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【京王杯2歳S・ファンタジーS予想】中身のインパクトが重要

  • 2020年11月06日(金) 18時00分

主要路線の好走馬を多く輩出


 同じ距離1400mの京王杯2歳S(東京。GII。牡牝混合)と、ファンタジーS(今年は阪神内回り。GIII。牝馬限定)が同じ週に組まれ、なおかつ、同日に行われるのは今年で8回目になる。前後して行われるので、そのレースレベルは印象的になる。

 まだ2歳馬のキャリアは浅い。ローテーションは各馬さまざまだが、新重賞も加わった最近10年、12月のGI「朝日杯FS」で3着以内に好走した30頭のうち、もっとも多いのが前走「京王杯2歳S」に出走の7頭になる。

 牝馬の「阪神JF」で3着以内に快走した30頭のうち、多いのは「アルテミスS」組の7頭と、「ファンタジーS」組の6頭。そろそろ主要路線がみえてくる。

 今週の2重賞は、コースも馬場コンディションも異なるので時計の比較にあまり意味はないが、中身のインパクトは重要。昨2019年、東京のコースレコード決着の京王杯2歳S(1分20秒8)と互角以上の内容で、京都のファンタジーS(1分20秒7)を快勝したレシステンシアは、続くGI阪神JFを勝っている。2着マジックキャッスル(関東馬)は今秋の秋華賞を2着。ともにGI級に育った。

 2018年のファンタジーSを、京王杯2歳Sよりずっと印象的な内容(2秒9速い)で制したダノンファンタジーは、のちに阪神JF、チューリップ賞、ローズSを勝っている。

 一方、まだ遠征は早いこの時期に、男馬相手の2018年の京王杯2歳Sをハナ差2着した関西の牝馬アウィルアウェイは、今秋のスプリンターズSを3着。

 2016年に2着した関西所属の牝馬レーヌミノルは、桜花賞馬となった。この時期だから牡牝の差はないが、遠征して牡馬相手の京王杯2歳S(東京)を好走するような馬は、単に仕上がりの早い牝馬ではない。

 京王杯2歳Sは、新潟2歳S1600mでは前半行けなかったため、他馬が息を入れてスパートを待っていた3-4コーナーでインからスルスル進出した作戦が、結果、気持ちだけ早かった印象もあるブルーシンフォニー(父スクリーンヒーロー)から再度入りたい。

 前走が完敗の2着のうえ、今回は大外18番を引いて人気は下降するが、2週連続して古馬ゴールドギア(AR共和国杯出走)を軽くあしらった動きは前回以上。おそらく、差す形になるだろう。距離はマイルより1400mの方が合っている。ダーレーの生産馬らしく、Danzigの「4×4」。Northern Dancerの「5×5×5×6×5」。

 ファンタジーSは、2連勝のあと今回も快調教が目立ったダイワメジャー産駒のサルビア(母リップスポイズンは独1000ギニー馬)から入る。新馬は「11秒3-11秒3」の上がり勝負を楽に抜け出し、前回は「11秒8-11秒8」の直線で5馬身も抜け出した。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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