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【カナダで羽ばたく日本人(1)】挫折を乗り越えた若武者 異国の地で三冠ジョッキーへ! / 福元大輔騎手

  • 2020年10月23日(金) 18時02分
海外競馬通信

▲マイティハートと共にカナダ版ダービーを制覇!(写真:本人提供)


「日本で活躍する外国人騎手」といえば、C.ルメール騎手などが頭に浮かびます。では「外国で活躍する日本人騎手」といえば、誰が頭に浮かぶでしょうか?

実は今年、海を越えてカナダから届くビッグニュースが後を絶えません。今回はその立役者である日本人ジョッキーふたりにお話を伺うことが出来ました!

最初に登場するのは、“日本人初のカナダダービージョッキー”福元大輔騎手です。続く二冠目も制し、今週末にはいよいよカナダ三冠に挑戦。海の向こうでも三冠馬が誕生するかもしれません。

順風満帆に見える騎手人生ですが、その背景には2度のJRA競馬学校不合格という過去が。挫折を乗り越えた自らの半生を振り返りつつ、ラストには不安な日々を送る人々へのエールもいただきました。

(取材・文:赤見千尋)
※このインタビューは電話取材で行いました。

ジョッキーベイビーズ出身、挫折をきっかけに海外へ


──騎手になりたいと思ったきっかけは何だったんですか?

福元大輔騎手(以下、福元) もともと福岡で生まれたんですけど、その後鹿児島へ移って、3歳くらいから身近に馬がいる環境でした。馬に乗り始めたのは4歳の時で、ポニーで草競馬に乗ったりしていて。小学生の頃にディープインパクトが活躍していたんですけど、ポニーの上でディープインパクトに乗った武豊騎手の真似をしたり(笑)

 中学1年生の時には九州代表として、東京競馬場で行われたジョッキーベイビーズにも出場出来て、「いつか騎手になるんだ」とずっと思っていました。

海外競馬通信

▲ジョッキーベイビーズにも出場(写真:本人提供)


──カナダで騎手になるというのは、とても思い切った行動だと感じます。そこにたどり着くまで、どんな経緯や葛藤があったのでしょうか?

福元 騎手になりたいと思ったら、まず日本でというのが自然な流れですよね。正直なところ、中学3年生の時にJRA競馬学校の試験を受けて、1回目で受かるものだと思っていました。1次試験は合格出来たのですが、2次試験で落ちてしまって。その時はものすごくショックでしたね。

──そこからどう立ち上がったんですか?

福元 2次試験は4日間くらいの合宿形式で、いろいろな科目があるんですけど、自分の中では乗馬で差があったと感じました。僕は小さい頃から馬に乗っていましたが、独学で草競馬をしていましたから、馬乗りの基礎となる乗馬をしっかり習っていなかった。変な癖もついていたし、そういう部分で差を感じたんです。実際に受験してみて、生半可な気持ちじゃ受からないなと。高校には行かず、乗馬クラブに住み込みで働きながら乗馬の勉強をすることにしました。

──15歳、16歳くらいの1年は、とても長く感じると思うのですが、その頃はどんな想いでしたか?

福元 そうですね。同級生たちは高校生になっているし、僕がいた乗馬クラブにも学校終わりで高校生が乗りに来ていました。同い年なのに雑用をしながら乗っている自分とは立場が違いますから、イヤになる日ばかりでしたね。

 でもとにかく乗馬が上手くなりたいという気持ちが強くて。一度競馬学校の試験に落ちてからは、次に受けてもダメだったら海外に行ってみたいという気持ちが膨らんでいたんですが、どこで騎手になるとしても乗馬の技術は必要なので、体に刻み込むようにして覚えようと必死でした。結局僕は一度も騎手の学校に行かなかったので、今でもあの時一生懸命勉強したことが基礎になっています。そう考えると、とても大切な時間だったと思います。

──1年乗馬クラブで頑張った後、2度目の試験も不合格となってしまいました。この時のお気持ちは?

福元 2度目は1次で落ちてしまったんですけど、1回目で落ちた時ほどは凹まなかったんですよね。日本で騎手になるには基本的に学校に合格しないといけなくて、地方競馬を受けてみるという選択肢もあったんですけど、子供の頃から海外の競馬も見ていて、特に北米の方に興味があって。オーストラリアやニュージーランドは日本人の騎手が何人もいると聞きますけど、カナダでやってみたいと思ったんです。

必死に英語で“僕は騎手になりたい!”


──なぜカナダだったんですか?

福元 いろいろなことを考えたんですけど、一度も海外に行ったことがなかったですし、ツテもなくて、海外で騎手になる方法も正直わからなかったんですよ。ヨーロッパとかも考えましたけど、やっぱり北米の方に憧れがあったので、カナダに行ってみようって。英語も全然しゃべれないけど、もう行っちゃえって感じでした(笑)

──すごい決断ですね!ご家族は心配されたんじゃないですか?

福元 親からは何度も止められました。周りからは

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