スマートフォン版へ

【富士S予想】好相性の4歳馬が少ないのなら、好調の3歳馬に注目

  • 2020年10月23日(金) 18時00分

自在性のある伏兵を狙いたい


 11月22日のGI「マイルCS」の有力な前哨戦。最近10年のマイルCSと最も強く結び着くのはこの「富士S」組で、マイルCSで3着以内に好走した30頭のうち、最多の8頭(うち4頭が4歳馬)を占めている。最近10年のマイルCSは4歳馬【4-6-3-23】が最も好成績を残しているレースでもある。

 また、連動してこの富士Sも4歳馬が強いレースで、最近10年、4歳馬の成績は【5-4-2-15】になる。ところが、今年の出走馬には4歳馬がたった「1頭」ヴァンドギャルドだけの組み合わせになってしまった。

 4歳馬が1頭しか出走しなかったのは、2015年、2012年など過去22回のうち計6回あるが、レベルうんぬんではなく、駒不足を衝かれて4歳馬は【0-1-1-4】にとどまる。

 現3歳世代は初夏の6月から9月まで、4歳以上古馬との対戦になった重賞でずっと不発だったものの、10月に入ってシリウスSをカフェファラオが勝ち、毎日王冠をサリオスが圧勝するなど、ようやく3歳馬の進出が始まった印象がある。富士Sには3歳馬が「5頭」も挑戦してきた。3歳馬に注目したい。

 NHKマイルCを1分32秒5(自身58秒1-上がり34秒4)で快勝したラウダシオン(父リアルインパクト)と、リステッドレースの米子Sを1分32秒7(58秒0-34秒7)で快勝し、京成杯AHを1分33秒9(58秒3-35秒6)で2着したスマイルカナ(父ディープインパクト)はもちろん有力だが、狙って面白いのはシーズンズギフト(父エピファネイア)。

 良績は1800m-2000mだが、初めてマイルに出走した4月のニュージーランドTを、前半は少し出負けして後方に置かれたうえ、かかって折り合いもう一歩のロスがありながら、自身「58秒6-34秒5」のバランスで、1分33秒1の2着。スムーズなら勝っていたのではないかと思わせる好内容だった。前走の紫苑Sは、同じような位置にいたパラスアテナ(秋華賞0秒3差4着)とクビ差の3着。流れに乗る自在性を見せたのが大きい。

 母シーズンズベストは1800m以下で3勝のマイラータイプ。祖母シーズアン(IRE)は英6FのG1チヴァリーパークSの勝ち馬。その父Zietenザイーテンは遠征してきた1994年の京王杯SC2着馬。こういう距離の方が合う可能性が高い。エピファネイア産駒で、秋華賞のデアリングタクトと同じサンデーサイレンスの「4×3」になる。対する古馬では一段と迫力を増しているサトノアーサー(父ディープインパクト)が筆頭。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング