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強豪牝馬勢と対戦し競馬界を盛り上げてほしい

  • 2020年10月12日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・10/11 毎日王冠(GI・東京・芝1800m)
 縦長の馬群の4番手につけたサリオスが残り200mで先頭に立ち、ダイワキャグニーに3馬身差をつけて完勝しました。ここではモノが違うという勝ちっぷり。3歳世代でコントレイルに次ぐ実力を遺憾なく発揮しました。

 母方にデインヒルが入るハーツクライ産駒といえば、これまでにアドマイヤミヤビ(クイーンC)、グレイル(京都2歳S)、カテドラル(NHKマイルC-3着)、シャドウディーヴァ(フローラS-2着)、コスモインザハート(札幌2歳S-5着)などが出ています。

 これらには2つの共通点があります。ひとつは、距離が延びていいタイプではないこと。もうひとつは、完成が早いこと。ハーツクライ産駒は長い距離を得意とし、古馬になって完成するものが目に付くのですが、この配合はそうならないケースが珍しくありません。いまだに2400mを超える距離で勝ち星がなく、4歳以降に重賞で馬券圏内に入ったのはたった2例です。開花の早いスピード血統であるデインヒルの影響が感じられます。サリオスは日本ダービーで2着となりましたが、これは地力の高さゆえのパフォーマンスで、本質的には2000m以下がベスト。

 一方、母方の血は成長力豊かなドイツ血統で構成されているので、伸びしろが小さいタイプとは思えません。今後はマイル戦を中心にレースを使っていくものと思われますが、競馬を盛り上げるためにも、グランアレグリアやアーモンドアイとの対決がぜひ実現してほしいものです。

・10/11 京都大賞典(GII・京都・芝2400m)
 好位につけたグローリーヴェイズが58kgの別定重量をものともせず、直線で豪快に抜け出しました。香港ヴァーズの圧勝、2着に敗れたとはいえ天皇賞・春におけるフィエールマンとの一騎打ちなど、能力の上限はきわめて高い馬ですが、その一方で、宝塚記念や昨年のこのレースでは、それぞれ情状酌量の余地があるとはいえ不甲斐ないレースぶりでファンを失望させました。5歳秋を迎え、精神的な安定が身に付いたとすれば、この先のGI戦線で大仕事が期待できます。

 牝系をたどると1986年の牝馬三冠馬メジロラモーヌに到達します。70〜90年代に数々の名馬を生み出したメジロ牧場は、2011年に解散したあと、レイクヴィラファームとして再出発しました。メジロの名は消えたとはいえ、たとえばモーリスはメジロ牝系から誕生しましたし、オルフェーヴルやゴールドシップの母の父はメジロマックイーンです。いわゆる“メジロ血統”は、過去に栄えて滅びてしまった血統ではなく、現代の血統シーンに大きな影響を与えています。

 母メジロツボネはスウェプトオーヴァーボードとアンバーシャダイのニックスを持つ好配合馬。デビューした産駒3頭はすべて勝ち上がっており、この先もグローリーヴェイズ級の大物を出す可能性は十分あるでしょう。

今週の血統注目馬は?


・10/17 飛翼特別(2勝クラス・新潟・芝1000m)
 外国産馬ズアーに注目です。その父ザファクターはダンジグ系のスピードタイプ。2018年には日本でリース供用されています。産駒は芝・ダート兼用のスピードタイプがほとんどで、その父ウォーフロントともどもダッシュ力と持続力に優れたスピードが持ち味。したがって直線1000mはいかにも合うタイプです。本馬はダンジグ3×5・5に加え、これもスピードの持続力を補強するロベルト系の血が入ります。この条件はぴったりでしょう。

今週の血統Tips


 兄弟で重賞ワンツー、という例は、たとえば今年の8月29日に南アフリカで行われたGIチャンピオンズC(ゴールデンドゥカート1着、レインボーブリッジ2着)や、2001年の中山大障害(ユウフヨウホウ1着、ゴーカイ2着)、2018年の香港G3ササレディスパース(1着タイムワープ、2着グロリアスフォーエバー)など、稀ではありますがいくつか例が存在します。しかし、同じ母を持つ三兄弟が同日に勝利を挙げる、というケースは聞いたことがありません。

 10月10日(土)に、マルモマリア(牝5)、マルモネオフォース(牝4)、マルモルーラー(牡2)がそれぞれ新潟3R、京都7R、京都1Rで勝利を挙げました。いずれも浦河町の岡本昌市さんが生産し、まるも組合が所有し、木原一良調教師が管理しています。母マルモセーラは現役時代にGIIIファンタジーSを勝った活躍馬。繁殖牝馬としては産駒5頭のうち4頭が勝ち上がるという好成績で、種牡馬の質が上がれば大物も期待できそうです。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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