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【秋華賞予想】デアリングタクトがあっさりと3冠を決める

  • 2020年10月16日(金) 18時00分

このレースは差しが決まりやすい


 デアリングタクトの三冠なるかという秋華賞。水曜の調教後馬体重が480キロでオークス時は466キロだから、プラス体重での出走になることは間違いない。

 しかし、最終追いの坂路を54.7秒にとどめているあたりを見ると、いわゆる「太い」という状態ではないものと推測できる。負けることがあるとしたら京都内回り多頭数で窮屈な競馬になった場合か。ただ、外目の枠を引いたことでイン詰まりのリスクは後退した。4角でよほど外を回らない限りは、能力でなんとかしてくれるように思う。

 ちなみに秋華賞創設以降、オークスからのぶっつけはのべ33頭いるのだが、その着度数は[4-0-1-28]。2頭いた年が8回、3頭いた年が3回あるが、複数頭が秋華賞で馬券に絡んだケースはない。今年は史上最多の4頭がオークスからの直行だが、デアリングタクトが勝った場合ミヤマザクラ、サンクテュエール、ウインマリリンがどうなるのかという問題になる。

 過去10年で見ると前走6着以下の馬は連対なしの[0-0-2-57]という問題もあり、ミヤマザクラとサンクテュエールは重ねて苦しい。ウインマリリンは地力のある馬だが、なんだかんだで差し勢が強い秋華賞だけに、脚質的な問題もある。

 ローズS組ではリアアメリアの実績が一枚上だが、戦略をどうするか。内枠だし、前走のような積極策のほうが見せ場は作れそう。ただ、展開次第では大敗にもつながる。かといって差しに構えてデアリングタクトを負かすのは至難の業。悩みどころだ。

 この組ではクラヴァシュドールも春以前に実績がある馬なので見限らずにおきたいところ。ムジカとオーマイダーリンは前走2、3着でも人気はなさそう。デアリングタクトが前を全部スイープしたあとに2、3着に入ってきて配当を伸ばすという可能性は意識しておきたい。

 紫苑Sは重賞になってから地位がぐっと向上した。マルターズディオサは春も実績がある馬だが、先行タイプは秋華賞だと計算が立たない面がある。紫苑Sで展開が向かなかったパラスアテナやマジックキャッスルを複穴として期待するほうがよいと個人的には考えている。

 条件戦組は昔ほど成績があがっていないうえ、今年は脈のありそうな馬が除外になってしまった。デアリングタクトを否定しない限り相手に取れる頭数にも限界があるし、自分個人としては2頭ともシルシはつけない予定でいる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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