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【天皇賞(秋)・アルテミスS・スワンS予想】秋の古馬中長距離GIがスタート!! 出走予定馬の調教を徹底分析!

  • 2020年10月28日(水) 18時00分

ここにきて走りが完成してきた1頭とは!?


 先週の菊花賞で、コントレイルが無敗の三冠を達成。関係者の皆様、おめでとうございます。そして、私の本命バビットは見事なまでの惨敗に終わってしまい、予想を参考にしてくださった方々には大変なご迷惑をかけたことと思います。大変、申し訳ありませんでした。

 そんな中、アリストテレスの素晴らしい走りに魅せられました。これは馬だけでなく、C.ルメール騎手の徹底マークがあってのこと。目標はコントレイル、そんな走りを見せて、僅かに及びはしませんでしたが、それは相手がそれ以上に素晴らしかったということ。このマッチレースに、こうやって走る気持ちを継続させることができるんだなあという、調教的な見方をしていました。

 主観的なことになってしまいますが、これから追い切りを見る時には併せ馬の時にお互いがどんな気持ちで競っているのか、そこまで見極めることができるようになれば、より信頼度の高い追い切り評価ができるようになれるのでしょうね。

【アルテミスS/ソダシ】

 函館で新馬を勝ち、札幌で重賞勝ち。デビュー前の栗東調教ではトラック馬場で速い追い切りをこなしていなかったということもあり、1週前追い切りのCWでの併せ馬が私にとっての追い切り初見でした。白毛の話題先行かと思っていましたが、これは私の勝手な先入観。併せ馬でのケタ違いの脚色に、双眼鏡越しにごめんなさいと思わず呟きました。

 最終追い切りは坂路だったので、その動きは確認できていませんが、時計は後半2Fが12秒台のラップ。全体時計は遅めでも、しっかり動いていると思います。ここまで十分に乗り込んでいますし、あとは前日に輸送して翌日レースという初めての経験をしっかり克服してくれるかどうかでしょう。

ソダシ

併せ馬でのケタ違いの脚色を見せたソダシ(写真手前、10月21日撮影)


【スワンS/アドマイヤマーズ】

 前走安田記念は昨年12月の香港以来、3月にはドバイ遠征があって、レースが中止になる影響がありました。決して順調とは言えない中でのレースながら、先行してグランアレグリアから0.7秒差のレースなら決して悪い内容ではなかったように思います。

 今回はノーザンF天栄から栗東へ帰厩。9月下旬には時計を出し始めており、私の初見は10月14日のCW追い切り。その馬体は3歳時の秋に比べても、かなりシャープなつくり。その体で6F79.4秒をマークしたこともあり、個人的には今の馬体の方が時計の速い決着には対応しやすくなったのではないかと考えています。最終追い切り坂路での動きは確認できませんでしたが、時計は4F51.9秒なので、自己ベストを更新。やはり今の体ならスピードが出ます。

アドマイヤマーズ

3歳時に比べシャープな馬体になったアドマイヤマーズ(10月14日撮影)


【天皇賞(秋)/クロノジェネシス】

 宝塚記念はデビュー戦から24キロ増えた、464キロでの優勝。2歳時に「もっと体が増えてくれば」という斉藤崇調教師の言葉を思い出すと、これがクロノジェネシスの完成形なのかも知れません。今回も体に余裕がある状態での帰厩となりましたが、だからこそ、しっかりと追い切りを積み重ねていくことができる。これが厩舎の調教方針でもありますから、今回も順調という言葉が当てはまると思います。

 そして、1週前追い切りのCWでは前を追いかけそうになりながらも、自分のリズムをしっかりと保つことができる走り。これは3歳時にはなかったもの。この秋になって、完成してきた走りといった気もします。最終追い切りはCWでリュヌルージュにやや遅れたようにも見えましたが、むしろ追い抜かないゴールを選んだような走り。時計は6F84.8〜5F68.4〜4F52.9〜3F38.3〜1F11.7秒でラストは切れていますし、この動きで十分だと思います。

クロノジェネシス

走りが完成されてきたクロノジェネシス(写真奥、10月28日撮影)


【天皇賞(秋)/ダノンプレミアム】

 安田記念は惨敗してしまいましたが、そこからひと息入れて、というのは昨年の天皇賞秋2着時と同じ。違いは安田記念後に在厩してプールなどの調整を行った昨年に対し、今年は放牧に出たということ。追い切り本数は昨年よりも少なくなりましたが、今年は併せ馬の本数が倍以上に増えており、そういった意味での負荷が強くなっています。

 1週前追い切りの併せ馬ではブリンカーを着用して、集中力十分な走り。最終追い切りには川田将雅騎手が跨って、CWでスワーヴドンとの併せ馬でしたが、ブリンカーもメンコも着用せずにしっかりと折り合った走りを見せます。前に馬を置いて、こんなにゆっくり走れたっけと思うくらいでしたし、最後は11.5秒の切れ味。6F83.4秒は遅くなったというよりも、ゆっくり走れたことが評価できると思いますし、昨年よりもいい状態。そんな印象を受けます。

ダノンプレミアム

昨年よりもいい状態に映るダノンプレミアム(写真奥、10月28日撮影)


【天皇賞(秋)/キセキ】

 最終追い切りを栗東坂路にした宝塚記念、京都大賞典が勝てなかったものの、2着と好走。一昨年の天皇賞秋で3着した時とは調教パターンに変化が出ましたが、ローテーション自体は中2週と変わっていません。ちなみに2018年は1週前追い切りも最終追い切りもCWでした。

 今回は1週前追い切りも最終追い切りも坂路。トラック馬場での追い切りは10月25日に行っていて、これが左回りのCWでした。変化があっても、それで2走前から成績を一変させることができたわけですから、このパターンでも問題なし。あとは差すレースになった時に今の馬場のこの距離がどうかというあたりでしょう。

キセキ

一昨年とは違う調教パターンで臨むキセキ(10月28日撮影)


◆次走要注意

・10/24 2歳新馬【スマートレガシー】(6人13着)

 厩舎期待のディープ産駒だけに、芝デビューは当然だと思いますが、直前の最終追い切り、芝馬場での動きもやや瞬発力に欠く印象。きょうだいがダートで活躍していることも考慮すれば、ダートで変わり身があるはずです。

[メモ登録用コメント] [ダート中距離]最終追い切りラスト1F最速ラップなら勝ち負け。

◆開催おすすめの調教適性

<京都ダート1200m>
◎最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップ
○最終追い切りが栗東坂路で3F目12.9秒以下

 いよいよ、京都競馬場は今週でラスト。その最終レースがダート1200mということで、この条件を取り上げさせてもらいました。

 先週は室町Sを○▲◎で的中させていただきましたが、○が最終追い栗東坂路3F目12.3秒で1着。▲は美浦坂路での4F時計自己ベスト更新、◎は最終追い栗東坂路4F目12.9秒の最速でした。当時の馬場状態は重だったので、今週は良で行われる可能性も高いと思いますが、そもそもは良想定の調教適性なので、特に問題ないはずです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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