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【府中牝馬S予想】樫の女王がここで復権

  • 2020年10月16日(金) 18時00分

名牝系を未来へつなぐ期待も


 11月15日のGIエリザベス女王杯(今年は阪神2200m)の重要な前哨戦。最近10年のエリザベス女王杯で3着以内に好走した30頭の、直前レースとしてもっとも多いのが府中牝馬Sの「11頭」。デアリングタクトの出走する日曜の秋華賞に注目が集まりすぎたか、珍しく8頭立てに落ち着いてしまった。10頭以下で行われるのは、牝馬東京タイムズ杯当時の1986年以来になる。

 といって、メンバーのレベルが低いわけではない。4歳ラヴズオンリーユー(父ディープインパクト)は時計の速い馬場とはいえ、昨年のオークスを今年のデアリングタクトの2分24秒4より1秒6も高速の2分22秒8のレースレコードで制している。

 体調整わず、昨秋はぶっつけでエリザベス女王杯を3着(1番人気で0秒2差)しただけ。その後も6カ月休み、今春は予定のドバイのレースが中止になるなど、少々不満足なレースを2戦したにとどまるが、夏休みをはさんだ今秋は予定通りに「府中牝馬S→エリザベス女王杯」のローテーションをとれる。

 7日に栗東CWで6ハロン「80秒1-65秒7-51秒7-38秒4-12秒5」の好タイムを、大きく追いかけて楽々と大きく先着。今週も鋭く動いた。

 ようやく3歳春当時のダイナミックな動きを取り戻している。当面の相手と思える同じ4歳馬は、昨春のオークスで完封したメンバー「ダノンファンタジー(5着)、シャドウディーヴァ(6着)、シゲルピンクダイヤ(12着)、フェアリーポルカ(16着)」になる。

 もちろん、それぞれ成長し、パワーアップしているが、6月の鳴尾記念2000mをちょっとしたコース取りの差と、首の上げ下げで微差2着の内容をみると、まだ7戦【4-1-1-1】のラヴズオンリーユーはこれから本物になり、さらに強くなると思える。マイルはちょっと短いが、東京の1800mなら距離不足はない。

 母ラヴズオンリーミー、祖母Monevassiaモネヴァッシアだけでなく、3代母Miesqueミエスクも、4代母Pasadobleパサドーブルも名繁殖牝馬としてファミリーを大きく発展させている。ラヴズオンリーユーのきょうだいは牡馬が多いので、この馬にはディープインパクト産駒の繁殖牝馬としての未来の期待もある。

 それほど馬場は悪くならないと思えるので相手は、同じ4歳ダノンファンタジー、単騎マイペースが望めるトロワゼトワル、東京で真価発揮の遅咲きタイプのシャドウディーヴァだが、予測以上に馬場が渋るようならフェアリーポルカを加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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