後の直線の短さからもっと前が有利になると思いきや、先行勢と中団待機組が互角に張り合っている。連対率や複勝率は中団待機組のほうが高いほどで、上がり上位馬も好成績。4コーナー11番手以下から馬券絡みした馬も、それなりに出ている。イメージ以上に差せるコースであるのは、間違いない。

【レース総論】秋華賞(GI) 京都過去10回

・レースの要所!

★近年はかなり順当決着傾向が強い。ふたケタ人気馬は「消し」勝負もアリか。
★信頼度が高いのは内枠。平均人気差が大きいとはいえ、高く評価できる内容。
★コースデータ以上に差し優勢。前走が重賞以外だった馬は大幅な割引が必要。
★前走での人気や着順が直結。継続騎乗組が強く関東所属騎手は不振が目立つ。









 レースの平均配当は、単勝458円、馬連1726円、3連複1万2337円とかなりの低さ。それもそのはずで、過去10年の勝ち馬はすべて4番人気以内で、連対馬もすべて7番人気以内と、非常に堅い。一昔前は「秋華賞=荒れるGI」というイメージだったが、近年の人気薄は3着に食い込むのが精一杯。極端な穴狙いは避けるべきレースといえる。

 枠番は内枠有利の傾向。内枠である馬番1〜6番の複勝率は22.4%と、中枠や外枠に比べると格段に高い。平均人気差が大きいので信頼度に差が出て当然ではあるが、それでいてギャップ値はプラス圏。人気以上の結果を出しているのだから、素直に高評価すべきだろう。脚質を問わず、ひとケタ馬番を引き当てたいレースだ。

 脚質面は、コースデータ以上に差し優勢。連対馬の半数をここが占めているのだから、軸は中団待機組から選んだほうがいい。ただし、冒頭でも解説したように、前走が「最後の直線が長いコースでの最速上がり」だったような馬は、その持ち味を発揮できないケースが十分に考えられる。コーナーから加速できる、器用さや機動力があるタイプを重視したいところである。

 前走クラス別成績からは「前走が重賞でなければ勝ち負けできない」という結論に。かつてはサッパリの成績だった紫苑S組が、オープン特別から重賞に昇格して以降は好成績を残しているのも、その証左といえるだろう。また、巻き返しがまったくきかないレースであるのも、秋華賞の大きな特徴。前走6着以下からの好走例はほとんどなく、前走での人気や着順が、今回の結果に直結する傾向にある。

 最後に騎手関連データだが、GIらしく継続騎乗組が非常に強い。鞍上が乗り替わる馬が買えないわけではないが、連対率に3倍近くの差があるとなると、やはり強くは推しづらい。あとは、関東所属騎手の不振が目立っているのも、押さえておきたいポイント。昨年はカレンブーケドール騎乗の津村騎手が2着に好走したが、その前の好走例は2012年のヴィルシーナ(2着)にまでさかのぼる。買いづらいパターンであるのは確実だ。

【血統総論】


 血統面からは、ディープインパクト産駒、キズナ産駒、エピファネイア産駒をプラス評価の対象とした。なかでも特筆に値するのがキズナ産駒で、信頼度の高さはもちろん、回収値やギャップ値の高さもバツグン。このコース適性の尋常ならざる高さを考えると、人気薄でも侮れない。GI以外でも活用できる、覚えておいて損はないデータだ。

★特別登録馬 総論×各論

 特別登録のあったデゼルが、蹄の不安で残念ながら回避。このままいくと、収得賞金1500万円の馬は「6分の4」の抽選となる。人気の中心は当然、無敗の二冠馬であるデアリングタクト。前走、ローズSで見事な復活をとげたリアアメリアが2番人気で、離れてウインマリリン、マルターズディオサなどが続くカタチになると思われる。

 現時点でのトップ評価はリアアメリア。展開が楽だったとはいえ、ローズSは非常に強い内容だった。GIではなかなか結果が出せずにいたが、気性面の成長がようやく追いついてきた様子。内枠をうまく引き当てて、前走のように好位で流れに乗るレースができれば、逆転も不可能ではないと思われる。買い材料がもっとも多いのは、この馬だ。

 二番手評価にデアリングタクト。無敗の二冠馬なのだから力が上なのは言うまでもなく、オークスも普通の馬ならば負けている。前哨戦を使わずのぶっつけ本番だが、一昨年はアーモンドアイが、昨年はクロノジェネシスがそれで結果を出しているのだから、大きな割引とはならないはずだ。課題はやはり内回りコースで、松山騎手がどう乗るか次第。アッサリこなして、無敗での三冠を達成してほしいものだ。

 三番手評価にマルターズディオサ。近年になって成績を伸ばしている紫苑S組で、前走は4コーナー先頭から押し切る強い内容。減っていた馬体が戻ったのもよかった印象で、春とは違う結果を出せそうな雰囲気である。キズナ産駒であるのは大きな魅力で、そのコース適性の高さは折り紙付き。こちらもリアアメリアと同様、デアリングタクトを逆転できる可能性を秘めた1頭といえる。

 以下はウインマリリン、レイパパレ、ウインマイティー、パラスアテナ、クラヴァシュドールという評価の序列。枠番や当日の馬場によって多少の上下があるかもしれないが、序列が大きく入れ替わるケースはなさそうだ。勢力図に大きな変化はなく、春の実績馬が秋も強い──というのが基本的な見立てである。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



これ買えた絶対に買えた(#^ω^)ビキビキ

レース傾向を考えて、1〜2着に人気馬、3着に人気薄というフォーメーションで勝負したワケですが……3着候補の取捨で枠番を重視しすぎた(猛省)。そこに「人気薄は乗り替わり組を買うべき」という騎手ネタを加味していれば、16アウィルアウェイは簡単に拾えたんですよ。だというのに、なんで拾ってないんだ俺!

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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