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【アルゼンチン共和国杯】堅いレースだが今年はどうか!?

  • 2020年11月01日(日) 18時00分

■アルゼンチン共和国杯(GII・東京芝2500m)フルゲート18頭


★3行でわかる! アルゼンチン共和国杯 攻略の糸口

1.コース&レースともに順当決着傾向。巻き返しは期待薄。
2.4歳以下の若い馬が圧倒的な強さ。多頭数の外枠は割引。
3.決め脚の鋭さは大きな武器。ハンデは牡馬55〜56キロ◎

データ特注推奨馬
 ★ユーキャンスマイル
 ★オーソリティ

 ハンデ重賞ながら、過去10年の平均配当は単勝484円、馬連1863円という尋常ならざる低さ。人気サイドが非常に強いレースで、これはコースの傾向にも合致している。人気薄はサッパリの結果に終わっており、ふたケタ人気が馬券に絡んだのは、2018年の3着馬マコトガラハッドだけ。信頼できる人気馬からの「相手探し」が、基本戦略となる。

 そういったレースだけに、前走での低評価や悪い着順からの巻き返しは期待薄。具体的には、前走が4番人気以内かつ4着以内であるのが望ましい。気になるハンデについては、重すぎても軽すぎてもイマイチ。ハンデ戦では「背負う組」が強いケースが多いのだが、このレースにおいては、牡馬ならば55〜56キロを背負う組がもっとも期待できる。

 目立っているのが3〜4歳馬の強さで、馬券絡みした馬の過半数を占めている。7歳以上の高齢馬が全滅していることからも、若い馬が強いレースと結論づけられるだろう。枠番は外枠不利で、多頭数で馬番13〜18番あたりに入ると、かなり厳しい戦いとなるはずだ。脚質はやや差し優勢で、決め脚の鋭さは大きな武器となる。

 文句なしに「買い」といえる馬は見当たらないが、買い材料が比較的多いのが、天皇賞・春以来の出走となるユーキャンスマイル。トップハンデを課せられそうなのが課題となるが、実績的にもここは格好をつけてもらわねば困る。そしてもう1頭、3歳馬のオーソリティも楽しみな存在。ハンデや枠番次第では、こちらを上に取る手もあるか。

【コース総論】東京芝2500m Bコース使用

※今回は東京芝2400mと東京芝2500mの2コースを集計対象としています

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度が高いコース条件。回収値も高く、ここからの相手探し。
★馬番13〜18番など多頭数の外枠は割引。内容がいいのは内枠の馬番01〜04番。
★1〜2着の多くを上がり2位以内馬が占める。決め脚の鋭さが超重要なコース。




 データ母数の不足を補うために、今回は東京芝2400m〜2500mをデータ集計対象としている。東京芝2500mのスタート地点は、ホームストレッチのやや4コーナー寄り地点。坂下からのスタートとなるので、スタートダッシュを決めようとすると、そこでスタミナを削られてしまう。最初のコーナー進入まで十分な距離があるのもあって、序盤のペースは落ち着くことが多い。

 まずは人気別だが、1番人気を筆頭に人気サイドが好内容。単勝適正回収値や複勝回収値がもっとも高いのも、1〜3番人気である。1着馬の69.5%を3番人気以内馬、86.4%を5番人気以内馬が占めているように、人気薄を1着で狙うのはかなり厳しいコース条件。極端な穴狙いは避けて、人気サイドからの相手探しに専念するのがいいと思われる。

 次に枠番だが、こちらは外枠に入った馬の不振が目立つ。具体的には、馬番13〜18番に入ると厳しいといえる。対照的に好内容なのが内枠である馬番01〜04番で、信頼度の高さはかなりのもの。平均人気の差を考慮しても優秀で、こちらは積極的に狙っていくべきだろう。基本的には、内枠有利&外枠不利の傾向にあるコース条件だ。

 最後に脚質面。最後の直線が長い東京芝らしく、中団から差した馬の成績がいい。また、最速上がりをマークした馬が[16-2-8-19]で勝率35.6%、単勝適正回収値180.0という素晴らしい成績を残しているのも、差し優勢の裏付けといえる。複勝回収値が高い先行勢は、2〜3着で狙うのがよさそうである。

【レース総論】アルゼンチン共和国杯(GII) 東京過去10回

・レースの要所!

★3番人気以内馬が[9-4-6-11]と非常に強いレース。ふたケタ人気馬は厳しい。
★レースデータでも外枠は不利。脚質は先行勢と中団待機組が互角という様相。
★4歳以下馬が圧倒的な強さ。ハンデは重くも軽くもないゾーンの馬が好成績。
★前走G1組は素直に信頼すべき。あとは前走4番人気以内馬&4着以内馬も強い。









 レースの平均配当は、単勝484円、馬連1863円、3連複6265円という、ハンデ戦とは思えないような低さ。それもそのはずで、過去10年の勝ち馬のうち9頭までが3番人気以内で、馬券に絡んだ馬の80.0%が5番人気以内馬なのである。対照的にふたケタ人気馬は、3着が1回だけという壊滅状態。順当決着傾向が非常に強いレースだけに、穴を狙うとしても7〜9番人気あたりが限界だろう。

 枠番はコースデータと同様に、馬番13〜18番の不振が目立っている。トータル[1-2-2-36]で連対率7.3%、複勝率12.2%、複勝回収値26という内容では、なかなか手が出せない。単純に内外を比較したデータでも、信頼度は内のほうがハッキリと高い。フルゲート近い頭数になるならば、やはりひとケタ馬番が欲しいところである。

 脚質については、コースデータよりも先行勢が踏ん張っている。ただし、連対率や複勝率は中団待機組のほうが上で、最速上がり馬は[4-4-2-1]で連対率72.7%、複勝率90.9%という鉄板級の信頼度。勝ち負けに決め脚の鋭さが求められるレースであるのは間違いなく、「差し→先行」決着となる確率がもっとも高いと思われる。

 驚いたのが、4歳以下馬の圧倒的な強さだ。馬券絡みした馬の過半数が3〜4歳馬で、連対率28.2%、複勝率43.6%、複勝回収値103という素晴らしい内容。それとは逆に、7歳以上の高齢馬は[0-0-0-39]と全滅している。「3〜4歳馬」は積極的に買い、「5〜6歳馬」はヒモ候補、「7歳以上馬」は消しという、3パターンで評価したい。

 ハンデについては、軽すぎても重すぎてもダメというのが結論。もっとも活躍が目立つのは、牡馬ならば斤量55〜56キロの馬だ。ハンデが重い組がもっと活躍しているイメージだったのだが、斤量57キロ以上馬は「可もなく不可もなし」といったところ。また、前走からの斤量増減があまり影響しないのも、このレースの特徴といえる。

 前走クラス別では、前走宝塚記念組などの前走G1組が好成績。あとは、前走が3勝クラスや2勝クラスだった馬の勢いも侮れない。ただし、今年は出走馬のほとんどを前走重賞組が占めそうな気配。ならば素直に、ユーキャンスマイルやメイショウテンゲンなど、前走でG1に出走していた組だけをプラスに評価したい。

 前走での人気&着順別で集計したデータにおいては、あまり巻き返しがきかないレースであるのが見てとれる。もっとも信頼度が高いのは前走が「4番人気以内」だった馬で、さらに着順が「4着以内」であれば文句なし。逆に、前走が10番人気以下や10着以下だった馬は、よほど強い買い材料がないと手を出しづらい。

 最後に騎手関連データだが、こちらは特記事項なし。一応は外国人騎手が好成績だが、短期免許で騎乗する騎手が少ない今年の場合は、そう高く評価する必要はないだろう。継続騎乗と乗り替わりでの成績差もそれほどなく、所属の東西でも目立った差はなし。騎手というファクターを軽視しても、とくに問題はないはずだ。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、ロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。長距離戦で存在感を発揮しているルーラーシップ産駒は、もし出走してくればここでも要注意。マイル前後で強いイメージから、人気の盲点となりそうなロードカナロア産駒も侮れない。それ以外では、キングカメハメハ産駒の回収値が高いというのも、覚えておいて損はないだろう。

★出走予定馬 総論×各論

 特別登録が出る前の段階で18頭が出走を予定と、今年は多頭数となりそうなアルゼンチン共和国杯。しかも、ハンデや枠番次第では大混戦が確実なメンバー構成である。順当決着傾向が強いレースではあるのだが、今年はどの馬がどの程度の人気になるのかも読みづらいほど。きわめて難解な一戦となりそうな気配である。

 また、出走予定馬に逃げ・先行勢が非常に少ないのも、注目すべきポイント。好位につけたい馬はメチャクチャ多いのだが、積極的に前に行くようなタイプがほとんどいない。このままいけば、スローでの瞬発力勝負が濃厚。例年以上に「末脚のキレ味」が問われることになるかもしれない。

 現時点でのトップ評価はユーキャンスマイル。天皇賞・春では4着に敗れたが、その長距離実績は、ここでは大威張りできるものだ。それに、末脚の鋭さも文句なし。プラス評価となった項目の多さは、この馬がナンバーワンである。久々になるので仕上がりが気にはなるが、相手関係からも勝ち負けになって当然といえる。

 二番手評価に、3歳馬のオーソリティ。骨折によりクラシック参戦は叶わなかったが、その素質は世代でもトップレベルだ。血統的にもスタミナは十分で、好位で流れに乗れるタイプであるのも有利に働くはず。来年以降のさらなる飛躍を目指すためにも、古馬との初対決となるここで、いい結果を残しておきたい。

 三番手評価にラストドラフト。前走がオープン特別のケフェウスSである点などマイナス評価となった項目も多いのだが、4歳馬であることや、寒くなってきたこの時期に調子を上げるタイプであることなど、買い材料もなかなか豊富。どの程度の人気になるのかサッパリ読めないが、狙ってみる価値アリと判断した。

 以下はメイショウテンゲン、トーセンカンビーナ、ゴールドギアという評価の序列だが、あくまで枠番やハンデなどがまったく読めない段階でのもの。上位評価組に関しても、外枠に入った場合には評価を大きく下げる必要がある。大混戦であるのは間違いなく、今年に関しては例年とは違って、波乱もありそうな気配。手広く買ってみたほうが面白いと思うが、どうか。


■総論×各論・先々週の馬券回顧


素直に買いすぎたぜ(#^ω^)ビキビキ

 03コントレイルの無敗での三冠達成はお見事!適距離ではない3000m戦で、完璧に乗った09アリストテレスをクビ差で封じたのは、強さの証明デスヨ。2着候補に指名した06ヴェルトライゼンデと11バビットは、見せ場なく敗退(陳謝)。堅い馬券を買って大ハズレに終わると、穴馬券を買って振り回したときよりも精神的ダメージ大でござる……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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