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両親の武器が最良の形で結びついた傑作

  • 2020年11月02日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・11/1 天皇賞・秋(GI・東京・芝2000m)
 好位の外を追走したアーモンドアイが残り100mで先頭に立ち、外から迫るフィエールマンとクロノジェネシスを抑えて連覇を達成しました。上位3頭は複数のGIタイトルを持つ馬で占められたので、まぎれのないタフな競馬だったといえるでしょう。アーモンドアイは日本新となる8つめの芝GI制覇。

 スピードの持続力を武器とする馬は切れ味勝負になると弱く、逆に瞬発力を武器とする馬は速いペースになると脚が貯まらない、という欠点があります。アーモンドアイはスピードの持続力と瞬発力を兼ね備えているため、どんな競馬にも対応でき、直線の長いコースの良馬場であれば崩れません。スピードを武器とする父ロードカナロアと、スタミナを武器とする母フサイチパンドラが最良の形で結びついた傑作といえるでしょう。

 まじめな性格ゆえか、レースに行くと極限まで力を振り絞るため、一戦ごとの消耗が激しいタイプです。今回は珍しくゴール前で差を詰められたように決して楽な勝利ではありませんでした。このあとは香港国際競走を予定しているそうですが、反動がないことを祈るばかりです。

・10/31 アルテミスS(GIII・東京・芝1600m)
 2番手につけたソダシが残り400mで先頭に立ち、ククナの追い込みを抑えて2つめの重賞を手にしました。戦績はこれで3戦全勝。前週のブラジルCを同じ白毛のハヤヤッコが勝ったように、見る側も白毛慣れしてきた感があります。シラユキヒメにさかのぼる白毛のファミリーは、7月以降、16戦8勝と驚異的なペースで勝ち星を積み上げています。そのうちの3勝は重賞です。小倉2歳Sを勝ったメイケイエールは白毛ではないもののこのファミリーの出身で、この世代は現時点で3頭がデビューし、すべて勝ち上がっています(残る1頭はダノンハーロック)。戦績を合計すると6戦全勝。

 メイケイエールは今週土曜日のファンタジーSに出走予定です。ソダシはおそらく暮れの阪神ジュベナイルフィリーズに直行するものと思われますが、今年は11、12月が阪神開催となるので、例年よりも荒れた馬場コンディションとなりそうです。シラユキヒメのファミリーはダートを得意としているようにパワー兼備。ソダシは高速馬場よりも荒れた馬場のほうがフィットするタイプです。実力的にも馬場適性的にも上位争いは必至でしょう。

今週の血統注目馬は?


・11/8 道頓堀S(3勝クラス・阪神・芝1400m)
 登録馬の父のなかで阪神芝1400mに強い種牡馬はオルフェーヴル。連対率26.9%は、2010年以降、当コースで産駒が20走以上した73頭の種牡馬のなかで第2位。このレースには産駒のアプルーヴァルが登録しています。長期休養明けで12着と敗れたあと、2戦目に5着と着順を上げ、ここが3戦目。一発が期待できます。

今週の血統Tips


 東京芝2500mの重賞は年2回。春は目黒記念、秋はアルゼンチン共和国杯が行われます。スタートしてすぐ直線の坂を上らなければならないため、単純な2500m戦よりもスタミナを要し、昔からステイヤー血統が活躍する舞台でもありました。90年代はリアルシャダイ、00年代はオペラハウス、10年代はハーツクライが絶大な力を発揮し、これらを軸に馬券を組み立てるのが血統馬券の作法でした。20年代の東京芝2500m血統、を探してみたいところですが、まだ見えてきません。

 候補として思い浮かぶのはルーラーシップとエピファネイア。前者はムイトオブリガードが18、19年のアルゼンチン共和国杯で2着、1着という成績を残しています。後者は芝2500m以上の長距離戦で[6-2-1-9]、勝率33.3%、連対率44.4%、複勝率50.0%と圧倒的で、先日の菊花賞でもアリストテレスが2着に食い込みました。来年あたりから東京芝2500mの重賞に産駒がお目見えすると思われるので、忘れずに狙ってみたいところです。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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