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二ホンピロさん&服部厩舎の馬で900勝! 最高の結果に「気持ちよかったねぇ」

  • 2020年10月20日(火) 18時01分
太論

▲10月17日の京都5R、2歳新馬戦を勝利しついにJRA通算900勝を達成!


ニホンピロマリブで鮮やかすぎる差し切り勝ちを決め、ついにJRA通算900勝を達成!翌日にも9番人気アサカディスタンスで勝利し、早くも1000勝に向けて一歩を踏み出しました。開口一番「気持ちよかったねぇ」と、喜びを噛みしめた小牧騎手。今回の『太論』では、強烈なインパクトを残した土日の勝利をたっぷりと振り返ります!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

こういうことがあるから騎手はやめられへん!


──小牧さん、900勝達成おめでとうございます!

小牧 ありがとう。いやぁ、長かったわ…。

──900勝目となったニホンピロマリブ(10月17日/京都5R/2歳新馬/芝1800m/7番人気)、901勝目となったアサカディスタンス(10月18日/京都6R/3歳上1勝クラス/ダ1800m/9番人気)ともに、すごくインパクトのある勝ちっぷりでした。

小牧 新馬が強かったのがよかったねぇ。久々に気持ちがよかったし、ちょっと楽しみができたわ。やっぱり2歳で走る馬が出てくるとうれしいもんやね。

──さっそくレースを振り返っていきたいのですが、まずはその新馬から。

小牧 調教には2回乗ったんやけど、1回目は全然走る気がなくて。気を入れるためにビシバシ追ったんですわ。そうしたら、2回目は行く気を見せてくれてね。それでも、一度叩いてからかなぁという気持ちだったので、競馬でも前を追いかけずに、中団でジーッとしてました。結果的に、それがよかったね。終いの伸びにつながって。

──直線に向いた時点では、先頭の馬(2着フレイミングサン)とだいぶ差がありましたが。

小牧 差はあったけど、乗っている感覚としては差せる勢いやった。あれだけ離れていても、「かわせるはず!」と思ったから。

──外から本当にすごい伸び脚でした。なにしろ、レースの上がりが35秒6だったのに対して、ニホンピロマリブは34秒7でしたからね。お父さんのジャングルポケットを彷彿とさせる走りだなぁと思いながら見ていました。

小牧 そうそう、ちょっと頭が高くてね。でも、素直でおとなしい馬なんですわ。乗りやすいし。あとは、一度叩いたことでどうなるか。2歳馬は一度使うと変わるからね。まだ走る気があんまりないから乗りやすいけど、今後走る気が出てきたときに引っ掛かり出さなきゃいいなぁと思ってるよ。

──それにしても、お世話になっている馬主さんと厩舎の馬で区切りの勝利。一番いい形になりましたね。

小牧 うん。本当によかった。先生も奥さんも喜んでくれてね。僕もうれしかった。そういえば、ガッツポーズはせんかったわ。『太論』を通じて、ファンの人からいろいろアイデアをもらってね。すべて目を通させてもらってたんやけど、なんせ際どい勝ち方やったから。

──そこはファンの方たちもわかってくれていると思います。ゴールした後は、どなたかに声を掛けられて、笑顔で応えていらっしゃいましたね。

小牧 (岩田)康誠や。900勝まであと1勝なのは、康誠も知っていたからね。ゴールしてすぐに「おめでとうございます!」って声を掛けてくれて、記念撮影のときも来てくれたわ。

──岩田さんのほかに、3人のジョッキーが駆けつけて。

小牧 うん。水口がプラカードを持ってくれて、あとは秋山と小崎がきてくれた。面白いメンバーやろ?

太論

900勝達成の記念撮影


──確かに新鮮かも。さて、翌日のアサカディスタンスの勝ちっぷりは、さらに衝撃でした。

小牧 あれも気持ちよかったねぇ。馬群を縫って勝つというのは、騎手だったら誰もが気持ちいいと思う勝ち方やと思うわ。正直、あんなに走るとは思わんかったけど(苦笑)。

──休み明けは走るタイプとはいえ、1年2カ月ぶりのレースでしたものね。

小牧 せやねん。だから、ひとつでも上の着順に…という気持ちで乗ってました。ただ、追い切りだけは、毎回ビッシリかけていたからね。まぁ展開も向きましたわ。

──1000m通過59秒6の速い流れになって。

小牧 そうそう。直線に向いたら、前の馬たちが止まり始めてね。僕の馬は抜群の手応えやったから、その時点で(進路が)開けば勝てると思った。

──徐々に徐々に外に誘導して、一瞬開いた1頭分のスペースをズドン!という感じでしたね。

小牧 そうやね。勢いがよすぎて、ゴール前は抑えてたくらいやわ。土曜日といい日曜日といい、久しぶりに気持ちがよかったね。こういうことがあるから、この仕事はやめられへんねんな(笑)。

──インタビューでは、「1000勝を目指して頑張りたい」とおっしゃっていました。1000勝、イケると思います!

小牧 もう1勝したから、あと99勝やもんね。簡単ではないことは僕が一番わかっているけど、まぁボチボチ頑張りますわ。

──日曜日の夜は、どう過ごされたんですか?

小牧 自宅でこっそりお祝いしました。京都の伊勢丹で好きな食べ物を買って、家族3人で鉄板焼きをしながらワインを飲んで。早々に酔っ払って、7時くらいには寝てたんちゃうかな(笑)。

──通常運転(笑)。

小牧 ホントはね、みんなを誘って飲みたいんやけど、今は無理やから。まぁ家族3人のささやかなパーティーもいいもんやで。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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