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【天皇賞・秋予想】今年は女傑2頭のマッチレース!

  • 2020年10月25日(日) 18時00分

■天皇賞・秋(GI・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録12頭


★3行でわかる! 天皇賞・秋 攻略の糸口

1.偶数馬番が強いレース。枠番は馬番5〜8番に大注目!
2.4〜6番人気5歳以下馬が大活躍。末脚のキレも超重要。
3.前走プラス体重→今回マイナス体重か増減なし=買い!

データ特注推奨馬
 ★アーモンドアイ


 天皇賞・秋は、偶数馬番が非常に強いレースだ。そしてそこにはおそらく、東京芝2000mのトリッキーなコース形態が大きく影響している。序盤のポジション争いが超大事なコースだけに、「ゲート後入れ」である偶数馬番の有利さが、想像以上に効いているのでは──というのが、筆者の推測である。まったくもって的外れという可能性もあるが、そうでもなければ、ここまで大きな差は出ない。

 レースデータの集計範囲を、1986年までの過去33年分(東京開催分のみ)にまで拡大しても、傾向はまったく変わらない。偶数馬番がトータル[22-18-23-199]で勝率8.4%、連対率15.3%、複勝率24.0%。奇数馬番は[11-15-10-239]で勝率4.0%、連対率9.5%、複勝率13.1%と、偶数馬番のほうが明らかに強いのである。ここまでくれば、レースの特徴のトップにあげても差し支えないはずだ。

 内枠有利&外枠不利でよく知られるコースだが、少頭数となりそうな今年は、外枠の不利を気にする必要はさほどないはず。コース&レースの両方で、「じつは馬番5〜8番の内容がもっとも優秀」であるのを覚えておけばオッケイだ。脚質については、先行や差しといった分類よりも、勝つのにハイレベルな決め脚が要求されることに重きを置きたい。

 あとは、4〜6番人気が毎年のように馬券に絡んでいることや、6歳以上馬が壊滅状態であること、馬体重が「前走プラス→今回マイナスもしくは増減なし」という推移の馬が大活躍していること、外国人騎手が猛烈に強いことなども、覚えておいて損はないだろう。データ特集推奨馬は、アーモンドアイ。偶数馬番に入って馬体増がなければ、パーフェクトといっても過言ではない内容となる。

【コース総論】東京芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★3番人気以内馬はいずれも好内容。人気薄は勝率の高い7〜9番人気が狙い目。
★人気差を考慮してもやはり基本的には内枠有利。とくに1着馬は枠番重視で。
★東京芝らしく差しや追い込みも決まるが、強いのは先行勢。好位がベスト。




 内枠有利の代名詞的存在である、東京芝2000m。よく知られているように、スタート直後が急カーブという、かなりトリッキーなコース形態だ。当然ながら、外枠から前のポジションを取りにいくのは非常に難しく、対照的に内枠は、前にいってよし、中団のインで脚をタメてよしと選択肢が豊富。いずれが有利かは、言うまでもないだろう。スタート直後の1ハロンを「どうこなすか」が、きわめて重要なコースといえる。

 とはいえ、人気馬の信頼度は意外なほど高い。1〜3番人気はいずれも好内容で、トータルでの信頼度や回収値もハイレベル。逆にイマイチなのが中穴ゾーンの4〜6番人気で、勝率や単勝適正回収値は驚くほどの低さだ。ここを1着で狙うくらいならば、さらに人気がない7〜9番人気を狙ったほうが絶対にいい。そしてふたケタ人気は、2〜3着で狙うのがこのコースでのセオリーだ。

 次に枠番だが、やはり基本的には内枠有利&外枠不利。馬番17〜18番の内容が妙によかったりはするのだが、ここから馬券に絡んでいるのは「最速級の上がり」を使った馬ばかりである。単純に内外を比較したデータは明暗ハッキリで、平均人気差の大きさを考慮しても、内のほうが好内容。もっとも重要である1着候補に関しては、必ず「真ん中より内」から選ぶように心がけたい。

 最後に脚質だが、これが意外なほどに「前」優勢。逃げた馬は未勝利で、中団からの差しや後方からの追い込みも相応に決まってはいるが、連対率や複勝率の高さは、4コーナーを5番手以内で回った先行勢が圧倒的に高い。最速上がり馬よりも上がり2位馬のほうが高信頼度であるのも、先行勢優勢を裏付けるデータ。このあたりは当日の馬場バイアスにもよるが、イメージよりも前が強いというのは、しっかり覚えておきたい。

【レース総論】天皇賞・秋(GI) 東京過去10回

・レースの要所!

★近年は堅め決着傾向も中穴が大いに存在感を発揮。チョイ荒れ狙いを推奨。
★コースデータ以上に外枠不利。決め脚の鋭さがないと勝つのは難しいレース。
★6歳以上馬は壊滅状態。近年は、前哨戦を使わないぶっつけ本番組が好成績。
★前走がプラス体重だった馬に注目。外国人騎手も非常に強いが今年はどうか。









 レースの平均配当は、単勝934円、馬連2873円、3連複8991円という低さ。いつのまにこんな堅いレースに──と穴党が嘆くほど、近年は順当決着傾向が強まっている。とくに目立っているのが、ふたケタ人気の大不振。トータル[0-1-1-76]で複勝率2.6%、複勝回収値15という、とても手が出せない内容だ。

 1番人気は勝率50.0%、単勝適正回収値128.8と超優秀。3番人気はイマイチだが、2番人気は1番人気に負けず劣らずの好内容である。そして、大いに存在感を発揮しているのが、中穴である4〜6番人気。なんと、ここが馬券に絡まなかったのは過去10年で、キタサンブラックが制した2017年の1回だけなのだ。人気の盲点になりやすいのか、回収値の高さも文句なし。今年も絶対に要チェックといえる。

 枠番については、内枠有利&外枠有利ではなく「外枠がメチャクチャ不利」が結論。馬番13〜18番に入ると本気でキツイのだが、今年は最高でも12頭立てなので、大きな影響はないはずだ。ただし、ひとつだけ覚えておきたいのが、馬番1〜4番よりも5〜8番のほうが有利だという可能性があること。コース&レースの両方でギャップ値が高いのは、偶然ではないはずだ。

 脚質データからは、決め脚の鋭さが高いレベルで要求されているのが見てとれる。過去10年の勝ち馬のうち8頭が「上がり2位以内」で、ひとケタ人気馬を対象に「前走での上がり3F順位」を調べたデータでも、勝率や単勝適正回収値が高いのは「3位以内馬」だった。少頭数となりそうな今年の場合、思いきって最後方でひたすら脚をタメるというのも、戦法としてはアリだろう。

 明暗ハッキリだったのが年齢別成績。5歳以下馬がトータル[10-10-9-79]であるのに対して6歳以上馬は[0-0-1-59]と、極端なまでに前者が強いのだ。この傾向が今年も継続するならば、ウインブライト、カデナ、キセキ、ダイワキャグニーの4頭はかなり厳しい。そして前走レース別では、前走宝塚記念組や安田記念組など、ここにぶっつけ本番で出走してきた組の好調ぶりが目立っている。今後はますます、このパターンが増えそうだ。

 アノマリー系のデータでは、前走と今回の馬体重増減に注目。なぜか天皇賞・秋では、「前走がプラス体重だった馬」と「今回プラス体重ではなかった馬の2パターンが強い。しかも、この両方に該当した馬がトータル[6-4-4-50]と、なんと馬券に絡んだ馬の半数近くを占めている。7番人気以内に限れば、連対率28.1%、複勝率40.6%という信頼度の高さ。これを狙わない手はないだろう。

 最後に騎手関連データだが、外国人騎手がとにかく強い。乗り替わり組が好成績なのも、コレが最たる理由だ。日本人騎手へのスイッチは、[2-1-1-43]で連対率6.4%、複勝率8.5%という振るわない結果。日本人騎手に関しては、複勝率や複勝回収値が高い継続騎乗組を狙ったほうがいいという結論となる。

【血統総論】


 今年の出走馬は血統面もハイレベル。もっとも信頼度が低いルーラーシップ産駒でも、連対率は16.4%、複勝率は26.2%という高さである。そのなかでも注目株といえるのが、ロードカナロア産駒とバゴ産駒。出走数や勝利数は少ないが、別々の馬がガンガン好走していることから、非常に高いコース適性を有していると思われる。昨年の覇者アーモンドアイはもちろん、クロノジェネシスも血統的に「買い」なのだ。

★特別登録馬 総論×各論

 特別登録馬は、フルゲートを大幅に割り込む12頭。頭数的な盛り上がりには欠けるが、そのぶん「質」は最高だ。アーモンドアイ、クロノジェネシス、フィエールマンという現役トップクラス以外にも、ウインブライト、キセキ、ブラストワンピースなどのGI馬がここに参戦。ジナンボー以外はすべて重賞ウイナーという、超ハイレベル戦である。

 現時点でのトップ評価は、昨年の覇者アーモンドアイ。現時点で評価可能な全項目でプラス評価という、なかなかお目にかかれない結果となった。コース適性の高さは言うまでもなく、決め脚の鋭さも文句なし。前哨戦を必要としないタイプであるのも、とっくの前に証明済みだ。中央GI最多勝記録へ向けて順風満帆で、奇数馬番やプラス体重の場合でも、いたってフツーに勝ち負けだろう。

 二番手評価に、僅差でクロノジェネシス。アーモンドアイとの差は、鞍上が外国人騎手ではなく、前走が1番人気ではなかったという2点だけだ。宝塚記念で見せた圧巻の強さはまだ記憶にも新しく、まだまだ力をつけている様子。良馬場でも好勝負が十分に可能とみるが、道悪になれば適性の差で、アーモンドアイをあっさり上回るケースもありうる。いずれにせよ、自信をもって「買い」と断言できる内容だ。

 大きく離れた三番手評価がフィエールマン。プラス評価となった項目はかなり多いのだが、実績のある長距離ではなく中距離であることや、鞍上が福永騎手に乗り替わる予定であるのが、大きな割引材料となった。オールカマーからの始動予定が熱発で変更されたのも、多少は気がかり。実績が実績だけに軽くは扱えないが、人気サイドで1頭だけ消せと言われたら、筆者はこの馬を選ぶ。

 以下は、かなりの混戦模様。キセキ、ダノンキングリー、ダノンプレミアム、スカーレットカラーという序列ではあるが、買い材料と消し材料の両方がある馬ばかりで、枠番や人気を確認してからでないと正確にはジャッジできない。逆に、アーモンドアイとクロノジェネシスの「二強」という結論は、どんな枠番や馬場になろうとも変わらないはず。この1点を全力で買うのも悪くない選択肢に思えるが、どうか。


■総論×各論・先々週の馬券回顧


(#^ω^)ビキビキ

京都の芝がここまで荒れるとは……というのが正直なところ。この週はハッキリと差し馬場で、そうなるとパンパンの良馬場専用機である02リアアメリアさんは、なおさら厳しかったヨネ。ゴール前ではデアリングタクトの歴史的勝利を、悟ったような表情で見守っておりましたとも(心は吐血)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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