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「この馬は変わるよ、絶対!」ガラリ一変の可能性を秘めた2歳馬

  • 2020年10月27日(火) 18時01分
先週は勝利にこそ届かなかったものの、半年ぶりのミスターウインディが4着と健闘。「短距離なら常にチャンス」と、小牧騎手の評価も上々です。日曜日にデビューしたニホンピロコール(13着)も数字だけを見れば大敗ですが、小牧騎手の手応えとしては「収穫あり」。調教とレースで感じたガラリ一変の可能性に迫ります!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

芝の走りがすごくいい! あの馬は絶対に変わってくるよ


──先週土曜日の競馬では、結果は4着と残念ではありましたが、半年ぶりのミスターウインディがいい脚を見せてくれました(京都7R・3歳上1勝クラス・ダ1200m・7番人気)。

小牧 そうやね。休み明けだったから、次が楽しみになりました。手応えはすごくよかったんやけどね。

──持ったまま直線に向きましたよね。これはきたかと思いました。

小牧 僕も思った。今年から距離を短くして、春は1400mを使ってきたけど、もしかしたら1200mのほうがいいかもしれんね。もちろん1400mでも十分やれるよ。7歳馬やけど、この馬もちょっと楽しみになってきたわ。

──距離を短縮してから2着→3着→4着ときていますが、勝ち切るためのポイントは?

小牧 そうやなぁ。馬ごみも大丈夫やし、外目からの競馬も大丈夫やし。短い距離であれば、常にチャンスはあるんじゃないかな。ひと叩きしたことで、変わってくるやろうしね。

──日曜日には、ニホンピロコールがデビュー(京都5R・2歳新馬・芝1800m・11番人気13着)。調教の段階では、「(先日デビュー戦を勝利した)ニホンピロマリブよりいいかも…」とおっしゃっていた1頭ですよね。

小牧 そうそう。ちょっとね、レースに行って新馬らしいところが出てしまったわ。引っ掛かるかと思っていたのに、逆に一度もハミを取らなかった。メンコまで着けて対策してたんやけど、初めてのレースで戸惑ったんやろうね。でも、芝の走りがすごくよくてね。返し馬に行った時点で、これはいいかもと思ったわ。この馬も変わるよ、絶対。ホンマに楽しみや。

──調教には何度も騎乗されてきましたが、能力を感じさせたのはどんなところですか?

小牧 ちょっと追ってからがまだ物足りんかったけど、動いていたからね。背中の感じもよかったし、引っ掛かるくらいの行きっぷりやった。さっきも言ったけど、芝の走りはすごくいいから、調教と同じようにハミを取ってくれるようになれば、絶対に走ってくると思うよ。

──小牧さんの「走ってくる」は当たりますからね。変わり身に期待したいと思います。では、ユーザーからの質問を。900勝達成へのおめでとうメッセージがたくさんきています。
「900勝、感動しました! その後の記念撮影でプラカードを持つジョッキーや後ろに並ぶジョッキーは、どうやって決めているのですか? すごく気になっています」。

小牧 誰かが決めているわけではないよ。今回のプラカードは水口が持ってくれたけど、たまたまや。普段から飯を食ったりお酒を飲んだりしている仲というわけではないからね。

──そもそも、小牧さんご自身が「おーい、誰かきてー」とか声を掛けたりするのですか?

小牧 いやいや、違うよ(笑)。撮影のタイミングで、たまたまそこに居合わせたジョッキーたちが、自発的に来てくれる感じ。ありがたいよね。

──続いての質問です。「900勝おめでとうございます! 1000勝を目指すと聞いて、とてもうれしくなりました。自分も50代なのでぜひ知りたいのですが、小牧騎手が戦い続ける原動力はなんですか?」。

小牧 それは、僕にはこれしかないから。僕は馬に乗ることしかできない。だから戦う。原動力というか、それがすべてやね。

──「馬に乗ることしかできない。だから戦う」。名言ですね、これは。

小牧 せやろ(笑)? なんせ体を大事にして乗っていきたい。衰えず、ケガをすることなく。そのためには、やっぱりトレーニングが重要やから、そこだけは手を抜かずに頑張っていきたいね。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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