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【菊花賞】無風での三冠達成が濃厚!

  • 2020年10月18日(日) 18時00分

■菊花賞(GI・京都芝3000m外)フルゲート18頭/登録29頭


★3行でわかる! 菊花賞 攻略の糸口

1.極端な波乱は期待薄。1番人気7〜9番人気が狙い目!
2.コースもレースも内枠が強い関西馬継続騎乗組も○
3.前走で人気を裏切った馬は軽視。前走上がりも重視で!

データ特注推奨馬
 ★コントレイル



 荒れるときは荒れるが、近年は大波乱がなくなっている菊花賞。1番人気は[5-1-2-2]としっかり結果を残しており、対照的にふたケタ人気馬はトータル[0-1-3-86]で複勝率4.4%と、イマイチな結果。あって中波乱程度で大波乱はない--というのがレース傾向で、コントレイルという無敗の二冠馬がいる今年はなおさらだ。人気薄を狙うにしても、7〜9番人気あたりがオススメである。

 目立っているのが内枠の強さで、ひとケタ馬番を引き当てられるかどうかで、信頼度にはかなりの差が出ている。菊花賞の馬番1〜6番はトータル[7-2-1-50]という成績で、勝率が高いのはご覧の通り。今年も勝ち馬は、ひとケタ馬番の馬から出る可能性が高いといえる。関西馬が圧倒的に強いことや、GIらしく継続騎乗組の信頼度が高いこと、前走での上がり3F順位が「2位以内」だった馬が強いのも、重要なポイントだ。

 あとは、前走で「人気を裏切っているかどうか」も、しっかりチェックしておきたいところ。というのも、菊花賞は「前走着順が人気よりも悪かった馬」が、低調な結果に終わっているからである。この組がまったくこないわけではないが、トータル[1-3-1-52]で複勝率8.8%となると、やはり手は出しづらい。この組の評価は、かなり割り引いて考えたい。

 データ特注推奨馬はコントレイル。プラス評価となった項目は非常に多く、逆にマイナス評価となった項目はゼロという、完璧な内容だ。無敗の二冠馬がトライアルも楽勝したのだから、当然といえば当然の結果。三冠が達成される確率は、データ的にはきわめて高いといえる。

【コース総論】京都芝3000m外 Aコース使用

※今回は「京都芝2200m外〜芝3200m外」の4コースを集計対象としています

・コースの要所!

★基本的には人気サイドが強いコース条件。人気薄では10〜12番人気に注目。
★枠番は内枠有利&外枠不利。人気差も大きいが。それ以上に内枠が好内容。
★上がり上位馬の好成績からもかなり差せるが後方からの追い込みは期待薄。





 京都芝3000m外は、現在は菊花賞と万葉Sでしか使用されていないコース。データ母数の不足は否めないので、今回は「芝2200m以上の外回りコース」すべてを集計対象としている。精度の低いデータになってしまうが、京都の外回りはどのコースも傾向がよく似ているので、参考には十分なるはずだ。

 芝3000m外は、バックストレッチの中央あたりがスタート地点。スタート直後に急坂があること、最初のコーナー進入まで約200mと非常に短いことが、序盤の注目ポイントとなる。外枠に入ると欲しいポジションが取りづらいが、序盤から無理をするわけにはいかないので、おのずと選択肢が少なくなることだろう。

 とはいえ、人気サイドはなかなかの好成績。1番人気よりも2〜3番人気のほうが内容はよく、ここを1着で狙うのはかなり面白そうだ。基本的には人気サイドが強いコース条件だが、2〜3着はけっこう紛れるイメージ。10〜12番人気をヒモで拾っておくと、オイシイ配当にありつけるかもしれない。

 枠番はハッキリと内枠有利&外枠不利。芝3000m外はコース形態からもそうなって当然で、距離が長くコーナー数が多いのも影響しているはず。単純に内外を比較したデータでも差は歴然で、ひとケタ馬番が引けるかどうかは死活問題。極端な外枠に入ってしまうと、人気馬であっても厳しい戦いとなる。

 脚質は、やや差し優勢。先行勢と中団待機組が互角といった内容だが、上がり上位馬の好成績からも、クラスが上がれば上がるほど差し優勢になると思われる。ただし、後方から追い込むのは非常に厳しく、4コーナー11番手以下から勝ち負けに持ち込むのは至難の業。できれば、中団よりも前のポジションが欲しい。

【レース総論】菊花賞(GI) 京都過去10回

・レースの要所!

★1番人気を素直に信頼すべきレース。人気薄ならば7〜9番人気あたりが狙い目。
★勝率が高いのは内、複勝率が高いのは外。脚質はコースデータよりも前優勢。
★連対馬はトライアル出走組から。前走が2勝クラスの馬は3着狙いがオススメ。
★前走上がり上位馬が好成績。継続騎乗組や外国人騎手の強さも目立っている。









 レースの平均配当は、単勝757円、馬連3215円、3連複2万4786円と、単勝平均や馬連平均は低めの水準。けっこう荒れるイメージのある菊花賞だが、1番人気が[5-1-2-2]で複勝率80.0%としっかり結果を残しているように、近年は順当決着傾向が強い。7〜9番人気は好内容だが、ふたケタ人気はトータル[0-1-3-86]で複勝率4.4%、複勝回収値40と強調材料に欠ける。極端な波乱決着はないと考えるべきだろう。

 枠番データで目立っているのは、やはり内枠。馬番1〜6番に入った馬は、トータル[7-2-1-50]で勝率11.7%と、1着にくる確率が非常に高い。単勝適正回収値も135.2という高さである。ただし、コースデータほど外枠不利ではなく、単純に内外を比較したデータでは、馬番10〜18番のほうが複勝率や複勝回収値は高いという結果が出ている。勝ち馬は「真ん中よりも内」を、2〜3着馬は「真ん中よりも外」を重視したい。

 脚質は、意外なほどに「前」優勢。上がり上位馬が強いのはコースデータと同様だが、馬券絡みした馬の70.0%までが、4コーナーを6番手以内で回っていた先行勢。上がり上位馬も「好位から差した」ケースが非常に多い。そして、後方待機組は全滅といっても過言ではない惨状。スタミナが要求される距離だけに、そうそう簡単には差せないようだ。

 次に前走クラス別成績だが、連対馬はすべて前走でトライアルのG2、もしくは福島のラジオNIKKEI賞を使われていた組。前走で重賞に出走していない馬では、勝ち負けできないレースといえる。前走で2勝クラスを勝っていた馬が3着にはけっこうくるのだが、こちらは前走の距離が「芝2200m以上」であるのが好走の必要条件。これをクリアする馬だけを、ヒモで狙うのが正解だ。

 なかなか差せないレースであるのは前述したが、前走では高いレベルの瞬発力を証明しておきたい。前走での上がり3F順位別で集計したデータでは、これが「2位以内」だった馬と「3位以下」だった馬とで、大きな成績差が出ているのだ。好成績なのはもちろん前者で、一昨年はこの組が1〜3着を独占。昨年の勝ち馬ワールドプレミアも、前走の神戸新聞杯で最速タイの上がりをマークしていた。

 あとは近年、セールの高馬が好成績であるのも覚えておきたいところ。2016年の勝ち馬サトノダイヤモンド、一昨年の2着馬エタリオウ、昨年の優勝馬ワールドプレミアと2着馬サトノルークスは、いずれもセールで7000万円以上で落札されている。あとは、関西馬が圧倒的な強さを見せているのも、菊花賞の重要なポイント。関東馬はトータル[1-0-1-46]と、フィエールマン以外はほぼ全滅状態だ。

 最後に騎手関連データだが、GIらしくハッキリと「継続騎乗>乗り替わり」。そして、外国人騎手の強さも目立っている。乗り替わりでこのレースを制したのは、外国人騎手への乗り替わりだったフィエールマンだけ。今年も継続騎乗組、もしくは外国人騎手に乗り替わる馬をプラス評価の対象としたい。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、オルフェーヴル産駒をプラス評価の対象とした。いずれも優秀な内容で甲乙つけがたいが、このコース条件で今度も狙ってオイシイと思われるのがオルフェーヴル産駒。[8-3-3-24]で勝率21.1%、複勝率36.8%と高信頼度で、単勝適正回収値147.9、複勝回収値108と爆発力も十分。今後もコンスタントな活躍が見込める、高いコース適性を秘めているはずだ。

★特別登録馬 総論×各論

 今年は29頭が特別登録。このままいけば、収得賞金1500万円は「6分の4」の抽選となりそうだ。注目は言うまでもなくコントレイルで、サリオスが毎日王冠を古馬相手に完勝したことで、その評価はさらに高まった感がある。順調さを欠きながらも神戸新聞杯で2着と力をみせたヴェルトライゼンデ、もっか4連勝中の上がり馬バビットも、上位人気に推されることだろう。

 トップ評価は、データ特注推奨馬でもあるコントレイル。ケチのつけようなないプロフィルや臨戦過程で、課題となるのは3000mという距離だけ。とはいえ、センスがよく折り合いもつくので、それもあっさりクリアしそうだ。バビット以外との勝負付けは済んでおり、唯一のライバルであるサリオスもいないとなると、クラシックとはいえ勝って当然。ここは、完全に相手探しの一戦となる。

 二番手評価にヴェルトライゼンデ。前走の神戸新聞杯は、とても届かないと思われる位置から、素晴らしい末脚を使って上位に食い込んでみせた。コントレイルには完敗だったが、ダービー後の骨折や帰厩後の熱発など、順調さを欠いたことを考えれば高く評価できる内容。それだけに上積みは大きく、実績からも上位争いができて当然だろう。大舞台にやたらと強い、池添騎手の継続騎乗もプラスだ。

 三番手評価にバビット。コントレイルに勝てる可能性をもっとも秘めている馬で、セントライト記念は余裕綽々での逃げ切り。馬場や展開などが味方すれば、一発もありうる1頭だ。目標とされそうな点がどうかだが、それは逃げ馬の宿命。ますます力をつけてきている印象で、この勢いは無視できない。

 以下はダノングロワール、ディアマンミノル、アリストテレス、サトノフラッグ、ターキッシュパレスという評価の序列。基本的には順当決着で、多少なりとも波乱があるならば「3着」ではないかと思われる。コントレイルがここでどのようなレースを見せるのかではなく、どんな勝ち方をするのか。それを楽しみに、ゲートが開く瞬間を待ちたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



グローリーさんつえーな(#^ω^)ビキビキ

おおむね人気通りの順当決着なのでグウの音も出ないが、02キセキは本当に難しい馬だと再確認。最後方を走っているのを見たときは「あ、これアカンやつや」と思ったが、そこからマクって2着までくるんだから大したものです。さて……また当たらなくなってきたので、そろそろ一発逆転でも狙いますかね(負け組の発想)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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