スマートフォン版へ

【秋華賞】“無敗の牝馬三冠” 名コンビが刻んだ新たな歴史

  • 2020年10月22日(木) 18時00分
哲三の眼

名コンビ! デアリングタクト&松山弘平騎手(C)netkeiba.com


競馬界に新たな歴史…。今年の秋華賞はデアリングタクトが勝利し、史上初となる無敗の牝馬三冠を達成しました! 今回のレースには哲三氏も思わず「さすが名コンビ」を連発。重圧を跳ね除けた松山弘平騎手&デアリングタクトの偉業達成の瞬間を振り返ります。

(構成=赤見千尋)

「松山君は、本当に頼りになるジョッキーになりましたね」


 秋華賞は1番人気デアリングタクトが勝利し、無敗の牝馬三冠達成となりました。騎乗していた松山(弘平)君は、随所にファインプレーが光っていましたし、人馬一体の名コンビだと感じました。

 今回はクラシック2戦を戦っての休み明けで、パドックでも馬が気負っているように見えました。そこは厩務員さんの工夫などで、ギリギリのところで精神的に保てていたと思います。返し馬でキャンターの時は落ち着いている感じだったけれど、輪乗りの時はチャカついていましたから、松山君にとっても今までコンビを組んできたレースの中で、ゲートに入るまで一番不安だったのではないかと想像しています。

 パドックなどの様子は、見ている僕もちょっと不安に感じたのですが、「これなら大丈夫だ」ってボソッと声が出た瞬間がありました。映像では映っていないかもしれませんが、ゲートに入る前に、デアリングタクトがちょっと立ち止まって、その後ゲートに入り始めたんですね。その時の立ち姿が、筋肉の硬直というか、馬が緊張しているのがほぐれて、力んでいたところがスッと抜けたように見えました。そこで大丈夫だなと。

 それでも、ゲートに入ってからもいつもよりチャカつき気味なところがありましたが、

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング